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うつ病の再発を防止するために有効な方法

[2023.09.04]

うつ病の再発率は60%を超えるといわれています。                                                                               また、再発を何回か繰り返すたびに再発率の確率が上がってしまいます。                                                                 「うつ病は一生治らないのだろうか?」と不安を感じている方もいるでしょう。                                                                                                 そこで本記事では、うつ病の再発する原因や再発を防止するための方法、そしてうつ病が再発してしまった場合の対処法を解説します。

目次

1.うつ病は再発の可能性が高い
2.うつ病の再発防止策の重要性
3.うつ病が再発する原因
4.うつ病の再発防止策
5.うつ病再発の兆候
6.うつ病が再発してしまったら
7.うつ病の再発防止には主治医との連携が大切

うつ病は再発の可能性が高い

うつ病は再発する可能性が高く、再発率は約60%とされています。

さらに、再発を繰り返すたびに再発率が上昇し、2回目は約70%、3回目は約90%まで確率が高まることが確認されています。

うつ病の再発防止策の重要性

うつ病の治療において重要なのは、単に症状を改善するだけでなく、「再発を予防するためにどのような治療が必要か」を考えることです。                                       

つまり、うつ病の症状が改善されるだけではなく、将来の再発を防ぐための治療が必要だということを、主治医と患者さん本人が認識することが大切です。 

 

こちらの記事では、うつ病が再発するきっかけについて詳しく解説してます。ぜひあわせてご覧ください。                                                                                                再発防止のために知っておきたい!うつ病が再発するきっかけとは

うつ病が再発する原因

うつ病の再発には、以下のような4つの原因があります。

    • 通院の中断
    • 周囲の無理解
    • 環境の変化
    • 身体的な疾患

それでは、それぞれの原因について確認していきましょう。

通院の中断

うつ病の治療には、急性期、回復期、そして維持期の3つの段階があります。

特に維持期は、患者がうつ病の症状から回復していると感じるため、医師の治療効果を感じられなくなることが少なくありません。

しかし、このような時期に「もう大丈夫だろう」と自己判断で通院や服薬をやめることは大変危険です。                                                    医師の許可なく治療を中断すると、再発のリスクが高まります。

そのため、自己判断で治療を中止しないことが非常に重要となります。

 

関連記事:心療内科へ行きたくないときの対処法!日常生活でできること

 

周囲の無理解

多くの方は薬を飲むことに抵抗感を持ち、症状が落ち着いているのに治療を続ける必要性があるのだろうかと感じてしまうケースも珍しくありません。                                     うつ病の治療に対して本人が納得しない場合、治療を継続することが難しくなることもあります。                                                        

特に、環境や人間関係がストレスの原因である場合、これらのストレスを避けることが重要となるため、家族や職場のサポートが必要となります。                                 本人だけでなく周囲もうつ病の性質や治療の重要性を理解し、適切なサポートを共に行うことが大切です。

環境の変化

進級や進学、就職などの生活環境の変化は、心理的に大きな負担を与えることがあります。                                                            たとえ喜ばしいことであっても、昇給や結婚などは人によってはストレスを感じる場合もあり、うつ病の再発を引き起こすきっかけとなります。  

ストレスを最小限に抑える生活を心掛けることは重要ですが、環境の変化がある場合は、主治医はもちろん周囲の人々からのサポートを受けながら乗り越えることが大切です。                          自分ひとりで抱え込まずに、周囲の理解と助けを得ながら新たな局面を乗り越えましょう。

ストレスの発散における解消法について

身体的な疾患

生活習慣病や身体的な疾患(糖尿病、高血圧、てんかん、認知症など)は、うつ病のリスクを増加させることが確認されています。                                              さらに、肥満以外にもビタミン・ミネラルなどの栄養不足もうつ病の症状を引き起こす可能性もあります。

また、うつ病を発症した患者の多くが不眠に悩まされており、不眠が持続すると症状が悪化します。                                                           うつ病の予防には、適切な睡眠時間とバランスの取れた食事を摂取するなど、規則正しい生活習慣を実践することが重要です。

 

こちらの記事では、正しい睡眠のとり方について詳しく解説しています。あわせてぜひご覧ください。
正しい睡眠のとり方とは?眠りの質を高めて疲れをリセット

うつ病の再発防止策

うつ病の再発を防ぐには、主に以下のような6つの方法があります。

  1. うつ病の知識を深める
  2. ストレス対策をする
  3. 生活習慣を見直す
  4. 認知行動療法を行う
  5. 主治医の指示に従う
  6. カウンセリングを行う

それぞれの再発防止の方法について確認していきましょう。

うつ病の知識を深める

うつ病の再発を防ぐためには、うつ病の原因や症状、治療方法について理解を深めるのが重要です。                                                        原因を理解することで、その原因と距離を取ることができるようになります。

また、症状を知ることで、前兆が現れた際に早めに対処できるようになるでしょう。

ストレス対策をする

うつ病は、しっかり者やがんばり屋な人が発症しやすいといわれています。                                                                    こうした方々は自分自身のストレスに気づきにくく、知らないうちにストレスが蓄積されることも少なくありません。

しかし社会で生きていく以上、ストレスを完全に回避することは不可欠です。                                                                    そのため、自分にとってのストレスを理解し、「今日はストレスを感じたから解消する」という意識を持つことが重要となります。                                          また、適切なストレス発散方法を知ることも大切です。

生活習慣を見直す

生活習慣の改善(規則正しい生活、栄養バランスの取れた食事、適度な運動)は、うつ病の再発予防に非常に有効です。                                                  規則正しい生活を送ると自律神経が整いやすくなります。                                                                           

自律神経が乱れると、うつ病に似た症状を引き起こすこともあります。                                                                    そのためうつ病を防ぐためには、生活を整えて自律神経のバランスを正常に保つことが大切です。

認知行動療法を行う

認知行動療法は、うつ病の再発防止に有効な方法です。                                                                             認知行動療法は、自分自身の認知の歪みに気づき、意識的に思考を切り替える方法です。

認知の歪みとは、物事に対する自分の思考回路のクセを指します。                                                                       うつ病の方は、物事をネガティブに捉える傾向があります。                                                                          例えば、上司から軽い注意を受けただけでも、「私はダメな人間だ」と否定的に考えがちです。

自分の認知が歪んでいることを理解した上で、物事をポジティブに捉えるように意識します。                                                             例えば、上司の注意を受けた場合、「上司は私のためを思って注意してくれた」と考えるようにすることで、希望やモチベーションが湧きやすくなります。

認知行動療法は、ストレスに強い思考回路と立ち回り方を身につけるための方法です。ストレスへの対処法を習得することで、うつ病の再発リスクを低減させることが期待できます。

主治医の指示に従う

うつ病の治療中、自己判断で通院や服薬は止めないでください。                                                                        症状が軽くなったとはいえ、うつ病が治ったわけではありません。

うつ病を完治するには、主治医の指示に必ず従ってください。

カウンセリングを行う

ただ話すだけでもストレスが軽減されることがありますし、誰かの話を聞くことで気づきが得られることもあるでしょう。

しかし、自分のモヤモヤは身近な人に話しにくい場合もありますよね。                                                                    家族や友人に気軽に話せないときは、カウンセリングなどを利用するのもひとつの手段です。                                                           カウンセリングや第三者機関の相談窓口を活用することで、気分転換やストレス解消になることもあります。

うつ病再発の兆候

うつ病の再発には、一般的に以下のようなサインが現れます。

  • 寝付きが悪く眠れなくなる
  • 感情が不安定になる
  • 意欲がわかず無気力になる
  • 食欲がコントロールできない

なお、以前のうつ病時の症状とは異なる症状でサインが現れるかもしれません。今から紹介する再発の兆候を理解して、見落とさないようにしましょう。

寝付きが悪く眠れなくなる

考えごとや心配ごとがあると、誰でも眠りが浅くなることがありますが、眠りの変化はうつ病再発のサインとして特に注目すべきサインです。                                    なお、以下の4つの症状がうつ病再発の兆候として現れることがあります。

  • 入眠障害:布団に入ってもなかなか眠れない
  • 中途覚醒:睡眠中何度も目が覚める
  • 早朝覚醒:早朝に目が覚めてその後眠れない
  • 熟睡障害:睡眠時間は取れているのに熟睡できない

このような状態が数日以上続く場合は、うつ病の兆候である可能性があります。                                                                改善が見られない場合は、精神科や心療内科に相談することを検討しましょう。

感情が不安定になる

感情が不安定になりやすい状況では、些細なことでイライラしたり、小さなことに涙が出たり、理由もなく不安になることがあります。

また、うつ症状に気づかないまま日々を過ごしていると、悲しい出来事があるわけでもないのに、涙があふれて止まらないといったケースもあります。                                                       感情は体調不良のバロメーターとして機能することもあります。                                                                         自分を責めずに客観的に状況を見つめ、何かおかしいと感じたら対処を心掛けましょう。

自己理解と適切なケアが大切です。

意欲がわかず無気力になる

趣味を楽しめない、欲しいものを買いに行くための移動も行きたくないなど、これまで楽しめていたことが楽しくない状態は、心の疲労が体の疲労よりも深刻であるケースがあります。  

一時的に「今日は楽しくない」と感じることは問題ありませんが、「毎日楽しめない」という状態は、うつ病の兆候である可能性もあるため注意しましょう。

食欲がコントロールできない

食欲は人が生きていく上で欠かせない3大欲求のひとつであり、その食欲に変化が現れるときは、心は披露している可能性が高いといえます。

食欲が減退してしまう場合もあれば、逆に強すぎる場合もあるため注意が必要です。

また食事が楽しくなくなったり、食べても味を感じなかったり、満腹感が得られないといった状態は正常ではありません。

うつ病の発症を防ぐためにも早めのケアと休息を取ることが重要です。

うつ病が再発してしまったら

うつ病が再発した場合は、治療を受けるため医療機関を受診してください。                                                                     再発の場合は、以前通院していた医療機関や主治医に相談するのがおすすめです。

同じ主治医であれば、以前の症状も把握しているため、的確な治療を受けやすくなります。

うつ病の再発防止には主治医との連携が大切

今回は、うつ病の再発する原因や再発を防止するための方法、そしてうつ病が再発してしまった場合の対処法を紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。

うつ病は再発が多い病気です。再発を繰り返すと慢性化しやすくなります。

再発を防ぐためには、心穏やかに過ごせる工夫と、なにより医師との連携が大切です。 不安なことがあったら、相談するよう心がけてください。

うつ病でお悩みの方は赤羽すずらんメンタルクリニック

監修者

土屋 恵理子
赤羽すずらんメンタルクリニック 院長

<資格>
精神保健指定医
精神科専門医・指導医
認知症サポート医
日本医師会認定産業医
コンサータ・ビバンセ登録医師

<経歴>
帝京大学医学部付属溝口病院精神科
医療法人社団 ハートフル川崎病院
介護老人保健施設 慈宏の里
東京都や千葉県内のクリニック、東海渡井クリニックにて
精神科訪問診療、光トポグラフィー・TMS治療に従事
赤羽すずらんメンタルクリニック開設

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