引きこもりの社会復帰は難しい?準備の方法やおすすめの職種を紹介
引きこもりの社会復帰は、国をあげて解決すべき重要な課題です。
しかし、トラウマや精神疾患などによる対人コミュニケーションの不安から、本人が行動を起こせないケースもよくあります。
引きこもりから社会復帰を果たすには、自身の立ち位置を理解し、無理のないペースで準備を進めることが大切です。
この記事では、引きこもりの社会復帰が難しい理由や実情、無理のない再就職の準備の流れを解説します。
社会復帰の方法が分からず悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
目次
1.引きこもりの社会復帰が難しい理由2.実際の引きこもりの社会復帰率と継続期間
3.引きこもりになるきっかけ
4.引きこもりから社会復帰を目指すためのステップ
5.引きこもりからの社会復帰におすすめの職種
6.引きこもりでも段階を踏めば社会復帰できる
7.引きこもりでお悩みの方は赤羽すずらんへ
引きこもりの社会復帰が難しい理由
引きこもりから再び社会に出る際には、心理的な不安定さや生活リズムの乱れ、年齢的なハンデなど、さまざまな要因が重なります。
具体的には、下記の6つです。
● 社交不安に陥っている
● 昼夜逆転している
● 年齢が高い
● 自力ではどうしようもないことが起きた
● 引きこもり期間がコンプレックスになっている
● 精神疾患を患っている
本人の努力だけで乗り切るのは難しいケースも多いため、専門施設や周囲の支援が必要です。
それぞれ詳しく解説します。
社交不安に陥っている
引きこもりの方は、下記のような理由で社交不安に陥っている場合があります。
● 過剰な労働を続けた
● 劣悪な人間関係に身を置き続けた
● いじめや嫌がらせなど他者から強いストレスを受けた
このような環境状況を経験した方は、慢性的に疲労感や挫折感を抱えていることが多いです。
外部との交流を拒むこととなり、引きこもりが習慣化する傾向にあります。
社交不安に陥ると、復帰に欠かせない人間関係の構築が難しくなることも。
また、面接や採用担当との雑談などがうまくいかず、さらなる挫折を味わうこともあります。
外部との交流に抵抗感が増し、引きこもりが長期化することも珍しくありません。
負の連鎖に陥り、社会復帰に対して前向きな行動が取れなくなっていくのです。
昼夜逆転している
引きこもり生活が長引くと、予定どおりに動くことが少なくなります。
外出も人気の少ない時間帯を選びやすくなり、深夜の活動が増えるなど、生活リズムが乱れます。
そのため、昼夜逆転していることも少なくありません。
決まった時間に動けなくなり、社会復帰に欠かせない集団行動に悪影響を与えます。
長期的に昼夜逆転生活を続けると、体内時計が狂い、自律神経やホルモン分泌のバランスが乱れやすくなります。
また、うつ病になるリスクも高くなるため注意が必要です。
日中に寝ていることで日光を浴びられなくなり、セロトニンを脳が分泌しづらくなるためです。
セロトニンは幸せホルモンと呼ばれており、低下するとうつ病を発症しやすくなるといわれています。
うつ病を発症すると、慢性的に疲労感がある、集中力が欠如するなど、社会復帰のハードルがより高くなります。
年齢が高い
引きこもりに関係なく、再就職や転職は、年齢が上がるにつれて難しくなります。
とくに30歳を超えると、キャリアを重視して選考されるため、実績を残していなければ条件のよい就職先を探すのは難しいです。
そのため、引きこもり期間が長い、年齢が高くなってから引きこもりになったなどの場合、社会復帰のハードルが高くなります。
また、年齢が高いと当事者がコンプレックスを抱えやすくなることも要因です。
仕事をしないまま年齢が高くなったことに劣等感を抱き、再スタートを躊躇してしまうのです。
年齢が高い場合、応募できる求人は限られるため、自分の力だけで社会復帰するのは現実的ではありません。
支援団体などに相談し、周囲の力を借りながら進めていくことが大切です。
自力ではどうしようもないことが起きた
やむを得ない事情で、引きこもりになる方もいます。
持病による退職や会社の倒産、不景気による解雇などは、個人の力ではどうにもなりません。
自分ではどうしようもない事態で退職に追い込まれ、無気力になってしまうのです。
また、責任感の強い人は自分の無力さが原因だと思い込み、精神を病んでしまうこともあります。
収入がないため生活するのに精一杯で、通院費が捻出できないなどの理由で、負の連鎖に陥ることも多いです。
このような状況で引きこもりになってしまった場合、周囲のサポートが欠かせません。
当事者に責任がないことを徐々に理解させつつ、適切な支援制度を利用して社会復帰に向けて動くことが大切です。
引きこもり期間がコンプレックスになっている
長期間引きこもっていると、働いていない期間がコンプレックスとなり、社会復帰への挑戦を妨げることがあります。
履歴書に書くべき職歴や学歴、活動歴の空白をどう説明すればよいのか分からず、一歩が踏み出しづらくなります。
履歴書を見た採用担当者が自分のことをどう思うかなど、ネガティブな考えが頭をよぎり、応募が億劫になってしまうのです。
応募する前から挫折経験が積み重なり、社会復帰が遠のくケースも珍しくありません。
しかし面接では、必ず空白期間について質問されます。
そのためまずは自身の状況を受け入れ、質問に答える覚悟を持つことが大切です。
採用担当者が知りたいのは、働く意欲があるか、自社にどのようなメリットをもたらしてくれるかです。
引きこもり期間の自分を客観的に分析し、ポジティブな将来像を伝えられれば、採用に近づくでしょう。
精神疾患を患っている
うつ病や不安障害、パニック障害などの精神障害を患うと、集中力や判断力が低下しやすくなります。
常にイライラしていたり、勤怠が煩雑になったりと、社会生活に支障をきたすことも多いです。
しかし、周囲の理解が得られず退職を余儀なくされ、挫折感から引きこもりとなってしまうのです。
また、精神疾患を患うと物事をネガティブに捉えやすくなるため、自己肯定感が低下することもあります。
自分が社会に出ると周囲に迷惑をかけるという思い込みから、再就職のハードルが高くなります。
精神疾患を患っている場合、自力で完治に持っていくのは難しいです。
まずは状況を受け入れ、専門機関の受診やカウンセリングに通うなど、適切な処置が求められます。
実際の引きこもりの社会復帰率と継続期間
引きこもりが社会復帰を果たせる割合は、高くないと推測されます。
独立行政法人福祉医療機構が行った、引きこもり本人の就労意欲に関する調査では、下記のようなデータが出ています。
就労したい | 就労したくない | 内容次第 | 無回答 | |
20代以下 | 72.7% | 13.6% | 0.0% | 13.6% |
30代 | 78.6% | 14.3% | 2.4% | 4.8% |
40代 | 73.2% | 19.5% | 0.0% | 7.3% |
50代以上 | 70.6% | 23.5% | 0.0% | 5.9% |
参考:オンラインを活用した ひきこもり支援の在り方に関する 調査報告書 |独立行政法人福祉医療機構
いずれの世代も7割以上が就労の意思があると回答しています。
しかし上記はあくまで意思の話であり、実際に社会復帰をした割合ではありません。
そこで内閣府が行った引きこもりの継続期間に関する調査のデータも見てみましょう。
15歳~39歳 | 40歳~69歳 | ||
3ヶ月未満 | 17.8% | 3ヶ月未満 | 7.7% |
3~6ヶ月未満 | 9.7% | 3~6ヶ月未満 | 3.7% |
6ヶ月~1年未満 | 11.4% | 6ヶ月~1年未満 | 7.7% |
1~2年未満 | 14.5% | 1~2年未満 | 11.0% |
2~3年未満 | 15.1% | 2~3年未満 | 20.8% |
3~5年未満 | 12.9% | 3~5年未満 | 15.0% |
5~7年未満 | 5.4% | 5~7年未満 | 9.2% |
7~10年未満 | 3.8% | 7~10年未満 | 7.7% |
10~15年未満 | 4.6% | 10~15年未満 | 6.3% |
15~20年未満 | 2.3% | 15~20年未満 | 3.2% |
20~25年未満 | 1.0% | 20~25年未満 | 2.0% |
25~30年未満 | 0.4% | 25~30年未満 | 1.6% |
30年以上 | 0.1% | 30年以上 | 3.0% |
無回答 | 0.9% | 無回答 | 1.0% |
参考:こども・若者の意識と生活に関する調査(令和4年度)|内閣府
この調査では、15〜39歳の60.1%、40歳〜69歳の79.8%が1年以上引きこもっているという結果が出ています。
つまり、半数以上が社会復帰の意思を持ちながらも、1年以上引きこもっているということになります。
このデータから、引きこもりの社会復帰率が高くないことが分かるでしょう。
意思と行動が伴わない背景には、対人関係の恐怖や社会生活への不安があげられます。
また、年齢が上がるにつれて引きこもりの継続期間が伸びていることから、ブランクがある人材の受け入れ先が少ないと推測できます。
したがって、引きこもりの社会復帰率の向上は、当事者だけではなく社会全体の課題です。
適切な支援体制の構築や、受け入れ先企業の斡旋など、早急な対策が求められています。
引きこもりになるきっかけ
引きこもりになるきっかけは、人によってさまざまです。
厚生労働省が行った調査では、下記の要因があげられています。
● 不登校
● 職場に馴染めなかった
● 就職活動に失敗した
● 人間関係がうまくいかなかった
● 病気
● 受験に失敗した
● 妊娠した
● 大学に馴染めなかった
このデータから、人間関係が絡む環境が、引きこもりのきっかけになることが多いと分かります。
また学校・職場は、成績や成果で他人との差が可視化されるため、精神的なストレスを感じやすいです。
気の許せる友人がいない、努力が報われずに徒労感を覚えるなど、さまざまな要因が重なり他人との関わりが億劫になると考えられます。
ほかにも、妊娠や病気により外部と交流する機会が減った、受験や就職活動で挫折を味わったなど、環境以外の原因もあげられています。
きっかけは人によって異なるため、原因に合わせた適切な対策を打つことが大切です。
引きこもりから社会復帰を目指すためのステップ
引きこもりからの社会復帰は、段階的に始めることが大切です。
無理に進めると焦りや不安から失敗しやすくなり、かえって引きこもり期間が延びるおそれがあります。
そのため、下記の手順で無理なく社会復帰を目指しましょう。
1. 精神科や心療内科・メンタルクリニックを受診する
2. 生活習慣を見直す
3. 対人コミュニケーションの練習をする
4. 就職活動の準備をする
それぞれ詳しく解説します。
精神科や心療内科、メンタルクリニックを受診する
引きこもり状態にある場合、精神的に不調をきたしている可能性が高いです。
そのため、まずは精神科やメンタルクリニックなどの専門機関を受診し、自身の状態を確認することが大切です。
カウンセリングを受ければ、心の状態が整理され、自分を客観視しやすくなります。
改善方法を見つけやすくなるため、1日でも早い受診がおすすめです。
うつ病や不安障害などを患っている場合、自力で復調するのは現実的ではありません。
そのまま就職しても再発するおそれがあるため、医師の指導にしたがって復調を目指しましょう。
生活習慣を見直す
生活習慣を見直せば、精神的な安定を取り戻しやすくなります。
具体的には、下記の項目を見直しましょう。
● 食事
● 睡眠
● 運動
1つ1つ改善していけば、生活リズムが整う、思考がポジティブになるなど、社会復帰によい影響を得やすくなります。
それぞれ詳しく解説します。
食事
1日3回、規則正しく食事をとることで体内時計が整い、生活リズムが安定しやすくなります。
早起きして朝食をとれば、夜に自然と眠くなり、睡眠にもよい影響が期待できます。
また、栄養バランスを考えた献立を考えることも大切です。
野菜や発酵食品、乳製品など、身体によいものを食べることで、体調が整いやすくなります。
とくにインスタント食品やジャンクフード中心の食事をしている場合は、効果を実感しやすいでしょう。
睡眠
社会復帰後、大半の人は日中働くことになります。
そのため、昼夜逆転している方は睡眠管理を徹底し、規則正しい生活リズムを取り戻しましょう。
早寝早起きをするコツは、就寝時間より起床時間を意識することです。
早起きして日光を浴びれば、脳からセロトニンが分泌されやすくなり、夜に自然と眠くなります。
日中に簡単な運動を行い、軽い疲労を残すのもおすすめです。
また睡眠の質が悪いと感じている場合は、環境の整備も大切です。
眠りが浅いと、慢性的な体調不良や集中力の低下、イライラしやすくなるなど、社会復帰の妨げになる症状が表れるおそれがあります。
寝室に雑音が入らないようにする、遮光カーテンをつけるなど、快適に眠れる工夫をしましょう。
運動
引きこもり状態が続くと、運動不足による体力低下が起こりやすくなります。
そのまま社会復帰をすると、疲れやすい状態で業務をこなすことになるため、運動を習慣化して体力を戻しておきましょう。
いきなり無理をすると続かなくなるおそれがあるため、次のような簡単な運動から始めるのがおすすめです。
● ストレッチ
● ヨガ
● ウォーキング
● サイクリング
また、適度な運動には、体内時計の調整や睡眠の質によい影響を与えます。
軽い疲労を残すことで寝つきがよくなり、眠りも深くなるためです。
とくに朝に汗をかくことで、脳が興奮し1日の始まりを意識するといわれているため、早起きして運動する習慣をつけましょう。
対人コミュニケーションの練習をする
長期間引きこもっていると、対人スキルやコミュニケーション能力が低下しているおそれがあります。
そのため、就職活動を始める前にリハビリしておきましょう。
最初はSNSやチャットなど、オンライン上でのコミュニケーションでも問題ありません。
少しずつ慣れてきたら、家族、友人とステップアップしていくことが大切です。
しかし、普段から家族とはコミュニケーションが取れている場合、練習にならないおそれがあります。
そのため、以下を頼るのがおすすめです。
● 専門施設
● 当事者会
いずれも引きこもりに理解のある人が集まっているため、プレッシャーを感じずにリハビリを行えます。
それぞれ詳しく解説します。
専門の施設
専門施設とは、引きこもり支援を目的とした施設のことです。
具体的には、以下のようなところがあげられます。
● 精神科デイケア
● 自立訓練事業所(生活訓練事業所)
精神科デイケアは、精神科や心療内科が提供する、引きこもりの社会復帰や精神疾患の改善を支援するサービスのことです。
対人コミュニケーションの練習のみならず、生活リズムの改善や精神疾患の回復など、さまざまな目的でグループワークを行います。
有料ですが、精神科でのリハビリに該当するため、健康保険の適用が認められています。
サービスを提供しているのが病院やクリニックであるため、必要に応じてそのまま通院も可能です。
自立訓練事業所は、障害者総合支援法に定められた、精神科や心療内科への通院を前提とした指定障害福祉サービスです。
社会的自立を目的に、日常生活に必要な能力の維持と向上を目指して訓練を行います。
利用条件が定められていますが、精神疾患を患っており、心療内科などに通院している場合は、引きこもりも対象となる場合があります。
いずれの施設も茶会や料理、スポーツなど、楽しみながら他者とコミュニケーションが取れる仕組みを提供していることが多いです。
内容は施設やサービスごとに異なるため、下調べを行って自身に合いそうなところを探してみましょう。
当事者会
当事者会とは、引きこもり状態にある方だけが集まり、悩みや苦労を共有できるコミュニティのことです。
似たような経験をしている人も多く、共感を得やすいため、気持ちを打ち明けやすいです。
対等な立場で会話ができるため、負い目を感じることなく、気軽にコミュニケーションが取れます。
また、引きこもりから社会復帰を果たしたOB・OGの話を聞ける場合もあり、将来に役立つヒントが得ることが可能です。
当事者会には、地域ごとの団体や病院が管理する組織など、さまざまな形態があります。
それぞれ活動方針や内容、参加している人の傾向が異なるため、下調べを行い、自身に合う組織に属することが大切です。
活動の準備をする
精神・身体の調子がよくなってきたら、就職活動を始めましょう。
具体的には以下の流れで進めます。
1. 自己分析
2. 企業・業界分析
3. 書類作成
4. 面接対策
ただし、就職活動には引きこもり時とは異なるストレスがかかります。
パワハラ気味の面接官に当たる、連続で不採用の通知が届くなど、要因はさまざまです。
精神的に大きな負荷がかかることもあるため、不調を感じたら中断しても問題ありません。
無理に進めると、再び引きこもりの状態に戻ってしまう、就職後すぐに退職するなど、つらい思いをする可能性が上がります。
ブランクを埋めるには時間がかかることを理解し、焦らず進めていきましょう。
就職活動のステップを、それぞれ詳しく解説します。
自己分析
自己分析を行い、自身の立ち位置や強みを理解すれば、就職活動がスムーズに進みます。
これまでの経験や興味、関心、得意・苦手なことを明確化すれば、自分に合う職場環境や業務内容の見極めが可能です。
自分を客観視できるようになるため、冷静に応募先を選べるようになります。
また、やりたいこととできることの違いが明確になり、就職後のミスマッチも起こりにくくなります。
履歴書や職務経歴書の内容と、面接の発言に一貫性も持たせやすくなるため、採用の確率も上がるでしょう。
企業・業界分析
企業側は、自社の業界や職務内容に興味がある人材を求めています。
企業と業界の分析を徹底すれば、面接の際によい印象を与えることが可能です。
少し専門的な内容を質問されても、焦らず対処できるでしょう。
また、分析結果と自己分析の内容を照らし合わせれば、その企業が自身に合っているかも見極めやすくなります。
企業が求める人物像を深掘りし、自身とマッチする企業に応募すれば、採用の可能性が上がります。
企業・業界の分析は、時間のかかる作業ですが、スムーズな社会復帰を果たすために、根気強く取り組んでください。
書類作成
引きこもりからの社会復帰は、中途採用の扱いになることが大半です。
そのため、履歴書のほかに職務経歴書が必要になるケースがあります。
引きこもり期間が長い場合、書き方を工夫しないと書類選考で落とされるおそれがあります。
企業からすると、空白の期間がある人よりも、経験が豊富な人材が欲しいためです。
したがって、引きこもっている間に身に付けたスキルや考え方、改善するために行った取り組みなどをポジティブに伝える工夫が大切です。
挫折から這い上がる能力があると思わせられれば、採用の確率も上がります。
もし、書類選考を通過できない場合は、転職エージェントなどのプロに添削をお願いしましょう。
抵抗があるかもしれませんが、面接に漕ぎ着けるためには必要な努力です。
面接対策
対人コミュニケーションが必要な面接は、引きこもりの社会復帰における、1番のハードルといっても過言ではありません。
当日までに支援施設などで模擬面接を繰り返し、当日焦らず話せるように準備しておくことが大切です。
声の出し方や話し方、表情や姿勢など、細かく指導してもらい、社会復帰しても問題ないと面接官に思わせられる状態にしておきましょう。
また面接では、引きこもり期間についての質問を必ずされます。
その際萎縮したり、後ろめたさが相手に伝わったりすると、悪い印象を与えることになります。
事前に質問を想定し、ポジティブに返す練習をしておくことが重要です。
引きこもりからの社会復帰におすすめの職種
社会復帰を果たしても、引きこもり前と同じような環境に身を置くと、短期離職の可能性が高くなります。
そのため最初の就職先は、スキルを身に付けるハードルが比較的低く、人との密な関わりが少ない職種を選ぶのがおすすめです。
以下では、引きこもりからの社会復帰に向いている、5つの職種を紹介します。
● 工場勤務
● 清掃員
● 警備員
● データ入力
● Webライター
工場勤務
工場勤務は、製造ラインでの組み立て作業や検品、梱包など、業務内容が比較的単純なことが多いです。
人と密接なコミュニケーションを求められる場面が少なく、同じ作業を繰り返すことで集中力も磨けます。
また、未経験者歓迎や短期契約の求人も多く、社会経験を積むステップとしても適しています。
1つのことに集中して取り組むのが好きな人や、他人との関わりを極力避けたい人におすすめです。
清掃員
清掃員は、オフィスビルや商業施設などで清潔な環境を維持するための作業を担当します。
基本的に作業範囲が割り当てられ、決められたエリアを黙々と掃除するため、人との直接的なやり取りが比較的少ないです。
ノルマはあるものの、マイペースに仕事がしやすく、担当範囲がきれいになると達成感も得られます。
作業ごとに異なる現場に赴くため、不特定多数の人と挨拶を交わす練習にもなります。
警備員
警備員は、施設の巡回や防犯カメラの確認を通じて、安全管理を行う仕事です。
複数人で警備にあたることもありますが、決まったメンバーなので仲良くなりやすいです。
また問題が起こらなければ、必要以上の対人コミュニケーションが発生することもありません。
業務には明確なマニュアルやルールが設けられていることが多く、社会人に欠かせない、規則を守る習慣も身に付けられます。
データ入力
データ入力は、パソコンを使って情報の入力や整理をする仕事です。
人と会話する必要があまりなく、在宅勤務や短時間勤務が可能な場合もあるため、対人コミュニケーションに抵抗がある方でも始めやすいです。
またエクセルや会計ソフトなどのツールを使うことが多く、事務職として必要なスキルも身に付けられます。
Webライター
Webライターは、Webメディアに掲載する記事を作成する職業です。
書籍やWeb上の情報を集めて記事を作成するため、基本的に取材などのコミュニケーションが発生しません。
在宅勤務もしやすく、チームや取引先とのやりとりもチャットで簡潔する場合が多いです。
ライティングのスキルが上がれば、将来的に職業選択の幅を広げることもできます。
引きこもりでも段階を踏めば社会復帰できる
引きこもりになった方は、対人関係の恐怖や自身へのコンプレックスから、社会復帰が難しいとされています。
実際に社会復帰を望みながらも、行動に移せない方は多くいます。
しかし、段階を踏んで精神や身体の調子を整え、適切な準備をすれば引きこもりからの再就職は難しくありません。
専門機関でカウンセリングを受ける、自己分析を行うなどの方法で自分を客観視し、適切な対策を取りましょう。
この記事を参考に、社会復帰を目指してください。
引きこもりでお悩みの方は赤羽すずらんへ
引きこもりから社会復帰を果たすには、周囲に力を借りることが大切です。
1人で抱え込んだままでいると、症状が悪化するおそれもあるため、早めの受診がおすすめです。
当院では、話しやすい女性医師が親身に寄り添いながら、心の健康を取り戻すお手伝いをさせていただきます。
患者さまのおかれた状況や悩みに合わせて、適切な治療をご提案いたします。
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監修者