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睡眠障害の原因と治療法を種類別に解説

[2024.09.15]

生活習慣の基本となる食事・運動・睡眠は、ひとつでもバランスが欠けてしまうと、体と心の不調に繋がります。なかでも睡眠は、1日の疲れをほぐす役割があり、質の良い眠りを心がけることが大切です。過剰な疲れやストレスが溜まっていたり、環境の変化があったり、神経疾患を患っている場合などには、睡眠障害のリスクが高まります。

本記事では、睡眠障害の種類や、発症する原因とその治療法について解説します。

目次

1.睡眠障害の種類
2.睡眠障害の種類
3.睡眠障害の原因
4.睡眠障害の治療法
5.睡眠障害とアルコールの関係性
6.睡眠障害で困っている方は専門医の診断がおすすめ

睡眠障害とは

睡眠障害とは、睡眠に関わる病気のことです。夜に眠れなかったり、夜中に何度も目が覚めてしまったりと、慢性的に睡眠の質が悪い状態が続き、日中の行動に影響が出てきます。
睡眠障害の中でも不眠症は国民病とも言われており、日本人の成人の10人に1人が不眠症で悩まされているというデータがあります。また、睡眠障害は女性に多い傾向です。

睡眠障害の種類

睡眠障害は症状別に「不眠症」「過眠症」「睡眠時随伴症」があります。それぞれ詳しくみていきましょう。

不眠症

不眠症は、眠ろうとしても眠れない状態になることです。不眠症は大きく4つの症状に分類できます。

  • 入眠困難:寝つきが悪く布団に入ってから眠りに付くまで30分~1時間以上かかる
  • 中途覚醒:睡眠途中で目が覚めて、それからなかなか眠ることができない
  • 早朝覚醒:早朝に目が覚めて、それから二度寝することができない
  • 熟睡障害:睡眠を十分とっていても、ぐっすり眠った感じがない

「入眠困難」は、特に不眠症の症状として多く、緊張感が高まっていたり不安や心配がある場合に起こりやすくなります。
「中途覚醒」は、中高年・高齢者に多く見られる症状です。
「早期覚醒」は、高齢者・更年期による症状で、うつ病の症状の特徴でもあります。
「熟眠障害」は、寝ているのに疲れがとれなかったり、日中だるい状態が続いて頭痛がしたりします。これは、睡眠が浅い場合に発症します。

過眠症

過眠症は、十分な睡眠をとっているのに、まだ眠りが足りないと感じる状態です。過眠症は、主に4つの症状に分類できます。

  • ナルコレプシー:急な眠気で眠ってしまう障害。短時間の眠りで起きた時は軽快
  • 特発性過眠症:強い眠気で寝てしまう障害。長時間の眠りで起きた時も眠気がある
  • 反復性過眠症:強い眠気の期間と症状のない期間が繰り返し出現する
  • 睡眠不足症候群:長期間の睡眠不足によって日中の強い眠気がある

「ナルコレプシー」は、日中に睡魔が襲ってがまんできずに眠ってしまう状態になります。仕事や学業、生活に支障が起きたり、交通事故や外出時の転倒や転落の危険性があります。
発症時にはレム関連症状と呼ばれる「情動性脱力発作」「金縛り」「入眠時幻覚」が見られます。
「特発性過眠症」は、十分な睡眠があっても日中も過度な眠りが継続する状態で、いくら仮眠をとっても寝足りないのが特徴です。
「反復性過眠症」は、過眠期とそうでない時期が交互に繰り返される症状です。数日〜数週間の強い眠気の期間は、仕事や学業にも影響し、そうでない時期には普通の生活ができます。
「睡眠不足症候群」は、睡眠不足の自覚症状はないが日中に眠くなります。平日の睡眠時間が短く、週末に睡眠時間が2時間以上長い人が発症しやすいです。

睡眠時随伴症

睡眠時随伴症は、睡眠中に発症する身体機能の異常です。夜尿、歯ぎしり、悪夢などが代表的な現象です。睡眠時随伴症は大きく2つの症状に分類できます。

  • ノンレム睡眠から起きる障害:睡眠時遊行症(夢遊病)、睡眠時驚愕症(夜驚症)、錯乱性覚醒(寝ぼけ)、睡眠関連摂食障害など
  • レム睡眠から生じる睡眠障害:レム睡眠行動障害、悪夢障害など

睡眠の約75%がノンレム睡眠(深い眠り)残り約25%がレム睡眠(浅い眠り)です。ノンレム睡眠に起きる症状は、本人は自覚症状のないまま眠っている間に起きる行動で、周りが起こそうとしても気が付くことは難しくなります。
浅い眠りのレム睡眠から起きる症状は、睡眠中に突然、大声を出したり奇声を上げるレム睡眠行動障害と、小児期によくある悪夢障害です。レム睡眠の場合は、周りが起こすと反応して目覚めることができます。

睡眠障害の原因

睡眠障害は、症状によって原因が異なります。症状別に詳しい原因を見ていきましょう。数多く当てはまる場合は、睡眠障害の可能性があるかもしれません。

不眠症の原因

不眠症には、以下の原因があげられます。

  • 日中に起きたことで緊張やストレスが溜まっている
  • 気になることや心配事がある
  • 生活・仕事の環境の変化
  • うつ病の精神疾患を患っている
  • 眠れないと思い込んでいる
  • 服用している薬の副作用
  • 慢性的な身体疾患がある(痛み・かゆみ・呼吸困難・膀胱炎など)
  • パーキンソン病を患っている
  • 更年期障害がある
  • 認知症である
  • 嗜好品の過剰摂取

過眠症の原因

過眠症には、以下の原因があげられます。

  • 睡眠不足症候群、長時間睡眠者である
  • 身体疾患がある(花粉症、脳血管疾患、頭部外傷など)
  • 緊張や不安があってストレスが溜まっている
  • 環境の変化がある
  • うつ病の症状がある
  • ナルコレプシー、特発性過眠症、反復性過眠症である

睡眠時随伴症の原因

睡眠時随伴症には、以下の原因があげられます。

  • 疲労やストレスが溜まっている
  • 服用している薬の副作用
  • 睡眠リズムが乱れている
  • 頭部外傷の後遺症がある
  • アルコール依存症である
  • 認知症の影響
  • 神経疾患がある

睡眠障害の治療法

睡眠障害の治療には、生活習慣の改善と、薬事療法があります。
ここからは、症状別に治療法を解説します。

不眠症の治療法

眠れなくなっている原因を見つけて生活習慣を見直します。まずは、睡眠の質を上げるようにします。寝る時間と起きる時間を決めて規則正しい睡眠のリズムを作ります。日中、運動不足になると寝つきが悪くなるため、適度に動くことも大切です。また、寝る前にアルコールやカフェインを摂らないようにしましょう。
自分でできる生活習慣の改善に加えて、寝つきが良くなるように、病院で処方された睡眠薬を使って治療を行います。

過眠症の治療法

夜に眠くなるように日中の過ごし方を改善し、毎日同じ時間に30分未満の短い仮眠を摂ると良いでしょう。
ナルコレプシーや特発性過眠症の場合は、根本的に治すことは難しくなりますが、薬物療法によって症状を緩和することは可能です。日中の眠気を和らげる作用のある薬を飲みます。

睡眠時随伴症の治療法

まずは、睡眠のリズムを整えることを徹底して、飲酒や喫煙、嗜好品は控えるようにしましょう。睡眠時随伴症の症状によって薬事療法も行います。睡眠中に危害のリスクがある夢遊病や、夜中に奇声をあげたりする夜驚症などには、神経を落ち着かせる薬を使うと症状を緩和できます。

睡眠障害とアルコールの関係性

寝つきが悪いとアルコールが良いと言われていますが、アルコールを飲んだ後は眠りが浅く睡眠障害を治す効果は期待できません
眠れないことを理由に飲酒を続けていると、睡眠の質が低下し、睡眠障害は改善されず酒量が増えるだけで悪循環が始まります。

また、アルコール依存症による睡眠障害の症状は、不眠、悪夢、過眠、昼夜逆転、睡眠時無呼吸などの症状が起こります。眠るためにアルコールに頼っていると、精神的な依存が生じるため、睡眠障害がある場合は、飲酒を控えることをおすすめします。

睡眠障害で困っている方は専門医の診断がおすすめ

眠りたくても眠れない、起きていたい時間帯に眠くなるなど、睡眠のリズムが崩れている人は、睡眠障害の可能性があります。睡眠障害には症状や原因によって種類が異なります。
生活習慣を見直して睡眠の質を上げるような改善をすれば治る場合もあれば、薬事療法が必要な場合もあります。また、疾患によっては根本的な治療が難しい場合もあります。
もし、眠りの状態が良くない場合は、専門医の診断を受けて適切な治療を始めることをおすすめします。

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