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うつ病の訪問看護とは?メリットや通院診療との違いを解説

[2023.04.17]

 

「うつ病で訪問診療を利用するメリットは?」「訪問看護とは?」「訪問看護の費用負担を抑える方法が知りたい」
情報の加速化がめまぐるしく、変化の多い現代。
うつ病という言葉もよく聞く疾患となってしまいました。

本記事では、うつ病における訪問看護・訪問診療について、そのメリットや具体的な内容、事例などを解説していきます。
ぜひ、最後までご覧ください。

訪問看護とは

まずは、訪問看護とは何かから解説していきましょう。

訪問看護とは、看護師・医師・理学療法士などが患者の自宅へ直接訪問し、医療や介護を提供するサービスです。

自宅で療養することのできない高齢者や身体障がい者、慢性疾患を患っている方、うつ病や認知症などの精神疾患を抱えている方などが主に利用します。

訪問看護は患者の自立した生活をサポートし、入院や施設入所を避けることができ、これによって患者や家族の負担を軽減してくれます。
介護保険を活用して受けることも可能です。

うつ病の方が訪問看護を利用することは可能?

うつ病の方が訪問看護を利用することは可能です。

訪問看護は、医療・看護スタッフが患者の自宅を訪問し、必要な処置や服薬指導、生活面でのサポートを提供するサービスです。
うつ病は、通院が困難な方や自宅での治療を希望する方も多いため、訪問看護は有効な選択肢となるでしょう。

また、家族の支援を含めた継続的なサポートが必要な状況でもあります。
しかし、訪問看護は一部負担金がかかることもありますので、事前に医療保険での負担額や手続きについて確認することが大切です。

うつ病の訪問看護でお願いできること

次に、うつ病の方が訪問看護利用時にお願いできることを見ていきましょう。

訪問看護は、基本「看護計画を一緒に考えて悩みの解決を目指していく」という方針のもとで進行していきます。

なかでも代表的な例を以下の3つ解説していきます。

  • 薬や処方箋の管理
  • 精神状態の評価やケア
  • 日常生活の支援

それぞれ見ていきましょう。

【例1】薬や処方箋の管理

うつ病患者は薬の管理が重要です。
訪問看護師によって薬や処方箋の自己管理をお願いすることができます。
訪問看護師は定期的にお薬手帳の確認や服薬の指導を行い、薬の種類や量についても適切な管理を行います。

【例2】精神状態の評価やケア

うつ病患者は精神的な状態が日々変化しやすく、自己評価が難しい場合もあります。
訪問看護師が定期的に訪問し、精神状態の評価や症状の変化を把握。
必要に応じて専門医師との連携を取ることもあります。

【例3】日常生活の支援

うつ病患者は日常生活においても支援が必要な場合があります。
生活リズムや栄養バランスの確保、適度な運動など、健康的な日常生活をサポートします。

訪問看護と通院の違い

訪問看護は自宅での医療・看護を提供するサービスであり、患者が自宅で過ごしながら医療を受けることができます。
訪問看護のメリットは、患者が病院に通院しなくても治療を受けることができるため、不自由なく過ごすことができ、精神的負担が軽減されることです。
また、家族の負担を軽減することもできます。

一方、通院は医療機関へ患者が訪れ、診察を受けることです。
通院は医療機関に備わる設備や機器を使用することができ、専門的な医療を受けることができるというメリットがあります。
どちらの方法が適しているかは、患者の状態によって異なるため、医師や看護師に相談することが重要です。

うつ病の方が訪問看護を利用するメリット

ここまで訪問看護と通院の違いについて解説してきました。
ここからは、うつ病の方が訪問看護を利用するメリットについて詳しく見ていきましょう。

主なメリットは以下の3つです。

  • 悩みを気軽に相談できる
  • 症状の悪化を予防できる
  • 外出が難しい状態でも通院せずに適切なサポートを受けられる

それぞれ解説していきます。

【メリット1】悩みを気軽に相談できる

うつ病は、孤独や不安、自己否定など、感情的な悩みが深刻になり患者の生活に大きな影響を与える疾患です。
そのため、医療者への相談や支援が重要です。

訪問看護では、患者が自宅で医療・看護スタッフと直接対話できるため、気軽に悩みや不安を相談しやすい環境が整っています。
また、訪問看護スタッフは患者の日々の状態を直接把握しながら計画的に診療を行うことが可能で、患者の不安を和らげ、より良い治療成果を得ることができるでしょう。
悩みを気軽に相談し個別に対応することで、患者が治療に積極的に取り組むことができるため、訪問看護はうつ病患者にとって有益な医療のひとつといえます。

【メリット2】症状の悪化を予防できる

訪問看護によって、症状の変化や悪化を早期に発見することもできます。
患者の状態を詳しく確認し、不安やストレスの要因を共有したり病状に応じた適切なアドバイスを提供したりできます。
それによって、病状の悪化や緊急医療が必要になるリスクなどを低減することができるでしょう。

また、訪問看護は患者の心身の状態を常に把握し、症状を改善する治療方法や生活習慣の見直しを提案することで、症状の悪化を予防することができます。

こちらの記事では、うつ病を放置したらどうなるのかと、放置しないためのうつ病発見チェック項目を解説しています。あわせてぜひご覧ください。
うつ病を放置したら一体どうなる?病気をいち早く見つけるサインとは

【メリット3】外出が難しい状態でも通院せずに適切なサポートを受けられる

うつ病の方は、ときに自宅から外出することが非常に困難な場合があります。
しかし、そのような場合でも訪問看護サービスを利用することで適切な医療ケアを自宅で受けることが可能です。

訪問看護を利用する流れ

ここからは、訪問看護を利用する一般的な流れを解説していきます。
まず医療機関で診察を受け、訪問看護が必要とされた場合に医療機関から訪問看護サービスを紹介されることが多いです。

そのあと、訪問看護師や医療ソーシャルワーカーが患者自宅を訪問し、患者の状態を観察したり医師の指示に従って処置を行ったりすることで、在宅での看護を支援します。
なお、自己判断で訪問看護サービスを利用することもできますが、その場合は医療機関に受診して必要性を判断してもらうことが重要です。

訪問看護サービスは医療保険が適用されるため、医師の紹介がある場合は比較的安価に利用することができます。

うつ病の方が訪問看護を利用した事例

ここからは、実際にうつ病の方が訪問看護を利用した事例を紹介します。
ここでは特性別に以下3つの事例を見ていきましょう。

  • 整理整頓・セルフケアが苦手な方
  • 外に出るのが怖い方
  • 通院に負担を感じて受診をやめ、症状が悪化した方

それぞれ紹介していきます。

【事例1】整理整頓・セルフケアが苦手な方

うつ病患者のAさんは、自分で家事や身の回りのことがほとんどできず、部屋が散らかっていたり、自分の食事の準備ができなかったりするという状態でした。

そこで、訪問看護師がAさんの自宅を訪問。
部屋の整理整頓や食事の準備を手伝います。

また、訪問看護師はうつ病による症状や生活状況の変化を観察し、適切な支援を提供することで、Aさんの健康状態を改善しました。
Aさんは、自分でできなかったことを訪問看護師に手伝ってもらうことで、生活に必要なことが不足なく完了。

結果、回復することができました。

【事例2】外に出るのが怖い方

うつ病患者のBさんは、外に出ることが非常に怖く、自宅から出ることもできませんでした。
そこで、訪問看護サービスを利用します。

定期的に自宅を訪問してくれる看護師によってさまざまなサポートを受けることができました。
たとえば、Bさんは訪問看護師の方と一緒に、散歩や買い物に行くことから始め、少しずつ外出することに慣れていきました。
また、訪問看護師がBさんの不安や恐怖心に寄り添いながら、話を聴いたり、ストレスマネジメントの方法を教えてくれたりすることで、Bさんは少しずつ安心感を得ることができました。

こうした支援を通じて、Bさんは徐々に外出することができるようになり、社会生活を再開することができました。

【事例3】通院に負担を感じて受診をやめ、症状が悪化した方

うつ病であるCさんは、以前は通院していたものの、通院に負担を感じて受診をやめてしまいました。
そのあと、症状はますます悪化し、自分で日常生活を送ることができなくなります。
そこで、訪問看護サービスを利用することになったCさん。

訪問看護師から適切なアドバイスやケアを受け、薬の服用やセルフケアの方法などを教えてもらいました。
また、訪問看護師とのコミュニケーションを通じて、社会復帰や通院に対するアプローチの仕方など、心理的な面でも支援を受けることができました。

訪問看護サービスの利用で自宅での適切なケアが受けられたため、通院に負担を感じて受診をやめたり、治療が進まないという状況を避けたりという結果につながりました。

訪問看護の費用負担を抑える方法

訪問看護の費用が心配な方は、自立支援制度の利用を考えましょう。
自立支援制度は、要介護度が認定された方が自宅で適切な医療・介護を受けるための制度です。
訪問看護サービスも利用できますが、自身や家族が一定の負担を担う必要があります。

申請方法としては、要介護度が認定された場合に、最寄りの市区町村にある「介護保険課」に「自立支援医療介護申請書」を提出するのみ。
また、自己負担額の支払いを減額する「負担金減額措置」も設けられています。
ただし、自治体によって制度が異なるため、詳細については各市区町村の介護保険課にお問い合わせください。

患者本人が訪問看護に抵抗を示すときに家族ができること

ここまで、うつ病の方が訪問看護を利用した事例を紹介してきました。
最後に、患者本人が訪問看護に抵抗を示す場合、家族ができることを解説して終わります。
ここでは以下の3つを紹介します。

  • 精神ではなく身体の不調で受診が必要な旨を伝える
  • まずは家族だけで医療機関に相談する
  • 本人のプライベート空間以外の場所で実施する

それぞれ確認してください。

【家族ができること1】精神ではなく身体の不調で受診が必要な旨を伝える

患者本人が訪問看護に抵抗を示す場合、家族としてできることのひとつに「精神ではなく身体の不調で受診が必要な旨を伝える」というものがあります。

つまり、訪問看護を受けることが精神的な弱さや病気だと思われることを恐れている患者に、身体的な不調があるため必要な受診であることを説明し、抵抗を軽減するということです。
家族は患者とのコミュニケーションを通じて、理解を深め、支援を提供することが重要です。

【家族ができること2】まずは家族だけで医療機関に相談する

ほかには「まずは家族だけで医療機関に相談する」というアプローチがあります。
抵抗を示しているうつ病患者に対して強制的に訪問看護を受けさせることは難しいため、まずは家族が医療機関に相談し、患者本人の状態を専門家から詳しく聞くと良いでしょう。

また、家族は患者本人を支えながら必要な情報を取りまとめたり、訪問看護サービスや地域の支援体制を整理したりすることで患者本人の不安を軽減します。
患者本人が納得し、安心して訪問看護を受けられるようになったら、改めて本人と医療機関へ相談しましょう。

【家族ができること3】本人のプライベート空間以外の場所で実施する

また「本人のプライベート空間以外の場所で実施する」のも効果的です。
たとえば、公共の場での訪問や、医療機関での診察などが該当します。

また、自宅の別の部屋や、友人や親戚の家などでも訪問看護は実施できるため、選択肢として視野に入れましょう。
これにより、うつ病患者本人が自分のプライバシーと自由を保ちながら、必要なケアを受けることができ、精神的な負担を軽減することができます。

ただし、訪問看護サービスの提供範囲や料金に関する注意点もありますので、適切な情報収集が必要です。

うつ病にも訪問診療は有効

訪問看護は、患者宅で医療・看護サポートを行うことにより、優れた治療結果を生み出すことが期待される取り組みです。
うつ病は治療に時間と労力がかかる病気であるため、患者とその家族にとって、訪問看護があるだけで大きな支援となります。

今後も訪問看護師や地域医療機関・福祉施設等のより強力な連携により、うつ病患者のケアをより良いものにしていくことが期待されています。
費用負担を軽減する制度もあるため、積極的に制度利用を検討してみてください。

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