小学生にカウンセリングは必要?受けるメリットと受けられる相談機関
「小学生にカウンセリングは必要?」「どのようなときに受ければよいの?」などの疑問を抱いていませんか。
子どもの様子を見て、不安を抱えている方もいるでしょう。
最初に結論を述べると、小学生でもカウンセリングを受けることができます。
積極的に活用するがよいケースもあります。
ここでは、カウンセリングの必要性が高い小学生の特徴、小学生がカウンセリングを受けるメリット、小学生が相談できる施設の種類などを紹介しています。
子どもの様子が心配な方は、参考にしてください。
小学生でもカウンセリング受けるべき?
小学生も、さまざまなストレスを抱えています。
代表的なストレスは以下のとおりです。
【代表的なストレス】
- 学習関係
- 友人関係
- 家庭関係
ストレッサーは、大人とそれほど変わらないといえるかもしれません。
大人との違いは、ストレスへの対処法を身に着けていないことです。
したがって、誰にも相談できず一人で抱え込む恐れがあります。
周囲が気づかないと、心を消耗して、学校へ行けなくなることも考えられます。
対処法のひとつとして検討したいのがカウンセリングです。
厚生労働省はカウンセリングを次のように定義しています。
主に心理の専門家がクライエントや患者の話を傾聴したり受容したりしながら、クライエントや患者の心情や状況の理解に努めることによって、主体的に問題の解決を行っていけるようにサポートすることを指します。
引用:厚生労働省「カウンセリング/心理療法」
文部科学省は、スクールカウンセリングを以下のように説明しています。
児童生徒の心理的な発達を援助する活動であり、「心の教育」や「生きる力を育てる」などの学校教育目標と同じ目的を持つ活動である。
引用:文部科学省「第3章 スクールカウンセリング」
小学生を対象としたカウンセリングは、何らかの問題に直面している児童や生徒と関わり、本人が自ら問題を解決する力を引き出せるよう援助します。
子どもが何かしらの悩みを抱えている場合は、受けてみるとよいかもしれません。
関連記事:カウンセリングが必要な人とは|期待できる効果と必要性が高まる場面
カウンセリングを受けるべき小学生の特徴
児童・生徒が対象になるとわかっても、どのようなケースで相談すればよいかわからない方が多いはずです。
相談につながりやすいケースを参考として紹介します。
【相談につながりやすいケース】
- 不登校
- 友達をいじめる
- 友達への暴力
- 学校などの物を壊す
- ルールを守らない
- 嘘をつく
- 落ち着いて授業を受けられない
たとえば、楽しそうに通っていた学校へ行けなくなった、保護者や学校の先生が注意をしても友達をいじめる、学校の設備を故意に壊したなどが考えられるでしょう。
もちろん、これら以外の理由で相談することもできます。
一定の条件に当てはまらないと、受けられないわけではありません。
混乱していて問題がよくわからないといった場合でも相談できます。
関連記事:不登校の子どもがカウンセリングを受ける利点は?受けられる場所も確認
小学生が悩みを抱えているときのサイン
以上の行動は、悩みや問題に直面している児童・生徒のサイン(SOS)と考えることもできます。
小学生は大人ほどうまく自分を表現できないため、現在の気持ちを行動で伝えること少なくありません。
また、具体的な行動を起こす前に、何かしらのサイン(SOS)を発していることもあります。
参考に、よくあるサイン(SOS)の例を紹介します。
|
分類 |
具体例 |
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行動面の変化 |
・好きだったことに興味を示さなくなる ・話しかけても気のない返事しか返ってこない ・家族との交流を避けるようになった(自分の部屋に閉じこもる) |
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体調面の変化 |
・登校時間になると頭痛や腹痛などを訴える ・食事の量が著しく減った ・食事の量が著しく増えた |
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情緒面の変化 |
・イライラしていることが多い ・なんとなく元気がない状態が続いている ・以前よりもすぐに泣くようになった |
悩みや問題に直面しているすべての児童・生徒が、これらのサインを発するわけではありません。
保護者に心配をかけないため、いつもと変わらぬ様子で過ごす児童・生徒や、辛さを訴えて保護者に助けを求める児童・生徒もいます。
コミュニケーションを図りつつ、些細な変化に気づくことが大切です。
早期介入により問題拡大を防げることがあります。
小学生がカウンセリングを受けるメリット
期待できる主なメリットは以下のとおりです。
問題行動の原因がわかる
公認心理師や臨床心理士などの心の専門家が本人の話をじっくりと聴きます。
本人の感情を理解するように、支持的に関わる点がポイントです。
また、保護者や学校の先生などの関係者から話を聴いて、事実関係を整理したり、問題が発生、継続する要因を探ったりもします。
したがって、児童、生徒が置かれている現在の状況、問題を引き起こしている原因を明らかにできる可能性があります。
これらの把握は、問題解決の第一歩です。
現在の状況や問題の原因を正確に把握していないと、誤った対応で児童、生徒の信頼を失ってしまう恐れがあります。
心の専門家が果たす役割は、非常に大きいといえるでしょう。
今後の関わり方の助言がもらえる
ただし、状況や原因がわかれば、問題の解決に直結するとは限りません。
複雑な状況で、児童、生徒の日常から原因を取り除けないこともあるでしょう。
たとえば、相性の悪い特定の生徒を排除することはできません。
小学生を対象とするカウンセリングでは、以下の点を意識して問題解決に向けた行動を支援します。
【意識する点】
- 本人がうまくできていることなどに焦点をあてる
- 達成できる小目標を段階的に設定する
- 前向きな気持ちを引き出す
本人を取り巻く、家族、学校、学級などへアプローチする点もポイントです。
つまり、単に本人の支援だけにとどまらず、環境を調整することもあります。
専門家のサポートを受けながら、今後に向けた行動を始められるでしょう。
親子ともにストレスが軽減され前向きに行動できるようになる
子どもの状況は、保護者のメンタルヘルスにも大きな影響を与えます。
小学生の子どもが悩んでいたり、落ち込んでいたりすると、心配になってストレスを感じる方が多いでしょう。
また、子どもの行動で心身に負担がかかることもあります。
具体例は以下のとおりです。
【保護者の心身に負担がかかるケース】
- 友達の保護者から注意された
- 学校の先生から指導された
- 子どもが言うことを聞いてくれない
- 子どもから目を離せない
- 子どものことが夫婦げんかの原因になる
子どもにプラスの変化が少しでも生じると、保護者の気持ちは軽くなるでしょう。
また、保護者が心の専門家に相談することもできます。
子どもとの接し方を振り返ったり、子どもとの関わり方を見直すきっかけとなり、前向きに行動できるようになる場合もあります。
小学生がカウンセリングを受ける際の注意点
続いて、気をつけたいポイントを紹介します。
子どもが嫌がる場合がある
子どもにカウンセリングを勧めても、素直に受けてくれるとは限りません。
心理テストを目的とする医療機関の受診も同様です。
主な理由には、次のような点があります。
【カウンセリングを嫌がる理由】
- 病気だと思われたくない
- 誰かに会いたくない
カウンセリングを勧められる子どもは、罪悪感を抱えているケースが多いといえます。
周囲の友達と同じように行動できないためです。
自分でも違和感を抱えている中でカウンセリングを勧められると、「病気だと思われてしまうのでは」と不安を感じることがあります。
したがって、取り組みを嫌がることがあるのです。
特別な状況ではないことを丁寧に説明し、子どもが納得できるように導くことが大切です。
また、誰かに見られることや誰かに会うことを心配して、受けたくないということもあります。
不登校になっているケースで、特に多いといえるでしょう。
外出を嫌がる場合は、子どもの気持ちを丁寧に聴く、誰にも会わない方法を考える、自宅でカウンセリングを受けるなどを検討するとよいかもしれません。
お金がかかる
民間のカウンセリング施設を利用すると、原則として費用がかかります。
費用の目安は1回あたり5,000~15,000円です。
医療機関で受ける場合も、原則として保険は適用できません(全額自己負担)。
有資格者(臨床心理士・公認心理師)が対応する場合、保護者が受ける場合は割高になるケースが多いでしょう。
継続すると割引を受けられる施設もあります。
一方で、公的機関は費用がかかりません。
代表的な公的機関として、学校(スクールカウンセリング)があげられます。
スクールカウンセラーは、公認心理師または臨床心理士の資格を有していることが一般的です。
したがって、専門的な支援を受けられます。
ただし、定期配置(週4時間以上)している小学校は25.6%しかありません。
この点も踏まえて相談先を選択することが重要です。
出典:職業情報提供サイトjob tag「スクールカウンセラー」
出典:e-Stat政府統計の総合窓口「学校保健統計調査 / 令和6年度 都道府県表」
改善できない場合もある
原則として、カウンセリングの効果が現れるまで時間がかかります。
信頼関係を築いたり、対話を通して気づきを得たりする必要があるためです。
したがって、焦らずに取り組むことが重要です。
ただし、カウンセリングより医療機関での治療を優先するほうがよいこともあります。
一例として、うつ状態に陥っているケースがあげられます。
すべてのケースにおいて、第一選択肢になるわけではありません。
適切な教育と訓練を受けた有資格者は、治療の必要性を見極めて受診を勧めてくれることがあります。
この意味でも、心の専門家に相談することが大切です(勘や経験でできるものではありません)。
あるいは、カウンセリングを行っている医療機関を受診してもよいでしょう。
小学生へのカウンセリングはどこで受けられる?
小学生に対するカウンセリングは、さまざまな施設で受けられます。
主な施設とそれぞれの特徴は以下のとおりです。
|
施設 |
特徴 |
デメリット |
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学校 |
・公認心理師や臨床心理士が在籍している ・放課後などを有効活用できる ・学校との連携をスムーズに行える |
・いつでも自由に相談できるわけではない(勤務日、勤務時間に制約があるケースが多い) ・周囲の目を気にしなければならない |
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児童相談所などの公的機関 |
・各種専門家に相談できる ・費用がかからない ・家族関係を含めた、さまざまな内容を相談できる |
・一時的な対応になることが多い(他の施設を紹介など) ・自治体によりサービス内容が異なる |
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医療機関 |
・公認心理師や臨床心理士が在籍している ・治療と並行してカウンセリングを受けられる
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・一部の精神科、心療内科しかカウンセリングを実施していない ・原則として、保険を適用できない |
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民間機関 |
・相談先の選択肢が多い |
・カウンセラーの見極めが難しい(専門的な教育、訓練を受けていない無資格のカウンセラーが多い) ・費用がかかる |
それぞれのメリット・デメリットを理解したうえで選択することが重要です。
小学生が受けるカウンセリングの種類
続いて、主なカウンセリングの種類を紹介します。
認知行動療法
わたしたちの行動や気分が、ものの考え方、捉え方から影響を受けることに着目して、認知の偏りを修正することで問題の解決を目指す心理療法です。
たとえば、物事を悪く捉える癖に気づき、これを変えることでストレスを和らげるなどが考えられます。
具体的には、小さな目標を段階的に立て、それらを達成することで最終的なゴールに近づけるよう支援します。
友達関係に不安を抱えているケースなどで、用いられることが多いでしょう。
プレイセラピー
主として子どもを対象とする遊びを通じて行う心理療法です。
具体的には、おもちゃ、ゲーム、お絵描きなどを通して交流を図ります。
言葉以外の方法で自分を表現できる点が強みです。
カウンセラーとの信頼関係を構築したり、子どもの成長(セルフコントロールの方法を学ぶ、他人の気持ちを理解するなど)を促したりできる可能性があります。
親子カウンセリング
親子関係、家族関係に焦点をあてて、より良い関係を目指すカウンセリングです。
保護者も一緒になって、これまでの関係性を振り返ったり、問題を捉え直したりします。
親子あるいは家族が、全体として機能する状態を目指します。
子どもの問題が、親子関係に根差している場合などに効果的です。
小学生がカウンセリングを受ける際の具体的な流れ
ここからは、小学生がカウンセリングを受ける流れを紹介します。
今の状態を把握する
初回のカウンセリングでは、信頼関係の構築を重視します。
信頼できない相手に、自分を表現することはできないためです。
したがって、まずはリラックスできる環境で、世間話を交えつつ、ゆったりと対話をすることが多いでしょう。
遊びを通して、子どもの状態を観察することもあります(主に低学年)。
これらの方法で、今の状況を把握します。
悩みを整理する
対話や遊びを通して関係性を深めつつ、子どもの悩みを整理します。
カウンセラーが支持的なかかわりを継続する点がポイントです。
あくまでも、悩みを整理するのは子ども、あるいは保護者といえるでしょう。
専門家からサポートを受けることで、自分の気持ちや考え方の癖などに気づけることがあります。
どのように解決していくかを整理する
ここまでの段階で、子どもとカウンセラーが問題の全体像を共有したといえます。
次に行うのは、子どもが目指す姿の実現を目標とします。
具体的には「学校へ行けるようになりたい」「友達と仲良くなりたい」などが考えられるでしょう。
これらをゴールに据えて、現在の状態でも達成可能な小さな目標を設定します。
小さな目標を達成していくと、ゴールに到達するイメージです。
負荷はあるものの、成功体験を積み重ねることで自信が育まれていきます。
カウンセリングを受けながら様子を見る
目標が決まってから、カウンセラーと具体的な取り組みを始めます。
子どもにとっては、保護者の支えがパワーの源になることもあります。
子どもの成長を見守りつつ、必要なサポートを行うことが大切です。
効果を実感するには、一定の時間を要する点にも注意が必要です。
焦らずに、子どものペースを守ることも欠かせません。
必要に応じて小学生もカウンセリングを受けましょう
ここでは、小学生のカウンセリングについて解説しました。
大人に比べ小学生は、ストレスへの対処が苦手です。
うまく受け止められず、学校へ行けなくなったり、元気がなくなったりすることがあります。
子どもの様子を観察しながら、カウンセリングの必要性を検討することが重要です。
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