カウンセリングで何をする?概要・全体の流れと期待できる効果
「カウンセリングって何をするの?」「全体の流れを教えてほしい」などと考えていませんか。
詳細がわからず、不安を感じている人は多いでしょう。
カウンセリングでは、対話を通してクライアントの自己理解や意思決定を援助します。
これまでの経緯や自分の気持ちを話すことで、現在の状況を整理できたり、意外な一面に気づけたりする点がポイントです。
ここでは、カウンセリングの概要や流れ、期待できる効果、必要な人の特徴を解説します。
理解を深めたい人は参考にしてください。
カウンセリングとは
カウンセリングの定義はさまざまです。
厚生労働省は、共通要素を抜き出して以下のように定義しています。
心理学的な専門的援助過程である。その過程は大部分が言語を主な手段として、カウンセリングの専門家であるカウンセラーと、何らかの問題を解決すべく援助を求めているクライエントがダイナミックに相互作用し、カウンセラーは様々な援助行動を通して、自分の行動に責任を持つクライエントが自己理解を深め、「よい」意思決定という形で行動できるようになることを援助する。その究極的目標は個人が、一時的に遭遇する困難を克服して、クライエントがその人なりの特徴をフルに生かして成長し、社会のなかでその人なりに最高に機能できる自発的で独立した人として自分の人生を歩むようになることである。
引用:厚生労働省「Q5:カウンセリング効果の実際は?」
簡単に説明すると、心の専門家(公認心理士・臨床心理士など)が一時的な困難に直面しているクライエントの話を聞いて、専門的な援助や指導を行い自己理解ならびに意思決定をサポートすることといえるでしょう。
話をじっくりと聴いてもらうことで、抱えている問題を整理できたり、考え方の癖に気づけたりします。
カウンセラーが問題を解決するのではなく、クライアントが自分で立ち直れるきっかけをつくる点がポイントです。
セラピーとの違い
セラピーは、カウンセリングと混同されやすいもののひとつです。
セラピーは、薬や手術を用いない心理療法、物理療法といえます。
カウンセリングとの違いは、クライアントが直面している問題に対して、セラピストが主体的に解決策を示すことです。
カウンセラーが、主体的に解決策を示すことは原則としてありません。
根本的な解決につながらないうえ、カウンセラーへの依存を強めてしまう恐れがあるためです。
カウンセリングでは、クライアントがもっている力を引き出すことに焦点をあてます。
両者のアプローチは異なるため、詳細を理解しておくことが大切です。
関連記事:カウンセリングが必要な人とは|期待できる効果と必要性が高まる場面
カウンセリングでは何をする?
主に対話を通して、クライアントを援助します。
ただし、カウンセラーは原則として聞き役です。
途中で批判したり、遮ったりすることなく、クライアントの話を最後まで聴きます。
うなずいたり、相槌をうったり、繰り返したりしながら、話しやすい環境をつくる点がポイントです。
また、質問で話を広げたり、要約して話をまとめたりもします。
これらを通して、以下の役割を担います。
【主な役割】
- クライアントが安心して自分、問題と向き合える環境をつくる
- クライアントが問題を克服するための気づきを提供する
クライアントは、これまでの経緯や自分の気持ちを整理して伝えることに集中することが大切です。
カウンセリングの流れ
続いて、カウンセリングの流れを初期段階・中期段階・後期段階に分けて解説します。
初期段階
クライアントが申し込むことでカウンセリングが始まります。
最初に、氏名・住所・電話番号などの個人情報、直面している問題の概要、初回面談の希望日時などを確認することが一般的です。
日程を調整してから、初回面談を実施します。
ここでは、相談したい内容、相談に訪れた目的、これまでの経緯などを確認します。
また、困っていることについて理解を深めるため、追加でアセスメント面談を実施することもあります。
具体的な対応はケースで異なるため、流れが不安な場合は、事前に確認しておきましょう。
初期段階では、信頼関係の構築を重視します。
信頼関係を構築できないと、対話の中で安心感をえられないため、自分らしく振る舞ったり、自分の気持ちを素直に話したりすることが難しくなるためです。
カウンセラーは、クライアントの考え方で話を理解しようと努めます。
中期段階
カウンセラーが、クライアントに今後の方針、あるいは進め方を説明します。
具体的かつ現実的で、クライアントにとって価値のある目標を共有することが一般的です。
カウンセラーは、クライアントと一緒に努力をする立場をとります。
内容に同意できれば、カウンセリングが開始されます。
信頼関係を構築できているため、初期段階より踏み込んだ内容を話せるはずです。
中期段階では、クライアントの自主性、主体性を尊重しつつ、対話を通して問題解決を目指します。
クライアントの心理的なステップに配慮しながら援助を行うことが重要です。
この段階では、変わろうとする自分とこれまでの自分の間で気持ちが揺れ動くことが少なくありません。
カウンセラーは、これらの気持ちに配慮しながら援助を行います。
後期段階
後期段階では、成果を適切に評価することが大切です。
具体的には、感情面ならびに行動面の変化をクライアントが評価します。
あらかじめ面談の回数を決めている場合は、所定の回数を終えた時点で終了です。
決めていない場合は、現在の状況を踏まえて終結のタイミングを検討します。
ただし、漫然と継続することはおすすめできません。
クライアントの自律を損なう恐れがあるためです。
したがって、基本的にはタイミングを見極めて終結します。
不安を感じることもありますが、原因に気づいて行動が変化していれば、同じ問題に悩まされる可能性は低くなります。
また、何かしらの問題が生じたときに、カウンセリングを再開することもできるでしょう。
カウンセリングの終結は、新たなスタートへの一区切りと捉えることができます。
カウンセリングが必要な人の特徴
カウンセリングは、どのような人に必要なのでしょうか。
必要性が高い人の特徴を紹介します。
悩みを一人で抱え込んでしまう人
悩みを1人で抱え込む人は、必要性が高くなりやすいといえます。
こころの不調に陥りやすいためです。
たとえば、長年にわたる家族関係の問題を誰にも相談できず、心身に大きな負担がかかるなどが考えられます。
利害関係のない心の専門家であれば、直面している問題を相談しやすいでしょう。
専門的な援助により、誰かに頼れない理由に気づける可能性があります。
自分の性格に悩み、つらさを感じている人は、カウンセリングをひとつの選択肢として考えてみることが大切です。
自己肯定感が低い人
自己肯定感が低い人も、必要性が高くなりやすいと考えられます。
自己肯定感は、ありのままの自分を肯定する感覚です。
この感覚が低い人は、次の傾向があります。
【傾向】
- 自分と他人を常に比較する
- 自分はダメだといつも感じる
つまり、自分と他人を比較して「自分はダメだ」と常に感じている状態です。
自己肯定感が低いと「自分には価値がない」さらには「自分には生きる価値がない」などの誤った認識を抱きがちです。
心の専門家から支援を受けることで、自分でも気づいていない考え方の癖や行動パターンに気づける可能性があります。
また、これらを調整、あるいは修正する援助も受けられます。
生きづらさを感じている人は、相談してみるとよいかもしれません。
自分に厳しい人
自分に厳しくしてしまう人も、必要性が高くなりやすいといえるでしょう。
「周囲に迷惑をかけられない」「これぐらいできて当たり前」と考えて、無理をしてしまうためです。
たとえば、自分の仕事で手一杯にもかかわらず、同僚から頼まれた仕事を引き受けてしまうなどが考えられます。
断ることに罪悪感を抱いているのであれば非常に辛い状況です。
心の専門家に相談すると、現在の状況を客観的に把握しやすくなります。
正直な気持ちを伝え、受け入れてもらえることでストレスが和らぐこともあります。
また、これまでの行動パターンに気づいて、変化のきっかけをつかめることもあるでしょう。
自分の性格に苦しんでいる人は、心の専門家に相談してみてはいかがでしょうか。
コミュニケーションに悩みがある人
他人とコミュニケーションをうまくとれない人も、必要性が高いと考えられます。
人間関係で悩む機会が増えるためです。
社会生活でさまざまなトラブルを抱える恐れがあります。
たとえば、会社の同僚とよい関係を築けず孤立してしまうなどが考えられるでしょう。
心の専門家に相談すると、最後まで耳を傾けて話を聞いてくれるため安心感や自信をえられます。
また、抱えている問題を客観的に見つめ直したり、コミュニケーションのパターンに気づけたりすることもあります。
他者とのかかわり方を見直したい場合は、解決策のひとつとして検討するとよいかもしれません。
薬物療法や休養で改善が見られない人
薬物療法や休養で心の不調が改善しない人も、必要性が高まることがあります。
背景に考え方の癖などが潜んでいると、これらだけで解決することは難しいためです。
一時的に症状が和らいでも、同じ問題を繰り返す恐れがあるため、カウンセリングを並行して実施する場合があります。
ただし、自己判断で受けることは勧められません。
主治医に相談して必要性を検討しましょう。
カウンセリングを実施している医療機関であれば、主治医との連携も取りやすくなります。
関連記事:カウンセリングの効果的な受け方|自分が話したいことを話しましょう
カウンセリングに期待できる効果
続いて、カウンセリングに期待できる主な効果を紹介します。
自分の抱えている悩みを理解できる
対話を通して、現在の悩みを理解できます。
カウンセラーに伝える過程で、これまでの経緯や漠然とした感情を言語化することになります。
頭で考えたり心で感じたりすることと、それを言葉で表現することには大きな違いがあります。
前者はぼんやりとしたままでも構いませんが、後者では内容を整理したり、感情を意識して言葉にする必要があります。
したがって、対話を通して自身が抱えている悩みを理解できるのです。
また、カウンセラーは、まとまりのない話であっても、受け止めたうえで内容を整理して伝え返してくれます。
この点も、自身の悩みを客観視できる理由といえるでしょう。
心が軽くなり、気持ちが前向きになる
カウンセラーに自分の考えや気持ちを素直に伝えることで、心が軽くなる効果も期待できます。
気持ちに変化が生じる理由は、ありのままの自分を表現できるため、そしてありのままの自分を受け入れてもらえるためです。
これらの結果、次の変化も生じるでしょう。
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変化 |
具体例 |
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安心感をえられる |
自分らしく振る舞ってよい |
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開放感をえられる |
一人で悩まなくてよい |
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自信をえられる |
そのままの自分でよい |
その結果、前向きに行動する余裕が芽生えることもあります。
専門的な援助を受けることで、気持ちに大きな変化が生じる可能性があります。
人間関係への悩みが軽減される
人間関係の悩みも軽減できることが多いでしょう。
カウンセラーとの対話を通して、無意識に行っていたコミュニケーションのとり方などを認識できるためです。
また、専門的な支援を受けて、自身が置かれている環境も整理できます。
したがって、周囲の人と適切な距離感、関係性を保ちやすくなります。
たとえば、苦手だった上司と仕事上で求められる関係を築けるようになるなどが考えられます。
対話を通して得た気づきは、さまざまなコミュニケーションに応用できます。
終結後も、人間関係で悩みにくくなるでしょう。
自分では気づけなかった一面を知れる
自分の知らない一面に気づくことも少なくありません。
これまでの経緯を整理して伝えたり、ありのままの気持ちを言語化して表現したりしているうちに、自分に対する理解が深まり、新たな気づきをえられるためです。
もちろん、背景にはカウンセラーの支援があります。
参考に気づきの具体例を紹介します。
【具体例】
- 物事の捉え方
- 考え方の癖
- 行動パターン
意識することは少ないですが、これらは私たちの生活に大きな影響を与えています。
したがって、気づきにより、これまでになかった選択肢が生まれることもあります。
問題に対処する力の向上も期待できます。
カウンセリングを受けられる場所
カウンセリングは、さまざまな施設で受けられます。
代表的な施設は以下のとおりです。
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施設 |
特徴 |
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医療機関 |
一部の精神科、心療内科などで受けられる。他の治療と並行して行える点が魅力。ただし、原則として保険は適用できない |
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公共機関 |
保健所、保健センター、精神保健福祉センター、こころの健康相談などで各種相談を受け付けている。無料で利用できる点が魅力。ただし、適切な機関へつなぐため、継続的な利用は原則としてできない |
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大学院に付属する相談室 |
臨床心理士を養成する大学院などに付属する相談室でも受けられる。相場より安価な点が魅力。ただし、有資格者の指導を受けて大学院生が担当することが多い |
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私設機関 |
個人が開業している相談室でも受けられる。選択肢の多さが魅力。ただし、カウンセラーの質は保証されない。資格や経歴などを確認することが重要 |
それぞれの特徴を理解したうえで選択することが大切です。
カウンセリングの実施方法
カウンセリングはさまざまな方法で行われています。
主な方法は以下のとおりです。
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方法 |
特徴 |
|
対面 |
カウンセラーとクライアントが会って対話する方法。非言語的な情報を伝えやすい点が魅力。 |
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グループ |
よく似た悩み、問題を抱える複数のクライアントと一緒に話し合う方法。他者との関わりの中で、共感できたり、新たな気づきをえられたりする点が魅力。 |
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電話 |
電話でカウンセラーと対話する方法。外出しなくてよい点や顔を合わせなくてよい点が魅力。ただし、言葉以外の情報を伝えにくい。また、沈黙が重く感じられることもある |
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メール・チャット |
対話の手段として、メールやチャットを利用する方法。場所を問わず相談できる点が魅力。また、後から振り返ることも容易。ただし、悩みや気持ちを文章にしなければならないため向き不向きがある。言葉以外の情報を伝えられない点にも注意が必要 |
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オンライン |
Web会議ツールなどを使って対話する方法。場所を問わず、お互いの顔を見ながら対話できる点が魅力。ただし、対面と同じように行えるわけではない。非言語的な情報やその場の空気感は伝わりにくい |
一般的に、対面によるカウンセリングは、対応できる問題の幅が広いとされています。
それぞれの特徴は異なるため、カウンセラーと相談しつつ方法を決めるとよいかもしれません。
カウンセリングの費用相場
費用の目安は、1回(50~60分程度)あたり2,000~15,000円程度です。
具体的な金額は、相談する施設で異なります。
参考に一般的な目安を紹介します。
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施設 |
相場 |
|
医療機関 |
6,000~10,000円 |
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公共機関 |
無料 |
|
大学院に付属する相談室 |
2,000~5,000円 |
|
私設機関 |
5,000~15,000円 |
一般的に、カウンセリングは1回で終わるものではありません。
継続する場合は、受けた回数だけ上記の料金がかかります。
ただし、初回の面談を無料としているところや継続の面談に割引を適用しているところもあります。
詳しくは、各施設でご確認ください。
カウンセリングは対話を通した専門的な援助
ここでは、カウンセリングで何をするか解説しました。
基本的には、心の専門家との対話を通し、自己理解を深めて、問題に対処する力を引き出す援助といえます。
話をじっくりと聴いてもらえるため、心が軽くなる、問題を整理する、考え方の癖に気づくなどの効果が期待できます。
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