拒食症の初期症状は?発症する原因や治療法を解説
拒食症は、太ることへの恐怖や不安から極端な食事制限を続け、低栄養状態に陥る病気です。重症化すると心身に大きな負担がかかるため、初期症状を自覚し、早期に治療を受けることが欠かせません。
そこで本記事では、拒食症の初期症状や発症する原因、主な治療法などをお伝えします。「自分は拒食症なのではないか」と少しでも不安に感じている方は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
拒食症の初期症状
まずは、拒食症の主な初期症状を紹介します。以下の6つの項目に、心当たりがないかどうかをお確かめください。
拒食症の初期症状
- 「痩せたい」という気持ちが強まる
- 体重が増えることに恐怖や不安を感じる
- 甘いものを極端に避ける
- 過度な運動や排出行動を行う
- 疲労が溜まりやすくなる
- 生理が不規則になる・止まる
「痩せたい」という気持ちが強まる
標準、またはそれ以下の体重であるにもかかわらず「痩せたい」と強く思うことは、拒食症の代表的な初期症状です。
拒食症の方は、痩せることに対して強いこだわりを持っています。たとえ心身に悪影響が出るほど体重が減ったとしても、「自分はまだ太っている」と感じ、過度な食事制限を続けてしまいます。
体重が増えることに恐怖や不安を感じる
太ることに強い恐怖や不安を感じるのも、拒食症の初期症状の一つです。こうした恐怖や不安を感じる要因は、ボディイメージの歪みや自己肯定感の低下、過度な完璧主義などさまざまです。
「一日に何度も体重を計る」「自分の体型を鏡で頻繁にチェックして不安になってしまう」といった行動に心当たりがある場合は、拒食症になっている可能性があります。
甘いものを極端に避ける
拒食症の方には、甘いものを極端に避けるという行動も見られます。
何を食べるにしても、適量を守れば、体重が過剰に増えることはほとんどありません。しかし、拒食症の方は「甘いもの=太る」という固定観念を持っているため、スイーツや果物などを極端に避ける傾向にあります。
また、甘いものを食べたあとに強い罪悪感を抱き、気分が落ち込むことも、拒食症の症状に該当します。
過度な運動や排出行動を行う
食後に過度な運動を行うことも、拒食症の初期症状として挙げられます。少し食べただけでも不安を感じ、「運動しなければ」という考えに至る場合は注意が必要です。
また、食べたものを体外に出そうとして、自ら嘔吐したり、下剤を乱用したりするケースもあります。こうした行動は身体への負担が大きく、脱水症状や貧血、電解質異常などを引き起こしかねません。
疲労が溜まりやすくなる
拒食症の初期には、過度な食事制限によって十分なエネルギーを摂取できず、疲れやすくなることがあります。疲労感はやがて倦怠感をもたらし、「外出する気力がない」「家族や友人と話したくない」など、うつ病のような症状を引き起こすことも少なくありません。
また、エネルギー不足が続くと、筋力の低下や冷え、立ちくらみ、息切れといった症状が表れる可能性もあります。こうした状況で身体を無理に動かすと、症状が悪化するうえに気分が落ち込み、より強い疲労感に襲われてしまうでしょう。
生理が不規則になる・止まる
女性の場合、拒食症の初期症状として生理に影響が出ることもあります。
極端な食事制限によって体脂肪やエネルギーが不足すると、身体は生命維持を優先します。その結果、生殖機能に関わるホルモンの分泌が抑えられ、生理周期が不安定になったり、生理が止まったりするのです。
ホルモンバランスの乱れは、ストレスや睡眠不足の原因になるほか、骨密度の低下にもつながります。また、生理に関する問題を放置すると、妊娠・出産に悪影響を及ぼす可能性もあります。
拒食症になる原因
では、拒食症はどのような原因によって発症するのでしょうか。ここでは、拒食症になる主な4つの原因をお伝えします。
拒食症になる原因
- 過度なダイエット
- 対人関係のトラブル
- 職場や学校でのストレス
- 家庭環境
過度なダイエット
過度なダイエットは、拒食症につながる危険な行為です。健康や美容を目的として軽い気持ちでダイエットを始めた場合でも、「もっと痩せたい」という思いが次第に強まり、過度な食事制限や運動につながることがあります。
また近年は、SNSの普及に伴い、モデルや美容系インフルエンサーなどのスリムな体型の方を目にする機会が増えてきています。その結果、標準体型の認知が歪んで自身を太っていると勘違いし、拒食症になる方も少なくありません。
過度なダイエットによって拒食症にならないよう、食事制限や運動は無理のない範囲で行いましょう。
対人関係のトラブル
対人関係のトラブルが、拒食症の原因となることもあります。
たとえば、友人から自身の体型に関する心ない言葉をかけられると、ショックを受けるでしょう。こうした経験によって自信を失うと、「容姿を変えたい」という思いが強まり、拒食症になってしまう場合があります。
また、恋人と別れた際に、「自分の容姿が悪いのがいけない」「痩せなければ自分に価値はない」と思い込み、過度なダイエットを始める方もいます。
対人関係のトラブルで心が傷ついたときは、一人で抱え込まず、信頼できる人や医師に相談することが大切です。
職場や学校でのストレス
拒食症になる原因としては、職場や学校でのストレスも挙げられます。
仕事や勉強がうまくいかない状態が続くと、精神的に追い詰められてしまいます。特に、責任感の強い方や完璧主義の方は、つらい状況でも周囲に助けを求められず疲弊することが多いでしょう。
その際、ストレス解消のために成功体験を得ようとして、体重をコントロールし始めると、歯止めが効かなくなるおそれがあるのです。
こうしたリスクを抑えるには、誰かに助けを求めることや、体重のコントロール以外の方法でストレスを解消することが重要です。
家庭環境
家庭環境も、拒食症になる原因の一つです。家族からの期待やコミュニケーション不足、家庭内でのトラブルが、拒食症の引き金となる場合があります。
具体例は以下の通りです。
拒食症の引き金となりえる家庭環境
- 親が過保護、または過干渉である
- 家族間でのコミュニケーションが少ない
- 両親が不仲で喧嘩が絶えない
- 親から自身の容姿に関する否定的な言葉をかけられる
- 兄弟・姉妹と成績や容姿を比べられる
上記のような環境が原因で、ストレスや自己評価の歪みが生じると、拒食症になってしまうことがあります。
家庭環境の問題はセンシティブですが、可能であれば信頼できる人に相談して、精神的な負担を和らげたいところです。
拒食症になりやすい方の特徴
拒食症の方には、次のような傾向が見られることがあります。
拒食症になりやすい方の特徴
- 責任感が強い
- 完璧主義で自分に厳しい
- 他人と比較して自分を低く評価している
- ストレスを抱えやすく、発散することが苦手
- 誰かに相談することが苦手
- 周囲の目を常に気にしている
- 標準体型の認知が歪んでいる
拒食症は、性別や年齢を問わず発症する可能性がありますが、一般的には、責任感が強く、完璧主義な人がなりやすいといわれています。また、周囲の目を過剰に気にしている方や、スリムな体型に対して強いあこがれを持っている方も、拒食症になりやすいため注意が必要です。
拒食症を放置するリスク
拒食症を放置すると、低栄養状態が続き、心身にさまざまな悪影響を及ぼします。具体的には、以下のような合併症を引き起こすおそれがあります。
拒食症を放置することで発症しうる合併症
- 電解質異常
- 腎機能障害
- 不整脈
- 骨粗しょう症
- うつ病
- 栄養吸収障害
こうしたリスクを避けるためにも、拒食症の初期症状を自覚して早めに治療しましょう。
拒食症の治療法
拒食症の治療では、低栄養状態を改善するとともに、食事や体重に対する考え方を見直す必要があります。ここでは、拒食症の主な治療法を紹介します。
心理療法
拒食症の治療は、主に心理療法によって進められます。
拒食症の心理療法とは、医師とのカウンセリングや環境改善を通じて、食事や体重に対する偏った認識を修正する治療のことです。医師に葛藤や不安を打ち明けたり、ストレスの原因となっている環境から距離を置いたりしつつ、認識の偏りを徐々に修正することで、拒食症の克服を目指します。
拒食症になった原因や個人の性格などによって、適切なアプローチは異なるため、まずは医師に相談することが重要です。
薬物療法
薬物療法は、拒食症によって不安定になった心を、服薬で落ち着かせるための治療です。抗うつ薬や抗不安薬、抗精神病薬などが処方されることがあります。
治療中に自己判断で薬の量を増減したり、服用を中止したりすると、症状が悪化しかねないため、医師の指示をしっかりと守りましょう。
ただし、薬物療法のみで拒食症が完治することはありません。薬物療法は、あくまでも心理療法の補助的な位置づけであり、根本的な解決にはならないため、心理療法と並行していく必要があります。
拒食症に関するよくある質問
最後に、拒食症に関する疑問にお答えします。
拒食症に関するよくある質問
- BMIがどれくらいだと拒食症に該当しますか?
- 拒食症の好発年齢は何歳ですか?
- 拒食症は治りますか?
BMIがどれくらいだと拒食症に該当しますか?
BMI(※)が一定の数値を下回ったからといって、拒食症に該当するとは限りません。拒食症の診断では、体重やBMIだけでなく、体重増加への強い恐怖や、食事制限の程度、体型に対する認識なども確認されます。
とはいえ、一般的に、BMIが16以下の方は極度のやせ型だといわれています。この数値を下回っている場合は、拒食症かどうかに関係なく、医師に相談することをおすすめします。
※体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)で計算される体格指数
拒食症の好発年齢は何歳ですか?
拒食症の好発年齢は、10代後半~20代前半です。成長期ならではの身体の変化や、職場や学校でのストレスといった要因が重なり、心労を抱えやすい時期であることが、拒食症の発症と関係していると考えられています。
ただし、拒食症は性別や年齢に関係なく発症する病気です。初期症状が見られる場合は、自身の行動を見直したうえで、早めに医師に相談しましょう。
拒食症は治りますか?
拒食症は、適切な治療や支援を受けることで回復を目指せる病気です。栄養状態を改善しつつ、心理療法によって偏った認識を修正していけば、治る可能性は十分にあります。
拒食症の初期には、精神的・身体的な症状が表れる
拒食症の初期症状としては、「体重が増えることに恐怖や不安を感じる」「過度な運動や排出行動を行う」「疲労が溜まりやすくなる」などが挙げられます。こうした精神的・身体的な症状を放置すると、拒食症が重症化するだけでなく、合併症を引き起こすリスクもあります。
初期症状に自覚がある場合は、早めに医師に相談して、適切な治療を受けましょう。
なお、赤羽すずらんメンタルクリニックでは、拒食症の治療を行っています。土曜・日曜の診療も受け付けていますので、ぜひお気軽にご相談ください。
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