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新型うつの特徴を知ろう!気になる人は早めの受診がおすすめ

[2023.10.30]

新型うつ病、または非定型うつ病は、若い世代の人々にも増えてきており、いま健康な人たちにとっても無関係な病気ではありません。

この病気は日常生活にも影響を及ぼし、従来のうつ病とは異なる特徴があることでも注目を集めています。

症状が個人にとって非常に苦痛で深刻な悩みであっても、外部から見れば怠けやわがままに誤解されることがあります。

周囲からの理解が得られないという状況は、患者にとってさらなる困難を生み出すことでしょう。新型うつ病は、しばしば性格の問題と誤解されるため、適切な治療を受けていない患者が多いと考えられます。

具体的な症状や治療方法は多様で、その対応は必ずしも一様ではありません。この記事では、新型うつ病の特徴と治療法、特に薬物療法の選択について詳しく解説します。

目次

1.新型うつ病とは
2.従来型うつ病とは
3.従来のうつと新型うつ病の症状の比較
4.新型うつを治すにはどうしたらいい?
5.最後に:新型うつ病の理解と対策

新型うつ病とは

新型うつ病という用語は、厳密な意味で医学的な病名として学会に認定されているわけではありません。あくまでも「従来のうつ病と異なる症状や特性を持つうつ病」を指すための表現であり、医療機関によって診断名が異なることもあります。
このような背景を理解した上で、新型うつ病の一般的な特徴を考えてみましょう。
新型うつ病の特性としては、悲しみや抑うつ感が強くないこと、疲労感や睡眠障害、食欲不振といった身体的な症状が強いことが挙げられます。また、症状が日々変動し、明確な喜びを感じる瞬間があることも新型うつ病の特徴とされています。
この新型うつ病は主に20代から40代の若い世代に多く、その特性から「隠れうつ」とも呼ばれています。その理由は、悲しみや抑うつ感が強くないため、周囲や本人自身がうつ病であることに気づきにくいためです。
しかし、新型うつ病も一種の精神疾患であり、専門的な治療が必要となります。

従来型うつ病とは

従来型うつ病は、一般に強烈な悲しみや絶望感、抑うつ感が主要な症状として現れます。
この種のうつ病を患っている人々は、日々の生活に対する興味や喜びを完全に失ってしまう可能性があります。
その結果、食欲や睡眠欲が低下し、体重も減少、ひいては人生や仕事に対する意欲までも失うことも少なくありません。
また、この従来型うつ病が持つ最も重要な特徴ともいえる症状は、患者の日常生活に対して深刻な影響を及ぼすことです。
具体的には、患者さん自身が自分の存在そのものの価値を見失い、自己評価が著しく低下する傾向にあることです。そして、これらの症状が積み重なった極端な状況では、自殺のリスクが高まるという、非常に危険な状況に陥る可能性もあります。

従来のうつと新型うつ病の症状の比較

従来型うつ病と新型うつ病との間には、症状の面でいくつかの鮮やかな違いが見受けられます。
従来型うつ病においては、一日を通じてずっと抑うつ感が続くのに対し、新型うつ病の場合には症状が日々、あるいは一日の中でも激しく変動します。 
さらに、従来型うつ病では患者が、生活の中で楽しみや喜びを感じることが困難であるのに対し、新型うつ病の患者は喜びを感じる瞬間があるのが特徴です。
身体的な症状の面においても、2つのうつ病は大きな違いがあり、従来型うつ病では食欲の低下や体重の減少が頻繁に見られますが、新型うつ病では、逆に食欲が増進し、過度に眠ることが特徴的です。
また、新型うつ病では全体的な疲労感やだるさ、集中力の低下といった症状が主要なものとなります。

新型うつを治すにはどうしたらいい?

新型うつ病の治療は多面的なアプローチが必要であり、生活習慣の改善、薬物療法、心理療法などがあります。
個々の患者の症状、生活環境、ライフスタイルを考慮し、これらの治療法を適切に組み合わせることが求められます。各治療法について詳しく見ていきましょう。

生活習慣を整える(適度な運動、3食食べる、十分な睡眠)

新型うつ病の管理と治療には、健康的な生活習慣が非常に重要で、適度な運動、バランスの良い食事、十分な睡眠時間の確保など、日々の生活の中で気を付けることは多くあります。
適度な運動は心と体の健康に有益で、ストレスを緩和し、良質な睡眠を促します。ウォーキングやヨガなどの軽い運動から、ジョギングやスイミングなどのより激しい運動まで、患者さんの体力や好みに応じて選べます。
3食しっかりと食事を摂ることは、体に必要な栄養素を提供し、体調や気分を安定させます。特に、ビタミンB群やオメガ-3脂肪酸など、心の健康に役立つ栄養素を意識して摂取しましょう。
また、質の良い睡眠は、心身の健康を維持するために不可欠です。深い睡眠は、疲労を回復し、翌日のエネルギーを蓄えるためにも重要です。

薬物療法

主要な治療薬は抗うつ薬、気分安定薬、抗精神病薬があげられます。
抗うつ薬はうつ病の症状を緩和し、拒絶過敏性を和らげます。主にSSRI、SNRI、NaSSAが用いられ、SSRIのジェイゾロフトやレクサプロが安全で長期の利用が可能です。
気分の波が大きい場合や攻撃性が顕著な場合は気分安定薬を使用します。デパケンはその一例で、安全性が高く複雑な症状に効果があります。
抗精神病薬は気分安定効果や極度の倦怠感、過眠の改善を期待して使用されます。
そのほか、不眠症状や不安症状を訴える患者さんがいる場合には抗不安薬・睡眠薬を処方します。即効性はありますが、使用頻度が高いと、徐々に効き目が薄れてしまうため、必要最小限に留めておきましょう。

精神療法(心理療法)

精神療法も主な治療方法となります。ただし、その効果はすぐに現れるものではなく、時間を掛けて積み重ねていくことで少しずつ改善が見られます。
主なアプローチとしては、「定期的に医師の診察を受ける」ことと「医師の診察と並行して臨床心理士によるカウンセリングを受ける」の2つです。
医師が全体的な病状を管理し、カウンセラーが心理療法を施す後者のやり方が効果的といわれており、これを「ATスプリット」と呼びます。
ただし、カウンセリングにはコストも発生するため、気軽に行うことは難しいかもしれません。
そのような場合は、頻繁に医師の診察を受けつつ、徐々に精神療法を導入する方法もあります。大事なことは、拒絶過敏性を改善することです。
拒絶過敏性は、対人不安から生じており、他人に合わせて生きている人に多く見られるため、この過度の不安感を少しずつ緩和していく必要があります。
有効なアプローチとしては、思考パターンを修正し行動を変えていく「認知療法(認知行動療法)」、反対に行動から変えていく「行動療法」、対人関係に対する認知の歪みを修正する「対人関係療法」、生活リズムと対人関係を整える「社会リズム療法」の4つがあげられます。
 

何か気になる点がございましたら、是非心療内科に相談してみましょう。心療内科を受診するメリットは?行くべきか迷ったらどうすればいい?こちらの記事で心療内科に通うメリットをご紹介しています。是非参考にしてみてください。
心療内科を受診するメリットとうつ病の初期症状

最後に:新型うつ病の理解と対策

新型うつ病は症状の多様性と複雑さから、治療には個々の患者に対する個別対応が必要です。
主な治療薬は抗うつ薬、気分安定薬、抗精神病薬で、患者の状況に応じて選択されます。
また、双極性障害との適切な区別も重要であり、新型うつ病の理解と対策は医療の進歩とともに、より精緻になることが期待されています。
 
赤羽すずらんメンタルクリニックでは、一般的な薬物療法から、あらゆる治療法で患者さんをサポートします。まずはお気軽にご相談ください。
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