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ストレスで食欲不振になる原因は?何科を受診すればよい?

[2026.09.30]

「最近、食欲がわかない」「『食べなきゃ』と思うのに、食べられない……」と、悩んでいませんか?
食欲不振の原因として、仕事やプライベートのストレスが思い当たる方もいらっしゃるかもしれません。
ストレスが原因の不調は、放置すると長引いたり悪化したりする可能性もあるため、早めに医療機関にかかることが大切です。

そこで本記事では、ストレスの影響で食欲不振になる原因や考えられる病気、受診の目安などを解説します。

ストレスによって食欲が低下する原因

そもそも、なぜストレスという精神的な不調が食欲に影響するのでしょうか。その理由は、自律神経と胃腸の仕組みにあります。

自律神経は、日中の時間帯や、緊張・ストレスを感じたときにはたらく「交感神経」と、夜間の時間帯やリラックスしたときにはたらく「副交感神経」の2つからなる神経です。両者が互いにバランスをとりながら体調を整えています。それぞれの具体的なはたらきについては以下をご覧ください。

交感神経・副交感神経の胃腸へのはたらき

交感神経
  • 心身を活動に導く
  • 血管を収縮させ、血流を低下させる
  • 胃腸のぜん動運動を抑制する
副交感神経
  • 心身をリラックスさせる
  • 血管を拡張させ、血流を促す
  • 胃腸のぜん動運動を促進する

通常時は、心身の状態に応じて交感神経と副交感神経が切り替わり、適切に作用していきます。
しかし脳の視床下部が強いストレスを受けると、上記のはたらきが適切に切り替えられなくなり、自律神経のバランスが崩れて不調を引き起こしてしまうのです。

その一つに、食欲不振をはじめとする胃腸の不調が挙げられます。
交感神経によって胃の血管が収縮し、胃粘膜を保護する胃粘液の分泌が減る一方で、副交感神経によって胃のぜん動運動が促進され、胃酸が過剰に分泌されます。
この2つが同時に起こることで、消化不良や胃の痛みなどの不調につながり、食欲が低下してしまうというわけです。

ストレスによる食欲不振が続くときに考えられる病気

ストレスによる食欲不振が長期間にわたって改善しないときは、以下の病気を発症している可能性があります。

ストレスによる食欲不振が続くときに考えられる病気

  • 機能性ディスペプシア(FD)
  • 過敏性腸症候群(IBS)
  • 胃潰瘍
  • 逆流性食道炎
  • 拒食症(神経性やせ症)
  • うつ病

機能性ディスペプシア(FD)

機能性ディスペプシア(Functional dyspepsia:FD)は、胃カメラなどの検査で異常が見つからないにもかかわらず、胃痛や胃もたれ、食欲不振などの症状が出る疾患です。人によっては「すぐ満腹になってしまう」「胃のあたりが熱く感じられる」といった症状もあります。
主に、ストレスが胃の運動機能や知覚過敏に影響することで機能性ディスペプシアを発症すると考えられています。

検査では異常が見つからないため、これまでは「気のせい」として扱われることもありましたが、2013年に健康保険適用疾患と認定されました。そのため「前に同じようなことがあって病院に行ったけれど、何もなかったから……」と諦めている方も、もう一度医療機関を受診することをおすすめします。

過敏性腸症候群(IBS)

過敏性腸症候群(irritable bowel syndrome:IBS)は、検査では異常がみられないにもかかわらず、主にストレスや不安が原因で腸のはたらきに異常をきたす疾患です。
具体的な症状としては、下痢や便秘・腹痛や食欲不振などが挙げられます。また、頭痛やめまい、疲労、不安感を伴う場合もあるようです。

なお、先ほど紹介した機能性ディスペプシアと似ていますが、機能性ディスペプシアは胃に症状が出るのに対し、過敏性腸症候群は腸に症状が出るという点で異なります。

胃潰瘍

胃潰瘍は、胃酸の分泌が増え、胃粘膜が傷ついて炎症を起こす疾患です。
自覚症状の90%は腹痛で、多くの方はみぞおちに痛みを感じます。ほかにも、胸やけや吐き気、口臭、黒色便などの症状が現れることもあります。

胃潰瘍の主な原因は、ストレスや暴飲暴食です。特に生真面目な方や神経質な方が発症しやすい傾向あります。

逆流性食道炎

逆流性食道炎は、胃酸をはじめとする胃の内容物が食道に逆流することで、食道の粘膜に炎症が起きる疾患です。その結果、胸やけや胃もたれ、食欲不振などを引き起こします。また、胃酸が逆流するため、酸っぱいものが上がってくるような感覚がある点も特徴的な症状として挙げられます。

主な原因はストレスや脂っこい食事、加齢、肥満です。特に、強いストレスを受けると自律神経のバランスが乱れ、胃酸の分泌量や分泌タイミングが不規則になり、逆流性食道炎を引き起こすことがあります。

うつ病

ストレスが原因で食欲がわかない場合、消化器系の疾患ではなく、精神疾患であるうつ病を発症している可能性もあります。

うつ病は、精神的・身体的なストレスなどが原因で、脳が適切にはたらかなくなる疾患です。「一日中、気分が落ち込んでしまう」といった精神症状のほか、不眠や食欲不振などの身体症状が現れることがあります。
うつ病による不安感や焦燥感が、脳の摂食中枢に影響を与えて、空腹感がわかりにくくなってしまうためです。

食欲不振のときは何科を受診すべき?

ストレスが原因の食欲不振が2週間以上続く場合は、上記で紹介したような疾患を発症している可能性が考えられます。そのため、速やかに医療機関を受診してください。

適切な受診先は、状況により異なります。以下で3つの候補先を解説します。

食欲不振のときの受診先の候補

  • 内科・消化器内科
  • 心療内科・精神科
  • かかりつけ医

消化器症状が強い場合:内科・消化器内科

食欲不振にくわえ、消化器系の症状が出ている場合は、内科か消化器内科を受診しましょう。たとえば、以下の症状が挙げられます。

消化器症状の一例

  • 胃もたれ
  • 吐き気
  • お腹の張り・不快感
  • 胃痛
  • 下痢または便秘

上記のような不調がみられる場合、内科や消化器内科で内視鏡検査や血液検査などを行って胃腸の状態を確認してもらい、症状に応じた治療を受けることとなります。

メンタル面の不調が強い場合:心療内科

消化器系の症状よりも「気分が落ち込んでいる」「やる気がわかない」など、メンタル面の不調を強く実感している場合は心療内科を受診してください。このようなケースでは、うつ病をはじめとする精神疾患によって食欲が落ちている可能性があります。

心療内科では、体の不調の根本原因となっているメンタルの不調を治療できます。「内科や消化器内科で治療を受けたけれど、食欲が回復しない」といった場合も、心療内科を受診すると、隠れていたメンタルの不調が見つかるかもしれません。

心療内科と精神科の違い

「メンタルの不調なら、精神科でもいいのでは?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。実は心療内科と精神科は似ているようで、役割が少しずつ異なります。

心療内科は、心理的な要因によって身体に症状が現れる、「心身症」を主に治療の対象としています。一方で精神科が主な治療の対象としているのは、不安や落ち込み、幻覚や依存症など、心の中で起きる疾患です。
そのため、ストレスが原因の食欲不振にお悩みの場合は、心療内科を受診することとなります。

「自分の症状の場合、心療内科と精神科のどちらがいいんだろう?」とお悩みの場合は、両方を扱っている病院を選ぶとよいでしょう。

どこを受診すればよいのか迷うとき:かかりつけ医

ご自身の症状が消化器系由来の疾患なのかメンタルの不調なのかがわからない場合は、かかりつけ医を受診するという選択肢もあります。
かかりつけ医であれば、症状をもとに適切な受診先を紹介してくれることもあるためです。
長く付き合いのあるかかりつけ医にまず相談することで、不安を軽減できる方もいらっしゃるでしょう。

食欲不振の治し方

ストレスが原因の食欲不振に悩んでいる場合は、医療機関で以下の方法を用いて、原因となっている疾患を治療します。

食欲不振の治し方

  • 薬物療法
  • 服用している薬の変更・中止
  • 生活習慣の改善

薬物療法

胃腸に症状が出ている場合は、胃酸の分泌を抑える薬や粘膜を守る薬、吐き気止めなどを服用し、薬物による治療を試みます。医療機関によっては漢方薬を処方してもらえるため、必要に応じて相談するとよいでしょう。
ほかにも脱水症状が出ている、あるいは栄養状態に問題があるときは点滴を行うこともあります。

また、うつ病の場合は抗うつ薬や抗不安薬などを服用し、食欲不振の原因となっているうつ病を治療します。うつ病の薬は基本的に、すぐに効果が現れるものではないため、医師と相談しながら服用を継続し、少しずつ回復を目指しましょう。

服用している薬の変更・中止

鎮痛剤や抗生剤、抗精神病薬など、一部の薬では食欲不振が副作用として現れることがあります。
そのようなときは、医師の判断のもと別の薬に変更するか、あるいは服用を中止します。

なお、なかには服用を急に中止するとかえって悪い影響が出る薬もあるため、自己判断で服用をやめずに必ず医師に相談してください。

生活習慣の改善

生活リズムの乱れや睡眠不足などがストレスにつながり、自律神経のバランスに影響することがあります。その結果、食欲不振などの不調が現れている場合は、医師の指導のもと生活習慣を改善します。

食欲不振の対策方法

医療機関を受診して、無事に食欲が回復した場合や、「深刻な疾患ではない」と診断された場合は、再発防止のために以下のポイントを日常的に意識するとよいでしょう。

食欲不振の対策方法

食事
  • 少量でも毎日3食食べる
  • 消化の良いものを食べる
  • 就寝の3時間前までに食事を終える
運動 適度に運動する
睡眠 規則正しい睡眠サイクルを送る
ストレスケア
  • 日常的に小さな楽しみや気分転換を取り入れる
  • 悩み事は周囲の人やカウンセラーに相談する

特に、食事は胃腸の状態に直結するため、上記のポイントを心がけることが大切です。頻繁に食欲が落ちてしまう方は食事を抜くこともあるかもしれませんが、食事を抜くと胃腸の動きがさらに悪くなることもあります。
そのため、少量でも消化の良いものをできるだけ3食とりましょう。

また、適切な運動や睡眠、ストレスケアはメンタルの状態を良好に保つために欠かせません。急に無理をして改善する必要はありませんが、少しずつ生活を見直していくことで、ストレスに負けない身体を目指せます。

ストレスによる食欲不振には、胃腸の疾患や精神疾患が隠れている場合がある

ストレスが原因の食欲不振は、主に自律神経のバランスが崩れることによるものです。その結果、過敏性腸症候群や胃潰瘍などの消化器系の疾患や、うつ病をはじめとする精神疾患を発症することがあります。

同じ食欲不振でも、症状によって受診先が異なります。いずれの場合でも、早い段階で回復するために速やかに医療機関を受診しましょう。

なお、メンタルの不調による食欲不振にお悩みの方は、赤羽駅から徒歩1分の赤羽すずらんメンタルクリニックまでご相談ください。できるだけ薬に頼らない治療方針で、うつ病や不眠症など、メンタルの不調を幅広く診療しております。

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