季節の変わり目はうつに注意!なりやすい理由とは?
季節の変わり目は、気温や気圧などの変化が大きく、それによって私たちの身体や心が影響を受けることがあります。 頭痛や気分の落ち込みといった一過性の体調不良を感じた経験のある人も多いでしょう。 ここで取り上げている「季節によるうつ病」は、「毎年」「特定の季節に」「一定期間」「生活に支障が出るほどの症状」が出ることが特徴です。 典型的な季節性うつ病は冬に起こりやすいですが、それ以外にも春や5月から6月にかけての梅雨、夏に起こる季節性うつ病も報告されています。
この記事では、季節の変わり目に体調を崩しやすい、気分が落ち込みやすいという人に向けて、季節によるうつ病の理由や予防法をまとめています。 それぞれの季節によるうつ病の理由と予防法を知って、健康に過ごすヒントにしてくださいね。
目次
季節の変わり目は冬に注意
季節によるうつ病の典型が冬季うつ病です。 冬季うつ病の発症理由は、主に日照時間不足。 これは、10月から3月頃の日照時間が少ない時期に発症しやすいことや、赤道から離れた地域に住む人の発症リスクが高いことからも顕著だと言われています。
では、どうして日照時間が少ないとうつ病を発症しやすくなるのでしょうか? 日光に当たる時間が少ないと、セロトニンの分泌が抑制されたり、メラトニンの分泌が増加したりすることがわかっています。 精神状態や体内リズムに関わるこれらの神経伝達物質の過不足が起こることで、冬季うつ病を発症してしまうのです。 冬季うつ病は日照時間不足が発症理由となるので、日当たりの悪い部屋や日照時間の少ない地域への引越しなどがきっかけで発症することもあるようです。
こちらの記事では、うつ病の前兆、初期症状としてどのような症候が出るのかを紹介しています。うつ病にはどんな初期症状があらわれる?心身のサインをチェックこちらもあわせてご覧ください。
季節のうつ病と原因
典型的な季節性うつ病は冬に発症するものですが、それ以外の季節にもうつ病を発症する可能性があります。 なりやすい季節ごとに理由を見ていきましょう。
春のうつ病
春のうつ病は、季節的な要因と社会的な環境変化が相まって発症するとされています。
春は朝晩の寒暖差が大きく、自律神経が不安定になりやすい季節。 と同時に、徐々に日照時間が長くなる春は、身体が時差ボケのような状態になりやすいことも知られています。 このような季節的な理由と、新しい環境への不安や緊張が原因となって、春のうつ病を発症してしまうのです。
梅雨のうつ病
梅雨の時期にうつ病を発症する理由は、気圧の変化が大きいことや、長雨のため日照時間が少なくなることが考えられます。 また梅雨は、雨の日は気温が低く、晴れると蒸し暑いといった気温差も大きく、自律神経にとって過酷な季節。 さらに湿気による不快感や休日が少ないことから、疲れをため込みやすく、うつ病を発症することがあるようです。
夏のうつ病
夏にうつ病を発症する理由のひとつが、強い日差しを浴び過ぎること。
強い日差しを浴び過ぎて体力を消耗することが、夏のうつ病につながる可能性が示唆されています。 夏は冷房のきいた室内と、厳しい暑さの屋外を行き来することも多く、自律神経のバランスが乱れやすい季節です。 また、暑さによって睡眠リズムが崩れたり、食欲が下がったりすることも、夏のうつ病の理由と考えられています。
このような症状は「夏バテ」とよく似ていますが、うつ病の場合は、気分の落ち込みなどの精神症状も同時に現れるのが特徴です。
冬のうつ病
今回の記事では、季節の変わり目とうつ病の関係性について説明しています。では実際に冬にかかりやすい冬季うつについて解説している記事がございます。冬季うつの特徴をチェック!普通のうつ症状との違いは?こちらの記事にて記載しておりますので、是非参考にしてみてください。
季節の変わり目のさまざまな変化が身体や心の負担となり得ることを知ろう
これまでの内容で、季節の変わり目に起こりやすいうつ病の理由がご理解いただけたと思います。 季節の変わり目には身体や心に負担があることを理解し、無理のない生活を送ることが大切です。
では、季節性うつ病を予防するにはどうしたらいいのでしょうか? 予防法について説明していきましょう。
季節性うつ病の予防法
季節性うつ病の予防法は、いくつかあります。 ここでは4つピックアップしました。
「絶対にこの方法が効く!」というわけではありませんが、予防を意識することが大切です。 では、ひとつずつ詳しく見ていきましょう。
日光を浴びる、照明を明るくする
季節性うつ病の原因のひとつとして、日照不足とお伝えしました。 そのため、日光を積極的に浴びることで日照不足解消につながります。 日が出ているうちは、なるべく屋外に出て日光浴をしましょう。 とはいえ、冬場は日照時間が短く、なかなか日光を浴びる機会が作れないという方もいるかもしれません。 そういった場合には、部屋や職場の照明を明るくするのもひとつの手です。 季節性うつ病の治療法として、太陽光に近い光を浴びる「高照度光療法」があるほど、明るい光は重要です。 明るい光によって、体内時計や生体リズムを整える狙いがあります。
運動する
運動することでドーパミンが分泌され、気持ちのコントロールがしやすくなります。 イライラしているときや、落ち込んでいるときに有効でしょう。 また、運動不足になると症状が悪化してしまうことも。 その場限りではなく、継続して運動を続けるのがおすすめです。 そして、できたら屋外で運動しましょう。 日光を浴びられるので、より効果が期待できます。
食生活を整える
食生活を整えることで、季節性うつ病予防の手助けとなります。 食べ過ぎてしまうと、セロトニン神経機能の低下を招きかねません。 おすすめの食材は、カツオやマグロ、肉類、大豆製品、乳製品、バナナ、ナッツ類です。 これらの食材はトリプトファンという必須アミノ酸が含まれており、セロトニンの分泌に影響を与えます。
周囲の理解を得る
家族や身近な友人など、周囲の理解を得ることも大切です。 症状が出ているときは、やる気が起きずふさぎ込んでしまいがちです。 周囲の理解を得られていないと、「ダラダラしてばかりいる」と誤解されてしまうかもしれません。 また、気軽に相談できる相手も見つけておきましょう。 一人で考え込んでしまったり、辛い気持ちを吐き出せなかったりすると、症状の悪化につながりかねません。 家族や友人に相談し、周囲に頼りやすい環境を作っておきましょう。
季節性うつ病を早期発見しよう
いかがでしたでしょうか? この記事で、季節性うつ病になってしまう理由や予防法などについてお伝えしました。 季節によって症状が現れやすい季節性うつ病は、早期発見しやすい傾向にあります。 早めに対処し、症状の緩和を目指しましょう。
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