カウンセリングの料金はいくら?施設ごとの目安と料金が高い理由
「カウンセリングの料金はいくらか」「料金が高いと聞いたが本当か」と疑問を抱く方もいるのではないでしょうか。
継続利用が前提となるため、不安を感じている方は多いでしょう。
まず結論を述べると、1回あたり10,000円程度かかることもあります。
具体的な金額は施設やサービスで異なりますが、安価で利用できるとはいえません。
ここでは、施設・サービスごとに料金の目安を紹介するとともに、高い料金がかかる理由を解説しています。
カウンセリングの料金を把握したうえで利用したい方にとって、参考になる内容です。
目次
1.カウンセリングの種類と料金の目安2.カウンセリングの料金が高い理由
3.カウンセリングで見込める効果
4.心理カウンセリングを受けるときのコツ
5.料金の目安を把握してからカウンセリングを受けましょう
カウンセリングの種類と料金の目安
カウンセリングを受けられる主な施設・サービスは以下のとおりです。
【主な施設・サービス】
- 医療機関
- 民間施設
- オンライン
- 企業・学校
- 公的機関
料金の目安は、無料~15,000円です。
ここでは、各施設・サービスにおける料金の目安を紹介します。
医療機関のカウンセリング
一部の精神科や心療内科などが実施しています。
料金の目安は、1回(50~60分)あたり6,000~10,000円程度です。
診療科目(精神科、心療内科などによる違い)による料金の違いはありません。
医療機関を受診する際に気になるのが保険適用の可否です。
一部のケースを除き、保険は適用されません。
したがって、料金は原則として全額自己負担です。
毎回、6,000~10,000円程度の費用がかかります。
ただし、医師が行う認知療法、認知行動療法など、一定の条件を満たす場合は保険適用になる可能性があります。
詳しくは診察時に確認するとよいでしょう。
民間施設のカウンセリング
公認心理士や臨床心理士などが開業している民間の施設です。
料金は、施設の立地、カウンセラーの資格、経歴、考え方などで異なります。
1回あたり目安は、5,000~15,000円程度、一般的には8,000~10,000円程度の価格帯が中心です。
初回の料金を無料にしている施設、継続割引を適用している施設などもあります。
利用する前に、各施設の料金設定を確認することが大切です。
また、民間施設の中には、無資格または十分な教育、訓練を受けずに開業しているところもあります。
このような施設は、公認心理士や臨床心理士が開業している施設よりも割安な料金設定になっていることが多いようです。
ただし、信頼性が担保されているとはいえません。
カウンセラーの保有資格や経歴を事前に確認したうえで利用することが大切です。
オンラインカウンセリング
Web会議ツールなどを利用して対話する民間のサービスです。
場所を問わず利用できる、対面しなくてよいなどのメリットがあります。
料金の相場は、1回あたり5,000~10,000円程度です。
具体的な料金はサービスで異なりますが、平均すると民間施設よりやや割安と考えられています。
専用の部屋を用意する必要がないためです。
魅力的に見える一方で、注意すべき点も存在します。
カウンセリングルームは、治療を目的に設計されています。
したがって、自宅などで受けると期待しているほどの効果を得られない恐れがあります。
また、非言語的な情報が伝わりにくくなる点にも注意が必要です。
基本的には、可能であればカウンセリングルームを訪れるほうがよいと考えられています。
企業・学校内のカウンセリング
一部の企業も、従業員を対象にカウンセリングを実施しています。
具体的な方法は企業で異なりますが、社内のカウンセリングルームを利用するケースや外部のサービスを利用するケースなどがあります。
福利厚生の一環として提供されている場合は、無料で利用できることが多いでしょう。
臨床心理士養成校として認められた大学院も、相談室などを用意しています。
ここでは、学外の方もカウンセリングを受けることができます。
料金の目安は、2,000~5,000円程度です。
ただし、有資格者の指導のもと、大学院生が相談を受けることが一般的です。
つまり、大学院の相談室などは、教育機関としての役割も担っています。
料金は割安ですが、他の施設・サービスと同等の専門性が保証されているとは限りません。
詳細を確認してから利用することが大切です。
公的機関によるカウンセリング
公共機関でもカウンセリングを受けられます。
具体例として、以下の施設があげられます。
【施設の例】
- 保健所
- 保健センター
- 精神保健福祉センター
- 教育センター
- こころの健康相談
それぞれの役割は異なるため、さまざまな悩みを相談できます。
どの施設を利用しても料金はかかりません。
ただし、各施設は基本的に適切な機関へつなぐことを目的としています。
したがって、問題が解決するまで、継続的に相談を続けられるわけではありません。
また、相談できる日時が限定されていることもあります。
やや不便に感じるケースもあるため、利用する前に、メリットとデメリットを理解しておくことが大切です。
カウンセリングの料金が高い理由
料金の目安を知って、高いと感じた方は多いでしょう。
弁護士費用の相場(30分5,500円程度)と大きく変わらないといえます。
なぜ、このような料金設定になっているのでしょうか。
専門家が対応しているため
カウンセリングに必須の資格はありませんが、信頼性の高い施設などでは臨床心理士または公認心理士が対応しています。
適切な援助に、専門的な知識や技能が欠かせないためです。
参考に、それぞれの資格について解説します。
|
資格の種類 |
概要 |
|
臨床心理士 |
臨床心理学に関する知識、技術を用いて心の問題にアプローチする民間の資格 |
|
公認心理士 |
心理学に関する専門の知識、技術を用いて心の健康を支える国家資格 |
出典:日本臨床心理士資格認定協会「臨床心理士とは」
出典:厚生労働省「公認心理士とは」
いずれの資格も、資格試験に合格する必要があります。
また、それぞれに厳しい受験資格が設けられています。
たとえば、臨床心理士は資格試験を受験するため、原則として指定大学院や専門職大学院を修了しなければなりません。
高度な専門知識や技能を習得していることから、料金が高めに設定される傾向があります。
保険が適用されないケースがあるため
先ほど説明したとおり、医療機関を受診してもカウンセリングに保険が適用されることは稀です。
公認心理士によるカウンセリング(小児特定疾患カウンセリング料)に保険が適用されるなど、状況は少しずつ変わりつつありますが、それでも保険が適用されるケースは少ないといえるでしょう。
かかった料金を全額自己負担しなければならないため、金銭的な負担感が重くなるのです。
たとえば、料金が同じ10,000円であっても、保険を適用できれば自己負担額は3,000円になります(3割負担の場合)。
保険の適用可否は、金銭的な負担感に大きな影響を与えます。
出典:(pdf)厚生労働省「令和6年度診療報酬改定の概要【重点分野Ⅰ(救急医療、小児・周産期医療、がん医療)】」
対応できる人数に限りがあるため
1日に対応できる人数も、料金の設定に深く関わっています。
比較対象になりやすい精神科の医師は、1日で30~40人程度の患者を診察すると考えられています。
これに対して、カウンセラーは1日に多くても8人程度しか対応できません。
1回あたり50~60分程度かかるうえ、基本的に1対1で対応するためです。
もちろん、カウンセラーの体力も考えなければなりません。
実際に、毎日8人ずつ対応することは難しいでしょう。
対応できる人数に限りがあるため、1人あたりの料金が高く設定されています。
場所代・人件費が料金に含まれるため
料金の構造も注意したいポイントです。
請求される金額には、施設の賃料や施設で働くスタッフの人件費などが含まれています。
したがって、都市部の施設は、割高になる傾向があります。
料金を安くするため賃料の安い物件を選べばよいのですが、どの施設も基本的に建物や立地にこだわっています。
騒音がうるさいと話を遮られたり、外から中が見えると安心できなかったりするためです。
多くの施設は、周囲の様子が気にならないように配慮しています。
この点も、料金が高くなる要因の一つとされています。
カウンセリングで見込める効果
ここからは、カウンセリングに期待できる主な効果を紹介します。
心が軽くなる
実感しやすい効果として、心が軽くなることがあげられます。
カウンセリングでは、自分の気持ち、自分が置かれている状況をカウンセラーに話します。
途中で話を遮られたり、否定されたりすることは原則としてありません。
カウンセラーは、相槌をうったり、話しをまとめたりしながら耳を傾けてくれます。
その結果、クライアントは「自分のことをわかってもらえた」「話したいことを全部話せた」と感じやすくなります。
悩みや状況を整理できる
対話を通して、自分の気持ちや自分が置かれている状況を整理できます。
カウンセラーが、次の援助などを行うためです。
【援助の例】
- まとまりのない話を要約する
- ばらばらだった話に起承転結をつける
- 気づきを促す質問を投げかける
たとえば、話を受け止めて要約してもらうことで、自分が感じていたことが明確になるといった変化が見られることがあります。
複雑な事情が絡んでいると、一人で気持ちや状況を整理することは困難です。
カウンセラーの援助が、問題解決のきっかけになることがあります。
自身の考え方を客観的に見ることができる
対話を通して、自分の考え方の癖にも気づけます。
援助を受けながら、自分のことを客観視できるようになるためです。
たとえば、困難に遭遇すると、いつも同じように考えて、いつも同じように悩んでしまうなどと気づけることがあります。
カウンセリングで考え方の癖に気づくと、やがて行動が変わります。
同じパターンに陥っていることがわかるうえ、カウンセラーから助言を受けられるためです。
これらを通して、自分の気持ちや行動との向き合い方を学ぶことができます。
この点もカウンセリングに期待できる効果といえるでしょう。
関連記事:カウンセリングが必要な人とは|期待できる効果と必要性が高まる場面
心理カウンセリングを受けるときのコツ
続いて、カウンセリングを受けるときに意識したいポイントを解説します。
自身のペースで受ける
通常は、効果を実感するまで一定の時間がかかります。
カウンセラーと信頼関係を構築しなければ、自分の気持ちや状況を正直に話すことは難しいためです。
また、対話を通して気づきを得たり、気づきを変化につなげたりすることにも時間がかかります。
期待どおりの結果をすぐに得られなくても、焦らずに自分のペースでカウンセリングを受け続けることが大切です。なお、具体的な頻度はカウンセラーと相談する必要があります。
焦りが募るときは、そのことを素直に話してみるとよいかもしれません。
話したいことを自由に話す
話を聴いてほしいものの「何を話せばよいかわからない」などと悩む方は少なくありません。
カウンセリングでは、うまく話すよりも自分の気持ちをありのまま表現することが大切です。
考えがまとまらないときは、そのことを表現しましょう。
「こんなことを話すと否定されるのでは」と心配する必要はありません。
カウンセラーが、話す内容を評価したり、否定したりすることはないからです。
気持ちを言葉にできない場合は、しばらく黙っていてもよいでしょう。
自分の気持ちを確認したり、言語化したりする時間も大切です。
必要に応じて、カウンセラーが何かしらの働きかけを行ってくれます。
関連記事:カウンセリングで何をする?概要・全体の流れと期待できる効果
余裕があればカウンセリングの前後に振り返りを実施する
時間や気持ちに余裕がある方は、カウンセリングの前後に振り返りを行うとよいかもしれません。
次のメリットなどを期待できます。
【期待できるメリット】
- これまでの経緯を確かめられる
- 気づいたことを再確認できる
- 次回までにやりたいことを整理できる
ノートなどにまとめると、考えや気持ちを整理しやすくなります。
カウンセリングを効果的に進めるためのコツです。
ただし、必ず行わなければならないものではありません。
心身に余裕がある場合は、取り入れてみるのもよいでしょう。
無理はしないようにすることが大切です。
料金の目安を把握してからカウンセリングを受けましょう
ここでは、カウンセリングの料金について解説しました。
具体的な金額はケースで異なりますが、料金の目安は1回あたり5,000~15,000円といえるでしょう。
継続的な利用を前提とするため、金銭的な負担を理解してから利用することが大切です。
赤羽駅近くでカウンセリングを受けたい方は、赤羽駅から1分の場所に位置する赤羽すずらんメンタルクリニックにご相談ください。
通いやすさと話やすさにこだわりつつ、患者様の背景や症状にあわせたオーダーメイドの治療をご提案しています。
うつ病で薬を使いたくない方は、 TMS治療(磁気治療)を検討してみるとよいでしょう。
赤羽で心療内科をお探しの方はコチラをご覧ください。
