夫婦問題にカウンセリングでアプローチ|扱う問題と期待できる効果
「カウンセリングで夫婦問題を解決したい」「扱える問題や期待できる効果を知りたい」と考えている方もいるのではないでしょうか。
専門家の支援を受けて、夫婦関係を修復したい方は多いでしょう。
夫婦カウンセリングでは、価値観の違いやセックスレス、不倫など、さまざまな問題を扱います。
専門家の支援を受けながら落ち着いて話せる点、関係修復を目指せる点が魅力です。
ここでは、夫婦カウンセリングで扱う問題や夫婦カウンセリングに期待できる効果に加え、費用の目安、全体の流れなどを解説しています。
関係改善のきっかけを得たい方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
1.夫婦間の問題解決に役立つ夫婦カウンセリングとは?2.夫婦カウンセリングで解決が期待できること
3.夫婦カウンセリングを受けるメリット
4.夫婦カウンセリングを受ける際の注意点
5.夫婦カウンセリングの費用の相場
6.夫婦カウンセリングにはどの程度通う必要がある?
7.夫婦カウンセリングを受ける際の流れ
8.相手が夫婦カウンセリングに行くことを拒否する際の対処方法
9.夫婦カウンセリングを成功させるためのポイント
10.夫婦問題にカウンセリングでアプローチ
夫婦間の問題解決に役立つ夫婦カウンセリングとは?
夫、妻、(事実婚、同性カップルを含む)カウンセラーの3人で話し合って、関係修復、問題解決を目指すカウンセリングです。
カップルカウンセリングのひとつに位置づけられます。
基本的な流れは以下のとおりですが、具体的な手順は相談内容や状況によって異なります。
【基本的な流れ】
- ヒアリングシートを記入する
- 問題パターンを分析する
- 最終目標を明確にする
原則として、関係修復や問題解決には一定の時間が必要です。
この間に、カウンセラーは専門的な知識や技術を活用して夫婦をサポートします。
具体的には、夫婦のコミュニケーションに焦点をあてて、それぞれの話に耳を傾けつつ気持ちの整理を
サポートしたり、夫婦が落ち着いて話し合える環境を作ったりします。
なお、カウンセラーがどちらか一方に肩入れすることはありません。
夫婦カウンセリングの対象は、原則として双方が面談を希望している夫婦です。
年齢などは、基本的に問われません。
関連記事:カウンセリングが必要な人とは|期待できる効果と必要性が高まる場面
夫婦カウンセリングの意義
厚生労働省が発表している「人口動態調査」によると、2023年における離婚率(人口1,000人対)は1.52です。
2010年代に比べると減少しているものの、それでも離婚が全くない状況とはいえないでしょう。
法務省が発表している「協議離婚に関する実態調査結果の概要」によると、協議離婚の主な原因(夫婦関係が破綻した主な原因)は以下のとおりです。
|
離婚の原因 |
割合(複数回答可) |
|
性格の不一致 |
63.6% |
|
異性関係 |
23.8% |
|
精神的な暴力 |
21.0% |
|
親族との折り合い |
17.5% |
|
浪費 |
17.0% |
夫婦関係は、長い年月をかけて双方が合意できるポイントを見つける作業です。
合意できるポイントを見つけられないと、夫婦関係は破綻してしまいます。
カウンセラーのサポートを受けながら、双方が納得できる目標を設定して、関係修復、問題解決に向けた話し合いを続けられることが、夫婦カウンセリングの意義といえるかもしれません。
出典:e-Stat政府統計の総合窓口「人口動態調査」
出典:(pdf)法務省「協議離婚に関する実態調査結果の概要」
夫婦カウンセリングで解決が期待できること
夫婦カウンセリングで解決を目指せる代表的な問題は以下のとおりです。
コミュニケーション不和
意思疎通をうまく行えない状態は、夫婦にとって大きなストレスになりえます。
双方の考えが理解できず、誤解や対立が生じてしまうためです。
具体的なケースとして、以下のような例が挙げられます。
【トラブルの例】
- 夫婦で会話する時間をつくれない
- 顔を合わせるとすぐに喧嘩になる
- 話を真剣に聞いてくれない
- 自分の話に終始する
- 連絡頻度が少なすぎる、多すぎる
たとえば、話しかけても上の空で見当違いな回答が返ってくるなどが考えられるでしょう。
このような状態だと、悩みを打ち明けることもできません。
夫婦カウンセリングを受けると、相手が現状のコミュニケーションをどのように認識しているか、夫婦のコミュニケーションがどのように行われているかを理解できます。
また、心の専門家から現状を踏まえた助言を受けることもできます。
これらを通して、夫婦関係を修復できる可能性があります。
価値観の違い
価値観も夫婦間で問題になりやすいポイントです。
同じ屋根の下で暮らしているとはいえ夫婦は別の人格です。
価値観の違いが生じるのは自然なことともいえます。
ただし、価値観の違いが許容範囲を超えると、夫婦関係が破綻するおそれがあります。
具体的なトラブルの例を紹介します。
【トラブルの例】
- 無駄遣いが多すぎる
- 仕事より家庭を優先してほしい
- 家事や育児に参加してくれない
- マイホームを購入したい(パートナーは賃貸を希望)
- 友人より家族を優先してほしい
お金、仕事、家事に関する価値観の違いは、トラブルにつながりやすいといえるでしょう。
夫婦カウンセリングを受けると、それぞれの価値観を可視化したうえで、双方の妥協点を見いだせる可能性があります。
専門家のサポートを受けながら、価値観のすり合わせを行えると考えられます。
セックスレス
国立社会保障・人口問題研究所が発表している「第16回出生動向基本調査」によると、妻の年齢50歳未満の夫婦のうち、セックスレス(過去1カ月間に性交がない状態)に該当する夫婦の割合は6割超です。
「協議離婚に関する実態調査結果の概要」で、15%が「性的不調和」を離婚した原因にあげています。
もちろん「性的不調和」のすべてがセックスレスとはいえませんが、夫婦間で重大な問題になりうることがわかります。
夫婦カウンセリングでは、夫婦間におけるセックスの悩みを相談することも可能です。
カウンセラーが専門的な知識、技術を活用しながら、それぞれの話に耳を傾けて援助してくれます。
お互いの考え方や希望を理解できたり、助言を受けながら妥協点を探れたりする点がポイントです。
ただし、双方にとって重要な問題であるため、妥協点を見いだせず離婚に向けた話し合いに進むこともあります。
出典:(pdf)国立社会保障・人口問題研究所「第16回出生動向基本調査」
出典:(pdf)法務省「協議離婚に関する実態調査結果の概要」
不倫に伴う問題
夫、または妻の不倫も、夫婦関係に大きな影響を与えます。
信頼していたパートナーに裏切られたと感じるためです。
不倫が発覚してから、パートナーに不信感を抱くこともあります。
たとえば、帰りが少し遅くなるだけで不倫を疑ってしまうこともあるでしょう。
夫婦カウンセリングでは、不倫に伴う問題も相談できます。
相談内容の例は以下のとおりです。
【相談内容の例】
- 夫婦関係を修復したい
- 不倫したことを許してほしい
- 異性との関係を見直してほしい
不倫に伴う問題では、夫婦間の認識にずれが生じているケースが少なくありません。
不倫した側は謝るしかないと考え、不倫された側は傷ついた心のケアを求めているなどが考えられます。
認識がずれたままだと、気持ちのすれ違いが続いてしまいます。
夫婦カウンセリングでは、双方の気持ちを整理して、具体的な助言を受けながら、夫婦関係の再構築に向けた取り組みを始められます。
子どものことに関する相違
子ども、あるいは子育てに関する意見の相違も、夫婦間で起こりやすいトラブルです。
参考に、トラブルの例を紹介します。
【トラブルの例】
- 子づくりについて意見がわかれる
- 不妊治療について意見がわかれる
- 子どもをつくりたいタイミングが異なる
- 育児にもっと参加してほしい
- 子どもに受けてほしい教育が異なる
これらについても、夫婦カウンセリングで相談できます。
心の専門家の支援を受けながら、それぞれの考え方や希望を整理し、夫婦として子どもとどう向き合うかを考えられる点が魅力です。
修復が困難になる前に、早めに相談することをおすすめします。
夫婦カウンセリングを受けるメリット
夫婦カウンセリングには、以下のようなメリットが期待できます。
第三者が入ることで冷静に話し合える
夫婦の間に心の専門家が介入することで、デリケートな問題でも落ち着いて話し合えるようになります。
カウンセラーが中立の立場で話を聴きつつ、それぞれが自分を客観視できるように援助してくれるためです。
たとえば、まとまりのない話をわかりやすくまとめてくれると、いいたいことを伝えられるため感情的になる必要はなくなるでしょう。
もちろん、カウンセラーを交えず夫婦のみで話し合うこと、カウンセラー以外の第三者を交えて話し合うこともできます。
ただし、これらの場合は、途中で意見が対立して喧嘩になったり、第三者が一方の味方になって話がこじれたりすることが少なくありません。
落ち着いて話し合える環境をつくれる点は、夫婦カウンセリングのメリットといえるでしょう。
お互いに本音を伝えられる
心の専門家を交えて話をすることで、お互いの本音を伝えやすくなります。
落ち着いて話せるうえ、カウンセラーがそれぞれの気持ちを受け止めてくれるためです。
また、夫婦の悩みを客観視できるように援助してくれます。
したがって、夫婦関係を修復するため、あるいは夫婦の問題を解決するため、それぞれが自分の意見を述べやすくなります。
話し合いを通して、夫婦間の誤解を解けたり、パートナーのよい点や解決策に気づけたりする点もポイントです。
たとえば、パートナーが夫婦のことを大切に考えているとわかり、関係性が深まることもあります。
じっくり話し合う時間が持てる
以上に加えて注目したいのが、夫婦でじっくりと話し合う時間をつくれることです。
同じ屋根の下で暮らしているため、何かしらの問題を感じていても「そのうち話をしよう」「喧嘩は避けたい」などと考えて、そのままやり過ごすことが少なくありません。
また、仕事、家事、育児など、話し合う以外にもやるべきことがあります。
夫婦には、話し合いを先延ばしにする理由がたくさんあるのです。
ただし、いつまでも先延ばしにしていると、関係修復や問題解決を図りにくくなることがあります。
夫婦カウンセリングを受けることで、定期的に目的をもった話し合いの機会をつくれます。
関係性の変化を受けて、家庭内での会話が増えることもあるでしょう。
問題解決に向けて、夫婦で歩みを進められる可能性があります。
夫婦カウンセリングを受ける際の注意点
続いて、夫婦カウンセリングを受けるときに注意したいポイントを解説します。
関連記事:カウンセリングの効果的な受け方|自分が話したいことを話しましょう
カウンセラーとの相性が合わない可能性がある
カウンセラーは、原則として心理学、臨床心理学、対人援助に関する専門的な教育、訓練を受けています。
さまざまな悩みを抱える方に対応できますが、相性の良し悪しが全くないわけではありません。
初対面のクライアントが、何となく話しにくいと感じることもあります。
相談を重ねる中で信頼関係が築かれていくこともありますが、話しにくさを感じる場合は、別のカウンセラーを検討するのも一つの方法です。
相談前に保有している資格や経歴などを確かめておくと、相性のよいカウンセラーを見つけやすくなります。
法的な解決にはならない
夫婦カウンセリングのカウンセラーは、法律の専門家ではなく心の専門家です。
保有していることが多い資格として以下の2つがあげられます。
|
代表的な保有資格 |
概要 |
|
臨床心理士 |
臨床心理学に関する知識、技術を活用して心の問題にアプローチする専門家 |
|
公認心理師 |
日本で唯一の心理職を対象とする国家資格 |
出典:日本臨床心理士資格認定協会「臨床心理士とは」
出典:厚生労働省「公認心理師」
簡単に説明すると、専門的な知識、技術を用いて、夫婦間の関係修復、問題解決などを目指す専門家です。
したがって、法律に関わる助言、手続きの代理などは行えません。
専門性を理解してから相談することが大切です。
夫婦カウンセリングの費用の相場
夫婦カウンセリングにかかる費用は、相談する施設、カウンセラーなどで異なります。
一般的な目安を示すと、1回(60分程度)あたり10,000~20,000円程度といえるでしょう。
ただし、以下のケースなども考えられます。
【料金設定の例】
- 初回の面談を無料で受けられる
- 継続すると割引が適用される
具体的な費用はケースで異なるため、個別に確認することが大切です。
夫婦カウンセリングは、一部の医療機関(精神科、心療内科)でも受けられます。
この場合も、原則として保険は適用できません。
他の施設と費用は大きく変わらないと考えられます。
夫婦カウンセリングにはどの程度通う必要がある?
費用を評価するときに、考慮したいのがカウンセリングを受ける回数です。
具体的な回数はケースで異なりますが、初回の面談で完結するケースはまれです。
現在の状況などを説明するだけで終わってしまうためです。
また、何度か話し合って信頼関係を構築しないと、本当の気持ちを打ち明けにくいはずです。
一般的には、現在の状況、気持ちを整理するだけで、4回程度の面談が必要と考えられています。
関係修復、問題解決にアプローチするのは5回目以降の面談からです。
以上を踏まえると、終結まで10回程度の面談を要することが多いといえます。
1回あたりの料金が10,000円であれば、終結まで100,000円かかる計算になります。
ただし、以上の回数は一般的な目安です。
相談内容や夫婦関係によって、回数が前後する場合もあります。
夫婦カウンセリングを受ける際の流れ
夫婦カウンセリングの流れはケースで異なります。基本的な流れは以下のとおりです。
ヒアリングシートを記入する
相談を行う前に、夫婦それぞれがヒアリングシートの質問に回答します。
ヒアリングシートは、以下の内容などを記入する書類です。
【内容】
- 家族構成
- 来談の理由
- これまでの経緯
- 現在の悩み
- 今後の希望
簡単に説明すると、夫婦がおかれている状況、夫婦それぞれの悩み、希望などを明らかにする書類といえるでしょう。
3者の面談、あるいは個別の面談で、これらの情報を収集することもあります。
問題パターンを分析する
カウンセラーが、ヒアリングシートの内容をもとに現在の状況を分析します。
夫婦と利害関係がない心の専門家として、分析を行ってくれる点がポイントです。
参考に、分析の対象になりやすい点を紹介します。
【分析の対象】
- それぞれの考え方
- それぞれの考え方の癖
- コミュニケーションのパターン
- それぞれの役割、決定権
- 家族関係
これらのフィードバックを受けると、客観的な視点で現在の状況を理解できます。
最終目標を明確にする
分析結果をもとに、夫、妻、カウンセラーで話し合って、最終的に到達したい目標を設定します。
カウンセラーを通して意思疎通を図りながら、お互いに歩み寄れる目標を設定することが大切です。
目標到達に向けた具体的な助言を受けられることもあります。
ただし、助言の採用を強制されることはありません。
関係修復、問題解決の主役は、あくまでも夫婦です。
目標設定後は、面談を終了するケースと継続するケースにわかれます。
また、夫婦ではなく、個人のカウンセリングへ移行することもあります。
基本的には、目標達成に向けて、面談を継続するケースが多いでしょう。
相手が夫婦カウンセリングに行くことを拒否する際の対処方法
夫婦カウンセリングは、双方にカウンセリングを受ける意思があることを前提としています。
無理に受けさせても、よい変化は生まれにくいためです。
夫婦の一方が望んでも、もう一方が拒否することは少なくありません。
パートナーが希望しない場合は、まずは一人で受けてみる、誘い方を改めるなど、できることからはじめるとよいでしょう。
たとえば、誘い方を「嫌なところを直してほしい」から「今の気持ちを正直に伝えたい」に変えるだけで、パートナーの気持ちを変えられることがあります。
夫婦カウンセリングを成功させるためのポイント
続いて、夫婦カウンセリングを成功させるコツを紹介します。
相手の話をきちんと最後まで聞く
基本の取組として意識したいのが、耳を傾けてパートナーの話を最後まで聞くことです。
夫婦で話をしていると「また同じことを言っている」「面倒なことを言っている」などと感じて、話を聞き流したくなったり、遮りたくなったりすることがあるはずです。
しかし、実際にこのような態度をとると「気持ちを受け止めてもらえない」「せっかく話しても無意味だ」などと感じさせてしまいます。
反対に、耳を傾けて最後まで話を聞くと「自分を受け入れてくれた」と感じられるため、考えや意見の違いがあっても歩み寄ってくれることがあります。
相手の気持ちを理解しようとする
単に話を聞くだけでなく、相手の気持ちを理解しようとすることも大切です。
相手の気持ちがわかると、歩み寄れる点を見いだしやすくなります。
たとえば、全面的に賛成はできないが、この点であれば希望をかなえられるなどと感じることがあるでしょう。
相手の話を聞くときに、なぜこう言っているかを考えてみるとよいかもしれません。
どんな夫婦関係を築きたいかを共有する
理想の夫婦関係を共有することも欠かせません。
それぞれの理想像が、最終的な目標のベースになるためです。
共有する際は、お互いの意見を尊重しましょう。
パートナーと意見が食い違っても、自分の意見だけを押し通すことはおすすめできません。
双方が納得していないと、よい関係は築けないためです。
集中できる環境を整える
話し合いに集中できる環境を整えることも大切です。
気になることや心配なことがあると、関係修復や問題解決に焦点をあてられません。
たとえば、不倫が継続している場合は、関係修復よりも相手を責めたい気持ちが先行するかもしれません。
話し合いに入る前に、冷静に向き合える環境を整えておくことが重要です。
カウンセリングのルールを尊重する
カウンセリングには、一定のルールが設けられています。
ルールを定めることで、安心して相談できる状況をつくっているのです。
主なルールとして、以下の点があげられます。
【主なルール】
- 守秘義務
- 相談する場所
- 相談できる時間
- 相談の継続
たとえば、定められた時間以外に、メールや電話で相談することはおすすめできません。
気持ちを整理する時間を確保できず、カウンセラーへの依存が強まるおそれがあります。
ルールを守ることも、成功するためのコツといえます。
夫婦問題にカウンセリングでアプローチ
ここでは、夫婦カウンセリングについて解説しました。
カウンセラーを交えて、夫婦で話し合うことにより、コミュニケーションの不和、価値観の違い、セックスレスなどにアプローチできます。
お互いの気持ちを冷静に伝え合える環境が整う点もメリットです。
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