自分に合ったストレス解消法、持ってる?忙しくても実践できる方法
現代社会では、ストレスを完全に避けることは難しいでしょう。
忙しい仕事、人間関係、日常生活のさまざまな要素から、私たちの心と体は常にプレッシャーを感じています。
しかし、ストレスは必ずしも悪いものではありません。問題となるのは、ストレスが過度になったときや、上手に管理できないときです。
そこで、この記事ではストレスを感じる仕組みから、ストレスが及ぼす影響、日常生活や仕事でのストレス、さらにはストレス解消法まで、ストレスと上手に付き合うための情報をお届けします。
目次
1.ストレスを感じる仕組み2.ストレスが及ぼす影響
3.ストレスのサイン
4.ストレスを感じやすい人
5.仕事・職場でのストレス
6.日常生活でのストレス
7.ストレス解消法
8.逆効果を招く恐れがあるもの
9.健康的なストレスマネジメントのために
ストレスを感じる仕組み
人間の心と体は、ストレスという感情に対して敏感に反応します。働き過ぎて疲れ切ってしまった日や、厳しい上司から叱られてしまったときなど、私たちは「これが限界だ」と感じることがあります。
そうした瞬間、私たちは「ストレス」という感情を体験しています。
この「ストレス」を引き起こす元凶、つまりストレスの原因は「ストレッサー」と呼ばれます。スケジュールが詰まった忙しい日々や厳格な上司などがこのストレッサーに該当します。
ここで理解しておきたいのは、ストレスは2つの要素から成り立っているということです。
1つ目は「ストレッサー」、つまりストレスの原因となるもの。そして2つ目は、そのストレッサーによって生じる反応、すなわち「ストレス」自体です。
このストレスとストレッサーの関係は、風船に例えるとわかりやすいでしょう。
風船は外部から力を加えられると形を変えます。それがストレッサーによって引き起こされる「ストレス反応」です。ストレッサーが心理的・社会的な要因であることが多い一方で、睡眠不足のような生理的な要因や、暑さや寒さのような物理的な環境もストレッサーとなりえます。
しかし、風船にはもともとある形状に戻ろうとする力、つまり「弾力性」があります。
これが私たちのストレス耐性です。しかし、ストレッサーが過度に強く、その弾力性が乗り越えられないほどになると、風船は限界を超え、破裂する可能性があります。同じように、私たちが過剰なストレッサーにさらされ続けると、心と体は「破裂」し、さまざまな不調や問題を引き起こすことがあります。
ストレスが及ぼす影響
風船が限界を超えて破裂するように、私たちも過剰なストレスにより「破裂」する可能性がありますが、「破裂」は直接的なものではなく、心身の不調や行動の変化として現れます。
ストレスは心と体、そして行動に多面的に影響を与えます。
例えば、心が揺さぶられて不安定になったり、食事が喉を通らなくなったり、夜眠れなくなったりといった症状が現れるなどです。そして、こうした状態が続き、何も対策を講じずにストレスを抱え続けると、健康への危険度は高まり、様々な疾患につながるリスクが増加します。
まずは、自分自身がストレスを抱えているという認識を持つことが重要であり、感じているストレスを我慢しすぎず、適切なケアをすることが求められます。
ストレスが心に負担をかけている証拠として、次のような「ストレスサイン」が挙げられます。心のストレスサインとしては、悲しみや憂うつな気持ちが続く、不安やイライラ、緊張感が消えない、無力感が続きやる気が出ないなどがあります。
体のストレスサインには、食欲不振や体重減少、睡眠障害、手足の汗などです。
そして行動のストレスサインとしては、消極性、人間関係の避け行動、飲酒や喫煙の増加などが挙げられます。
これらのサインに気付いたら、自身でストレスを解消できる行動を取ることが大切です。また、症状が続く場合や悪化する場合には、専門の医療機関を受診し、適切なアドバイスや治療を求めることも重要となります。
ストレスのサイン
ストレスは、こころと体の両方にさまざまなサインを送ります。
こころ
こころの面では、悲しみ、怒り、恐怖、不安、混乱などの感情が強くなったり、気分が落ち込んだり、物事に集中できなくなったりすることがあります。
また、やる気が起きない、何をするにも無理だと感じる、将来に対する希望が持てないなど、意欲や希望に関連する変化も見られます。
体
体の面では、頭痛、胃の不調、食欲の変化、睡眠障害、肩こり、腰痛などが挙げられます。
また、免疫力の低下や心拍数の増加など、体の調子がおかしくなることもあり、これらの体の変化は、ストレス反応によるものであり、無理に我慢するのではなく、適切なケアが必要です。
ストレスが限界に達しているときのサインとは?見逃さず早めに受診を
ストレスを感じやすい人
ストレスを感じやすい人というのは、特定のパーソナリティ特性を持っていることがよくあります。それは一概には悪いことではなく、しっかりと対策を講じればストレスをコントロールできます。
一般的に、完璧主義者や責任感が強い人、あるいは人間関係を気にし過ぎてしまう人などがストレスを感じやすいと言われています。自分自身を高い基準で評価したり、他人からどう見られるかを常に気にしてしまうと、結果的にストレッサーになります。
また、変化に対する柔軟性が低い人もストレスを感じやすいと言われています。
人生や職場の状況は常に変化しますが、それに対応できないとストレスは増大します。対処法を身につけることで、ストレスを適切に管理することが可能です。
仕事・職場でのストレス
多くの人が職場でストレスを感じています。それは多様な原因から来るもので、過度の仕事量、厳しい期限、人間関係、職場の環境などが含まれます。
仕事のストレスは、長時間労働や不規則な勤務時間、仕事の自由度が低いことなどからくるものもあり、これらの要素は全てストレッサーになり得ます。また、自分の能力を最大限に活用できない状況や、公平さが欠如していると感じる場合もストレスを感じます。
ストレスを感じると生産性が低下し、モチベーションも下がってしまいかねません。
しかし、自分自身のストレスの原因を理解し、それに対処する手段を身につけることで、職場のストレスを軽減することができます。
日常生活でのストレス
日常生活でも、さまざまなストレスがあります。それは家庭内のコミュニケーション問題、経済的な問題、健康上の問題、時間管理の難しさなど多岐に渡ります。
家族間の争いや育児の問題、介護の問題など、家庭生活にはストレッサーがたくさん存在します。また、金銭的な困難や、健康問題も大きなストレス源となります。また、日々のタスクをこなすのに必要な時間が足りないと感じることもストレスになります。
日常生活におけるストレスに対処するには、問題を具体的に認識し、それに対する解決策を見つけることが大切です。また、リラクゼーションの時間を作り、好きなことをするなどでストレスを軽減することも重要です。
ストレス解消法
私たちの日々の生活には避けられないストレスが存在します。しかし、それらのストレスと上手く向き合い、うまくコントロールする方法があります。
以下に、いくつかのストレス解消法をご紹介します。
相談相手に気持ちを話す
話すという行為は、感情を表現し、心の中の問題を整理する効果的な方法です。
信頼できる友人や家族、専門のカウンセラーや心理療法士などに自分の気持ちや悩みを話すことで、内に閉じ込めていたストレスが軽減されることがあります。
また、他人との会話を通じて自分の状況を客観的に見ることが可能となり、問題解決のための新たな視点やアイデアを得ることもあります。
瞑想する
静寂の中で深呼吸をし、心を静めて自分自身と向き合う瞑想は、精神的なリラクゼーションを助けるとともに、ストレスの軽減につながる効果的な方法です。
マインドフルネス瞑想やヨガなどは心地良い呼吸を維持しながら体と心のバランスを整える方法として知られています。
瞑想によって心を落ち着け、自分自身を中心に据え、現在の瞬間に集中することで、日常のストレスから一時的に解放されることができます。
甘いものを食べる
適度な甘さの食べ物は、一時的にはストレスを和らげる効果があります。
チョコレートやアイスクリームなどの甘いものを少量食べると、脳内の幸福ホルモンであるセロトニンの分泌が促され、一時的に心地よい気分になることがあります。
しかし、過度な摂取は体重増加や健康問題を引き起こす可能性があるので、量とバランスには注意が必要です。
十分な睡眠をとる
良質な睡眠は、ストレスを管理するために非常に重要な要素です。
睡眠は私たちの体と心をリセットし、新しい一日に向けて必要なエネルギーを充電します。
逆に睡眠不足になると、イライラや疲労感を増加させ、ストレスを感じやすくするため、睡眠環境を整えて、一晩に7~8時間の睡眠を目指すことが重要です。
日光をあびて適度な運動をする
日常的に適度な運動を行うことは、ストレスを軽減する効果的な手段です。
運動によって体内でエンドルフィンという幸せホルモンが分泌され、心地よい気分を感じることができます。
特に屋外での運動は日光を浴びることもでき、更にリフレッシュ感を得られます。適度な運動とは、ウォーキングやジョギング、自転車乗りなどの有酸素運動から、ヨガやピラティスなどの穏やかなエクササイズまで、さまざまです。
趣味に没頭する
自分が楽しむことができる活動に時間を割くことも、ストレス管理の一部です。
音楽を聴いたり、読書をしたり、ガーデニングをしたり、絵を描いたり、料理をしたり、写真を撮ったりするなど、趣味に没頭することで、ストレスを忘れて自分自身をリフレッシュすることができます。自分自身のための時間を確保することは、心の健康を保つために重要です。
逆効果を招く恐れがあるもの
ストレスが溜まっているとき、一時的に気分を紛らわすためにアルコールを飲んだり、タバコを吸ったりする人がいます。
しかしこれらの行為が適度であれば問題は少ないですが、これらを過度に利用すると、実際にはストレスを増大させ、さらに健康問題を引き起こす可能性があります。
アルコールの過剰摂取
アルコールは一時的にリラクゼーションをもたらし、ストレスを軽減するように感じることがあります。
しかし、これは短期的な効果であり、長期的に見るとアルコールはストレスレベルを増大させ、さらに依存症を引き起こす可能性が高いと言えます。
また、過剰なアルコール摂取は肝臓疾患や他の健康問題を引き起こす可能性があるため、アルコールを飲む場合は節度を保つことが重要です。
過度な喫煙
タバコは一時的にリラクゼーションをもたらすと感じるかもしれませんが、実際にはニコチンは身体を刺激し、ストレス反応を増大させます。
また、喫煙は心血管疾患、肺疾患、さらには癌など、数多くの健康問題を引き起こすリスクがあります。したがって、タバコを吸うことで一時的な安堵感を得る代わりに、長期的に見ると、健康リスクとストレスの増大を引き受けることになると言えるでしょう。
適切なストレス管理は一時的な快楽を求めることではなく、健康的で持続可能な生活習慣を維持することに重きを置くべきです。
健康的な食事、適度な運動、十分な睡眠、そして自分自身のための時間を確保することなどが、ストレス対策として最も効果的と言えるでしょう。
健康的なストレスマネジメントのために
ストレスとは、私たちの生活の一部であり、切っても切り離せません。
適切に管理することで生活の質を向上させることができるため、心と体の健康を守るためには、ストレスのサインを認識し、適切なストレス解消法を見つけ、健康的なライフスタイルを維持することが重要です。
しかし、一方で過度なアルコール摂取や喫煙などの行動は逆効果をもたらす可能性があるので注意が必要です。ストレスとは友達になることを覚え、私たちの生活をより良くするためにそれを活用しましょう。
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