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睡眠障害の症状を徹底解説

[2024.11.15]

成人の10人に1人は不眠症で悩んでいるとも言われており、睡眠障害は珍しい病気でありません。また国際的に見ても日本人は睡眠時間が短く、とくに子どもや就労者の睡眠時間は世界で最も短いとのデータも見られます。

この記事では、睡眠に関する悩みを抱えている方に向けて、睡眠障害の症状や治療法、症状を抑えるポイントについて解説します。

目次

1.睡眠障害とは
2.睡眠障害の症状
3.睡眠に伴う異常な症状
4.睡眠障害の治療法
5.睡眠障害の症状を抑えるポイント
6.睡眠障害には、不眠症や過眠症、睡眠時随伴症などがある

睡眠障害とは

睡眠障害とは、睡眠に関連するさまざまな病気の総称です。代表的な睡眠障害として、以下の病気があげられます。

睡眠障害の代表例

  • 不眠症
  • 過眠症
  • 睡眠時随伴症

慢性的に睡眠不足がつづくと、日中の眠気や意欲低下、記憶力低下など精神機能が落ちるだけではなく、体内のホルモン分泌や神経機能にも影響が出ることもあります。

さらに、睡眠障害は生活習慣病の発症リスクにもなります。たとえば、入眠障害や中途覚醒、早朝覚醒などの不眠症にかかっている人は、睡眠を十分に取れている人と比べて糖尿病の発症リスクが1.5~2倍になることが分かっています。

睡眠障害の症状

同じ睡眠障害であっても、病気の種類や原因によって現れる症状は異なります。
ここからは睡眠障害(不眠症・過眠症・睡眠時随伴症)の症状について解説します。

不眠症の症状

不眠症ではさまざまな睡眠に関する問題によって十分に睡眠がとれず、日中に倦怠感や意欲低下、集中力の低下などの不都合が生じます。不眠症の症状は大きく分けて、以下の4つがあげられます。

不眠症の症状

  • 入眠障害:寝つきが悪い
  • 中途覚醒:睡眠の途中で何度も目が覚める
  • 早朝覚醒:朝早くに目が覚める
  • 熟眠障害:眠りが浅く、しっかり眠った感じがしない

これら4つの症状の内、1つが現れるのではなく、複数の症状に悩まされる場合もあるでしょう。とくに高齢者ほど複数の症状を訴えるケースが多く見られます。

過眠症の症状

睡眠時無呼吸症候群やナルコレプシーなどの病気にかかると、夜に十分な睡眠をとっていても、日中に強い眠気が生じてしまい、目覚められていない状態になります。この状態が過眠症です。とくにナルコレプシーでは、驚いたり笑ったりして体に刺激を受けると、急に体に力が入らなくなることもあります。

過眠症では、勉強や仕事をしているときに居眠りをしてしまったり、集中力が落ちたりします。健康な人でも午後になって眠気を生じることがありますが、眠ってはいけない状況であれば目覚めている場合がほとんどでしょう。しかし過眠症では、入学試験や大切な会議中に居眠りをしてしまうなど生活に大きく支障をきたすことがあります。

睡眠時随伴症の症状

睡眠時随伴症では、睡眠中に異常な行動や体験をします。たとえば、悪夢を見て歯ぎしりをしたり、寝ながら歩いたりするなど無意識で行動を起こします。小児期に睡眠時随伴症にかかることが多く、自然に軽快する場合もありますが、本人や周囲の人に悪影響があるようなら治療が必要となるでしょう。

睡眠に伴う異常な症状

睡眠に伴う異常な症状を起こす病気として、夜驚症(やきょうしょう)や夜尿症、睡眠麻痺、睡眠関連摂食障害などがあげられます。
これらの病気で起こる症状について解説します。

夜驚症(やきょうしょう)

夜驚症では、睡眠中に恐怖を感じて悲鳴を上げたり、腕を振り回したりするなどの症状が発作的に起こります。目を見開いて心拍数が上がり、周りからはとても怯えているように見えます。入眠してから始めの数時間以内に症状が現れ、数分~十数分程度つづくことが多いでしょう。
主に小学校入学前から小学校低学年の小児に多い病気です。発作中はとても苦しそうに見えますが、起床後発作について覚えているケースは少なく、夜驚症によって精神的な問題を起こすこともありません。

夜尿症

夜尿症とは、いわゆる「オネショ」のことです。5歳になっても寝ている間に排尿をしてしまうことが続いていると、夜尿症と診断されます。診断の目安は、「5歳以上で1ヶ月に1回以上の頻度で睡眠中の尿失禁がある状態が3ヶ月以上続いている」状態です。
多くの場合は自然に治っていきますが、0.5~数%の確率で成人になっても症状が続くケースも見られます。

睡眠麻痺

睡眠中に全身の脱力と意識の覚醒が同時に起きる状態を睡眠麻痺と呼びます。目が覚めて体を動かそうと思っても動かせない、いわゆる金縛り現象のことです。体を動かせない以外に、「声を出せない」「呼吸はできるが息苦しさがある」「誰かの話し声が聞こえる」などの症状が現れます。通常は1分~数分ほど経つと自然に治まります。

睡眠関連摂食障害

睡眠関連摂食障害は、ダイエットによるストレスなどが原因で、寝ている間に無意識に食事をしてしまう病気です。主に入眠後3時間以内に生じるのが特徴で、ごはんやパン、お菓子など炭水化物や脂肪を多く含む食品を食べるケースが多く見られます。朝起きると食事をした形跡が見つかり、症状に気づく場合があります。

睡眠障害の治療法

睡眠障害では、どのような治療を行うのか気になる方もいらっしゃるでしょう。
ここからは睡眠障害の治療法について、病気別に解説します。

不眠症の治療法

不眠症の原因は生活リズムの乱れや精神的な問題以外にも、ほかの病気(高血圧や心臓病、呼吸器疾患など)や薬の副作用(降圧剤や甲状腺製剤、抗がん剤など)があげられます。不眠症の原因がほかの病気や薬の副作用であるなら、まずは病気の治療や薬の変更を優先します。

生活リズムを見直しても眠れなかったり、精神的な問題から不眠になっていたりする場合には、睡眠薬による治療を行うこともあるでしょう。ただし、睡眠薬を服用して一時的に睡眠がとれるようになっても不眠の原因へ対処しなければ、根本的な解決にはなりません。睡眠薬に頼るのではなく、医師とともに不眠の原因を解決する必要があります。

過眠症の治療法

日中に強い眠気を生じるナルコレプシーや特発性過眠症には、根本的な治療法がありません。眠気を和らげるための薬があるため、そういった薬を服用しながら、生活リズムを整えたり、夜に十分な睡眠を取ったりして、できるだけ日中の眠気を抑えるようにします。軽度の症状であればこれらの対策をすれば改善を見込めます。

睡眠時随伴症の治療法

睡眠時随伴症は小児に多く、時間の経過とともに軽快することも多いため、日常生活に支障がなければ特別な治療は必要ありません。周りに危害を加えたり、本人に危険が及んだりする場合には薬物治療が行われます。神経の興奮を抑える薬や漢方薬、体内時計を整えるメラトニン受容体刺劇薬などがその一例です。

成人の場合は、精神的な問題やアルコール使用障害などが関わっていることがあるため、原因となっている病気の治療を行います。

睡眠障害の症状を抑えるポイント

軽度な睡眠障害であれば、日常生活を改善することで症状が軽快することもあるでしょう。
また、専門医にかかっている方であっても、症状を抑えるポイントを知っていれば早期の回復を見込めます。
睡眠障害の悩みを抱えている方が知っておきたい、症状を抑えるポイントについて解説します。

睡眠に関する正しい知識を得る

人間には周期が25時間の体内時計が備わっています。体内時計が24時間よりも長いため、意識せずに生活しているとどうしても夜ふかしになりがちです。
そこで役立つのが、睡眠ホルモンです。睡眠ホルモンは周りが暗くなると分泌が促進され、睡眠を取る助けとなります。明るいところでは睡眠ホルモンの分泌が止まるため、寝る前に暗めの場所で過ごすと睡眠ホルモンが分泌されて、良好な睡眠へとつながるでしょう。
また、日中に十分な光を浴びて体を動かすことで、体内時計が適切な周期に近づきます。

生活リズムを整える

夜勤や交代制の仕事をしている方の場合、睡眠時間がバラバラになり生活リズムが乱れることで睡眠障害になってしまうケースが見られます。また夜遅くまでパソコンやスマートフォンを見ていたり、昼夜逆転の生活をつづけていたりすると体内リズムが狂ってしまうでしょう。
毎日同じ時間にベッドに入るようにして、朝もできるだけ同じ時間に起きるようにしましょう。夜にパソコンやスマートフォンを使うことは控えて、体を休ませる時間を確保してください。

アルコールを控える

アルコールは睡眠の質を下げます。アルコールを摂取すると一時的に寝つきが良くなることがありますが、レム睡眠(体は休んでいるが脳は活動している状態)や中途覚醒(睡眠の途中で目が覚めてもう一度眠るのに時間がかかること)が増えることが報告されています。
なかなか眠れないからといって、寝酒で対処することは控えましょう

専門医に相談する

生活習慣や生活リズムを見直しても睡眠障害がつづいているようなら専門医への相談が必要です。睡眠障害によって十分に睡眠がとれていない状態がつづくと、勉強や仕事に集中できなかったり、交通事故など体に危険が及んだりすることもあるでしょう。
睡眠障害は適切に治療すれば症状の改善を期待できるため、一人で悩まずに専門医に相談してみてください。

睡眠障害には、不眠症や過眠症、睡眠時随伴症などがある

睡眠障害には、不眠症や過眠症、睡眠時随伴症などさまざまな病気、症状が見られます。睡眠障害の症状を抑えるためには、睡眠に関する正しい知識を身に付け、生活習慣や生活リズムを整えることが大切です。
睡眠障害がつづく場合には、専門医に相談して適切な治療を受けましょう。

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