不安障害とは?種類や原因を詳しく解説
[2024.10.15]
不安になったり、イライラしたり、気持ちが落ち着かない状態が長く続く場合は、不安障害の可能性が考えられます。
不安障害は、症状や原因によって種類がいくつかあり、それによって治療法も異なります。正しい治療を受けるには、専門医による診断が必要です。
本記事では、不安障害の種類や主な症状、原因などについて解説します。
目次
1.不安障害とは2.不安障害の種類
3.不安障害の主な症状
4.不安障害になる原因
5.不安障害の診断基準
6.不安障害の治療法
7.不安障害を予防する方法
8.不安障害は原因と症状に合わせて適切な治療をはじめましょう
不安障害とは
誰しも、心配事があり不安になったり、落ち込むことはあります。しかし、そういった不安定な気持ちが長く続いて、日常生活に支障が起こる場合は、一過性の問題ではなく、「不安障害」の可能性があります。不安障害は、精神が不安定になると心と体のバランスが崩れてしまう精神疾患です。
不安障害の種類
不安障害は、症状や原因などの違いによって種類が異なります。それぞれ詳しくみていきましょう。
社会不安障害
人前で話をしなければならない状況や人がたくさん集まる場所に居るだけでも、強い不安や緊張を感じる病気です。実際はまだ何も起きていなくても、脳が不安になるだろうという予測をしてだんだん人を避けるようになります。社会不安障害になりやすいのは、過去に失敗した経験が影響していることや、自分自身に自信が持てないこと等があげられます。症状は、手のふるえ、発汗、赤面、声が出ない、緊張による挙動不審などが現れます。
これらの症状は、性格によるものだと勘違いされやすく、本人も精神疾患として自覚できない場合は、治療が遅れて症状が慢性化するリスクが高くなります。症状が重症化するとさらにうつ病や他の精神疾患との合併の心配があります。
社会不安障害になる原因は、一説には脳内の神経伝達物質セロトニン、ドーパミンのバランスが乱れて神経が過敏になり、精神不安定な状態になると考えられています。
もともと神経質で心配性な人がなりやすく、過去に強烈な出来事や強いストレスがかかるような経験があった場合に発症するケースが多くみられます。
全般性不安障害の場合、不安になる対象範囲が決まっていないため、家族、子ども、友達、会社、地域社会、世界情勢、災害など、全般的な内容すべてに対して不安を抱えるのが特徴的です。したがって、周りから見ると心配性な人、神経質な人という印象を持たれる場合が多く、本人も性格であると認識しているため、精神疾患と気づかないことが多い傾向です。
全般性不安障害
いつも漠然とした不安や心配を持ち続けてしまう病気です。家族や子どもに何か悪いことが起こるのではと過剰反応したり、何をするにも疑い深くなったりするので、物事がうまく進行せず集中力も散漫になります。常に不安が付きまとうため睡眠不足になったり生活のリズムが崩れて不健康になります。もともと神経質で心配性な人がなりやすく、過去に強烈な出来事や強いストレスがかかるような経験があった場合に発症するケースが多くみられます。
全般性不安障害の場合、不安になる対象範囲が決まっていないため、家族、子ども、友達、会社、地域社会、世界情勢、災害など、全般的な内容すべてに対して不安を抱えるのが特徴的です。したがって、周りから見ると心配性な人、神経質な人という印象を持たれる場合が多く、本人も性格であると認識しているため、精神疾患と気づかないことが多い傾向です。
全般性不安障害の原因は、遺伝的な要因、自律神経の障害などが考えられています。
パニック発作は、発症理由がはっきりしないまま突発的に襲ってくるため、繰り返し発作が起こると、次に発作が起きたらどうしようという予期不安が現れます。予期不安が起こると、発作を回避しようとする行動をとるために、人混みや電車の中を避けるようになったり、誰か一緒にいないと一人で行動できなくなったりします。 パニック障害は、繊細で神経質、不安や恐怖心を持ちやすい人がかかりやすく、過剰なストレスが慢性化している場合に発症しやすくなります。
パニック障害
突発的に強い不安に襲われる病気です。激しい動悸、発汗、頻脈、ふるえ、息苦しさ、胸部の不快感、呼吸困難、めまい、ふらつき、死への恐怖感、非現実的な感覚などの症状が現れます。発作は、10分から長くて1時間程度でいったん治まります。パニック発作は、発症理由がはっきりしないまま突発的に襲ってくるため、繰り返し発作が起こると、次に発作が起きたらどうしようという予期不安が現れます。予期不安が起こると、発作を回避しようとする行動をとるために、人混みや電車の中を避けるようになったり、誰か一緒にいないと一人で行動できなくなったりします。 パニック障害は、繊細で神経質、不安や恐怖心を持ちやすい人がかかりやすく、過剰なストレスが慢性化している場合に発症しやすくなります。
パニック障害の発作が起こる原因は、精神的な負荷、遺伝要因、脳内の神経伝達物質の異常分泌などが考えられています。
強迫行動では、繰り返し手を洗う行為、戸締りやガス栓、電気のスイッチなど何度も確認する行為など同じ動作を繰り返します。また、異常な数字へのこだわり、物の配置のこだわり、物事の手順に対するこだわりなど、度を越えた強迫行動が見られます。
一般的にこだわりの強い人はいますが、強迫性障害の場合は、強迫観念や強迫行動が過剰に現れて日常生活に支障が出て、周りにもこだわりを強要したりするようになります。
強迫性障害
ある一定の行為や行動を繰り返してしまう病気です。この病気の特徴は、強迫観念と強迫行動の2つです。強迫観念は、一つの考えに執着してそこから逃れられない状態になります。強迫行動では、繰り返し手を洗う行為、戸締りやガス栓、電気のスイッチなど何度も確認する行為など同じ動作を繰り返します。また、異常な数字へのこだわり、物の配置のこだわり、物事の手順に対するこだわりなど、度を越えた強迫行動が見られます。
一般的にこだわりの強い人はいますが、強迫性障害の場合は、強迫観念や強迫行動が過剰に現れて日常生活に支障が出て、周りにもこだわりを強要したりするようになります。
発症の原因は、性格や生い立ち、ストレスの負荷、脳内セロトニンの異常分泌などが考えられます。 また、強迫性障害は、WHO(世界保健機関)で「経済損失および生活の質の低下に影響する10大疾患」に指定されています。
精神的な気質、性格、悩みやストレス、家族環境や生い立ち、過去の強烈な体験、遺伝、神経伝達物質の異常などが複雑に影響しています。
専門医の診断を受けて、病名を限定してから治療を始めます。
不安障害の診断基準「DSM-5」については、以下の内容をチェックし該当する内容が多い場合は、不安障害の可能性が高くなります。
不安障害の主な症状
不安障害で現れる症状は、健康に関わる身体面の症状と、性格や気持ちなどに関わる精神面の症状があります。身体面の症状
過労や睡眠不足、ストレスなどによって症状が起こります。はじめは軽度の不調から始まり、症状が慢性化すると日常生活に支障が起こるほど悪化してきます。- 発汗
- めまい
- 動機・息切れ
- ふるえ
- 疲労
- 便秘・下痢
- 頭痛
- しびれ
- 頻脈
精神面の症状
性格や過去の体験や生い立ち、強烈なトラウマ、遺伝などの理由によって、精神的苦痛になるさまざまな症状が継続的に繰り返し発症します。- 強迫観念
- 精神不安定
- 集中力の低下
- 緊張
- 自信喪失
- こだわり
- イライラ・怒りっぽくなる
- 死の恐怖
不安障害になる原因
不安障害になる原因はさまざまで、複合的に絡み合って症状として現れます。精神的な気質、性格、悩みやストレス、家族環境や生い立ち、過去の強烈な体験、遺伝、神経伝達物質の異常などが複雑に影響しています。
不安障害の診断基準
不安障害の診断をしたい場合は、内科診療ではなく、精神科または心療内科になります。専門医の診断を受けて、病名を限定してから治療を始めます。
不安障害の診断基準「DSM-5」については、以下の内容をチェックし該当する内容が多い場合は、不安障害の可能性が高くなります。
※「DSM-5」の不安障害(全般性不安障害)の診断基準
- 過剰な不安と心配が6ヵ月間続いている
- 不安を抑制することが難しい
- 以下の6つの症状のうち3つ該当する ①落ち着きのなさ緊張感、または神経の高ぶり ②疲れやすい ③集中困難、心が空白になる ④易怒性 ⑤筋肉の緊張 ⑥睡眠障害
- 日常生活・仕事上で機能障害を引き起こしている
- 服用薬または医学的疾患などによるものではない
- 他の精神疾患ではうまく説明されない
不安障害の治療法
不安障害の治療法は、主に2つ「心理療法」と「薬事療法」を並行して行います。心理療法
心理療法では「暴露療法」「認知療法」などを行います。「暴露療法」とは、不安になるような場所や状況を設定して、段階的に患者の症状を克服していく治療法です。苦手なことや恐怖心が起こる根本を追求し、そこから回避するのではなく徐々に慣れていくことを練習します。「暴露治療法」においては、患者の心理体験を治療者が一緒に同伴して、細かく話し合いながら治療を進めていきます。
「認知療法」は、患者の偏った考え方を修正して、柔軟な考え方ができるように改善していく治療法です。不安障害やうつ病では、考え方の偏りによって奇異な行動になってしまうため、患者の考え方の原因となる心理的な体験について、治療者と一緒に考えて改善していきます。
セロトニンの分泌を活性化させるために、抗うつ薬のSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)や向精神薬のBZD(ベンゾジアゼピン)などが使用されています。
SSRIは、神経伝達物質の働きを改善し、不安障害やうつ病などを改善することができます。BZDは、脳の興奮を抑えて不安や緊張などを改善させることができます。
薬物療法
精神疾患の原因は、脳の神経伝達物質セロトニンの異常分泌だと考えられているため、抗うつ薬や向精神薬等の「薬物療法」を行います。セロトニンの分泌を活性化させるために、抗うつ薬のSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)や向精神薬のBZD(ベンゾジアゼピン)などが使用されています。
SSRIは、神経伝達物質の働きを改善し、不安障害やうつ病などを改善することができます。BZDは、脳の興奮を抑えて不安や緊張などを改善させることができます。
不安障害を予防する方法
不安障害は、軽度のうちに自覚症状に気づいて、早めに治療をすることで重症化のリスクを抑えることができます。では、不安障害を予防する方法について確認しましょう。ストレスを溜めない
ストレスが限界を超えると、イライラしたり気持ちが落ち込んでやる気が無くなったりします。また、本当は興味があることでもストレスがあるときは関心を持てなくなったりもします。ストレスによって、心の状態が不安定になり、カラダの不調にも現れると不安障害のリスクが高くなります。不安障害になりやすい人は、責任感が強くいい加減なことができない性格の人が多く、ストレスを溜めやすい傾向にあります。普段からリラックスすることを心がけましょう。
もし、ストレスがうまく解消できない人は、専門医に相談して不安障害の予防策を早めにしておくことをおすすめします。
生活習慣を整える
生活習慣の乱れは、カラダと心の不調に影響します。食事・運動・睡眠はバランスの良い状態を保つことができるように、いったん生活のリズムについて見直すことが大切です。不安障害の症状には、過食・拒食、不眠・過眠、カラダの機能の衰えなど、身体的な低下が症状として現れるので、慢性化する前に、生活習慣を改善しましょう。
早めに医師に相談する
症状が悪化する前に、早めに専門医の診断を受けるようにしましょう。不安障害は、症状がわかりにくく、性格上の問題であると自己判断してしまう場合もありますので、もしかしたら?と疑問に思ったら、まずは専門医に相談するようにしましょう。不安障害は原因と症状に合わせて適切な治療をはじめましょう
軽度なストレスでも長引くことで不安障害になるリスクが高くなります。心が落ち着かない状態で毎日生活することは、身体的、精神的に大きな負担がかかっている状態です。不安障害は、誰もが抱えているストレスが蓄積されて長期化すると慢性化するリスクが高くなります。発症のきっかけは、さまざまな原因が複合的に影響して現れるため、精神的な問題を抱えている人は特に、専門医に相談して早めに予防対策を行うようにしましょう。
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