更年期はうつ病になりやすい?更年期の症状と因果関係を知ろう
女性であれば必ず経験する更年期は、平均すると50歳前後で訪れます。
熱感やめまい、イライラなど、更年期に感じる心身の変化や症状の度合いは個人差が大きく内容もさまざまです。
そんな更年期の症状の中に、気分の浮き沈みや倦怠感など、うつ病に似ている症状があります。
更年期の期間は約10年と長いため、うつ病になったのではないかと悩まれる人もいるでしょう。
そこで今回は、更年期についてと更年期とうつ病の関係性について解説します。
更年期の症状や原因、うつ病との因果関係を知り、心と体の変化を恐れるのではなく前向きに捉えられるようにしましょう。
まだまだ更年期が先である人、もうすぐ更年期を迎える人など、幅広い世代の女性へ向けて紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
更年期とは
まずは、更年期について理解を深めていきましょう。 更年期の時期や原因について解説します。
更年期の時期
更年期とは、女性が閉経を迎える前と迎えた後の5年ずつ、約10年の期間を指します。
約10年の長期に渡り心身にさまざまな症状を与えますが、更年期の始まる時期や症状は千差万別です。
日本人の平均閉経年齢は50歳とされていますが、早い人では40代前半から更年期が始まります。
この期間には、ホルモンバランスの変化により、心身にさまざまな影響が及びます。
しかし、いつから始まるか、どのような症状が出るかは人によって異なります。
更年期の原因
更年期の主な原因は、女性ホルモン「エストロゲン」の減少です。
エストロゲンには、幸福感やリラックス作用のあるセロトニンというホルモンの分泌を促す効果もあるため、エストロゲン減少に伴いセロトニンも減ってしまうことで、気分が落ち込むなどの症状が見られるのです。
また、日常生活で感じる心理的・外的ストレスも、更年期の症状を増長する原因のひとつとされています。
参考:抑うつ気分・意欲の低下|更年期障害【日本女性医学学会(旧:日本更年期医学会)】
更年期の症状
更年期に見られる症状はさまざまですが、3カテゴリーに分けられます。
1. 自律神経症状
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ほてり(ホットフラッシュ)
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めまい
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耳鳴り
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動悸
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不眠
2. 精神症状
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気分の落ち込み
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意欲低下
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情緒不安定
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イライラ
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集中力の低下
3. 運動・消化器症状
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手足のしびれ
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腰痛
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食欲不振
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腹痛、吐き気
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下痢・便秘
自律神経症状では熱感、めまい、耳鳴り、動悸、不眠などがあり、精神症状では意欲低下、情緒不安定、イライラ、集中力の低下などが挙げられます。
運動や消化器症状では手足のしびれ、腰痛、食欲不振や腹痛、吐き気、下痢などがありますが、症状は個人差が非常に大きいです。
そして、これら更年期に見られる症状の中でも、日常生活に支障が出るほどの重い症状を「更年期障害」と呼びます。
更年期はうつ病になりやすい?
結論から言うと、更年期はうつ病になりやすいと言えるかもしれません。
更年期に入ると閉経に合わせて幸せを感じるセロトニンが減少してくため、心と体のバランスを安定した状態に維持することが難しくなるからです。
しかし、更年期による長期的な体調不良や情緒不安定といった症状が、必ずしもうつ病に繋がるとは限りません。
一方で、うつ病を併発していると分からず見逃してしまうケースもあります。
更年期に憂鬱な気分があまりにも続くときは、そういう時期だから仕方ないと思わずに、まずは産婦人科や心療内科などを受診してみてください。
現在の状況をしっかりと受けとめることで、症状の緩和が望めることもあります。
また、ストレスを溜め込まないことも大切です。
不調を隠さずに家族に打ち明けることで心が軽くなるケースもあるので、あるがままの自分を受け止めて、自分なりの気分転換の方法を見つけるのも良いでしょう。
更年期かうつ病か悩んだら専門機関を受診しよう
いかがでしたでしょうか? この記事を読んでいただくことで、更年期とうつ病の関係性についてご理解いただけたと思います。
更年期は避けて通れないものですが、この時期にうつ病になるとは限りません。
不調が訪れても、リフレッシュ方法を見つけ、必要な場合は専門機関を受診するなどして、自分らしく前向きに過ごしていきましょう。
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