認知症の原因とは?
「そもそも認知症とは?主な原因疾患は?」
「もしかして認知症?初期症状チェックをしたい」
「認知症のリハビリ方法は?」
高齢化の進展とともに、患者数も増加している認知症。「日本における認知症の高齢者人口の将来推計に関する研究」をもとに推計されたデータによると、日本では将来的に、65歳以上の高齢者のうち、5.4人に1人が認知症になるといわれています。
本記事では、認知症に関する冒頭の疑問について、詳しく解説していきます。
目次
1.認知症とは?主な原因疾患1-1.アルツハイマー型認知症
1-2.血管性認知症
1-3.レビー小体型認知症
1-4.前頭側頭型認知症
2.もしかして認知症?と思ったら
2-1.早期発見のための初期症状チェック
2-2.認知症が疑われた場合の対処法
3.リハビリ方法
3-1.認知症の進行を遅らせるリハビリ
3-2.家事をしながらできるリハビリ方法
4.認知症の原因になる疾患は主に4つ
認知症とは?主な原因疾患
認知症は、さまざまな原因によって記憶や思考などの認知機能が低下して、日常生活や社会生活に支障をきたすことをいいます。
一般的に、認知症の進行は記憶や見当識(日時や場所など自分の置かれている状況を正しく認識する能力)に代表される認知機能の低下に始まり、行動・心理症状(BPSD)や日常生活動作(ADL)の低下を随伴します。
そして、その認知症の原因となる疾患が以下の4つです。
- アルツハイマー型認知症
- 血管性認知症
- レビー小体型認知症
- 前頭側頭型認知症
それぞれの症状や特徴について詳しく解説していきます。
アルツハイマー型認知症
アルツハイマー型認知症は、もっとも報告例の多い変性性認知症です。
老人斑(加齢に伴って脳に発現する蛋白質の沈着)と神経原線維変化(脳の神経細胞における病理所見の一種)が特徴です。
初発症状は記憶障害で、その後、視空間認知障害、言語障害、遂行機能障害など、多彩な症状を呈するようになります。
原因 | 症状 | 特徴 |
加齢による脳の神経細胞の変性脱落。 詳細は不明。 |
|
|
血管性認知症
血管性認知症は、脳血管障害による認知症です。
主に脳梗塞由来のものと脳出血由来のものに大別されます。
脳梗塞や脳出血などにより脳の神経細胞が変性脱落していくと、変性性認知症が発現します。
代表的な疾患としては、先述のアルツハイマー型認知症や、後述のレビー小体型認知症、前頭側頭型認知症が挙げられます。
これらの疾患で、神経細胞死がどのようにして起こるのかは、いまだ明らかになっていません。
原因 | 症状 | 特徴 |
脳梗塞や脳出血などの脳血管障害。 |
|
急性発症かつ非進行性。 |
レビー小体型認知症
レビー小体型認知症は、アルツハイマー病に次いで多い変性性認知症です。
繰り返し出現する幻視、認知機能の変動、パーキンソニズムの3徴が特徴的な症状で、これらが認知症に先行することもあります。
また、原因の詳細は不明ですが、大脳皮質という脳部位の神経細胞内に、レビー小体という封入体がびまん性に出現することによって引き起こされると考えられています。
原因 | 症状 | 特徴 |
詳細は不明。 大脳皮質の神経細胞内に、レビー小体なる封入体がびまん性に出現することか。 |
主症状は以下の3つ。
くわえて、幻視出現の一因と考えられる以下の2つも見られる。
|
診断には、以下2つが役立つ。
|
前頭側頭型認知症
前頭側頭型認知症とは、前頭葉と側頭葉に萎縮中心を有する変性疾患の総称です。
病理学的には均一の疾患ではなく多様な疾患とされています。
前頭側頭型認知症は、主に「bvFTD」と「PTD」に2分されます。
詳細は次の通りです。
- behavioural-variant FTD(bvFTD):脱抑制行動、アパシー、共感の欠如などの社会機能低下や人格変化が目立つ。
- PTD:言語機能障害が目立つ。さらに意味認知症(SD)と非流暢性進行性失語症(PNFA)に2分される。
詳細は不明ですが、前頭葉と側頭葉の萎縮によって引き起こされると考えられています。
原因 | 症状 | 特徴 |
詳細は不明。 前頭葉と側頭葉の萎縮か。 |
bvFTDの症状は以下の通り。
PTDの症状は以下の通り。
|
病理学的には均一の疾患ではなく、多様な疾患とされる。 |
もしかして認知症?と思ったら
認知症は早期発見が大切です。
そこでここからは、もしかして認知症?と思った方のために、以下の2つの項目を用意しました。
- 早期発見のための初期症状チェック
- 認知症が疑われた場合の対処法
それぞれ順に確認し、当てはまるようならメンタルクリニックへの相談を検討してください。
早期発見のための初期症状チェック
認知症の初期症状には、記憶力の低下、日常業務の遂行困難、方向感覚の喪失、言葉の見つけにくさがあります。
これらのサインに早期に気づくことが大切です。
認知症が疑われた場合の対処法
認知症が疑われる場合は、速やかに医療機関を受診して専門的な診断を受けることが大切です。
早期の適切な介入が進行の遅延につながります。
リハビリ方法
ここからは、具体的なリハビリ方法を紹介します。
ここでは、以下の2種類に分けて解説していきます。
- 認知症の進行を遅らせるリハビリ
- 家事をしながらできるリハビリ方法
それぞれ見ていきましょう。
認知症の進行を遅らせるリハビリ
認知症の進行を遅らせるリハビリでは、記憶力や判断力などの認知機能トレーニングが重要です。
個々のニーズに合わせた運動や日常生活動作の維持、向上を図ることで、自立支援を目指します。
こちらの記事では、認知症が進行する原因についてくわしく解説しています。あわせてぜひご覧ください。
認知症が一気に進行する原因とは?
家事をしながらできるリハビリ方法
家事をしながらできるリハビリ方法も存在します。
といっても、その方法は「炊事」と「掃除」という非常にシンプルなものです。
具体的には、それぞれ以下のような部分に意識を向けてみてください。
炊事
- 献立決め:栄養や賞味期限や旬などを考えた献立決定
- 買い出し:食材選び・店員とのコミュニケーション・支払い・持ち帰り
- 調理準備:調理器具の使用・食材の加工・安全配慮
- 調理:食材加工・味つけ・調理器具の使用・安全配慮
- 盛りつけ:料理やTPOに応じた食器の準備・見栄えの良い盛りつけ・人数を踏まえた料理の配分
- 配膳・運搬:食卓への運搬・箸の配置
- 後片付け:使用済みの食器の運搬・洗浄・乾燥・食器棚への収納・台所の清掃
掃除
- 掃く
- 拭く
- 磨く
- 洗う
- 流す
- 絞る
- 片づける
認知症の原因になる疾患は主に4つ
認知症は、アルツハイマー型認知症がもっとも一般的で、脳の神経細胞が変性脱落が原因と考えられています。
ほかにも、血管性認知症や、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症などが原因疾患として挙げられます。
赤羽で心療内科をお探しの方は赤羽すずらんメンタルクリニックへぜひご相談ください。