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カウンセリングが必要な人とは|期待できる効果と必要性が高まる場面

[2025.07.30]

「気分が優れないからカウンセリングを受けたほうがよいかも」
「専門家に話を聴いてもらいたいけれど不安」などと感じたことはありませんか。

興味はあるものの、ハードルが高いと感じている方は多いでしょう。

ここでは、カウンセリングが必要な人の特徴、必要性が高まる場面、期待できる効果について解説します。

以下の情報を参考にすれば、自分にとっての必要性を理解できるはずです。
何かしらの辛さや苦しさを感じている方は参考にしてください。

 

カウンセリングとは?

カウンセリング(counseling)は、相談や助言などを意味する英単語です。

ただし、メンタルヘルス領域では、専門家が心の悩みを聞いて、専門知識を活かしながら援助・指導する治療を指します。

ここでいう専門家は、医師、公認心理士、臨床心理士などです。

なお、厚生労働省では、カウンセリングを以下のように定義しています。

主に心理の専門家がクライエントや患者の話を傾聴したり受容したりしながら、クライエントや患者の心情や状況の理解に努めることによって、主体的に問題の解決を行っていけるようにサポートすることを指します。

引用:厚生労働省「カウンセリング/心理療法(かうんせりんぐ/しんりりょうほう)

以上の定義を見てわかるとおり、カウンセリングの主役は原則としてクライエントです。

面談では、専門家がじっくりと話を聞き、内容を整理するだけにとどまる場合もあります(具体的な指示が行われることもあります)。

やや消極的な治療に思えるかもしれませんが、専門的な援助を受けながら自分のことを話すと、考えを整理できたり、解決の糸口を見つけられたりします。

カウンセリングは、心の整理を手伝って、クライエントの歩みをサポートする治療といえるかもしれません。

カウンセリングが必要な人の特徴

カウンセリングは、どのようなときに受ければよいのでしょうか。必要な人の特徴を紹介します。

一人で悩みや不安を抱えてしまう人

誰にも相談できず、悩みや不安を1人で抱え込む人は、カウンセリングの必要性が高いといえます。

責任感が強く、周囲に弱みを見せたくない傾向がある人も該当します。

全ての物事を1人で解決できるわけではないためです。

悩みを抱え込むと、客観的な視点を失い、身動きがとれなくなることもあるでしょう。

辛い、苦しいと感じている方は、カウンセラーへ相談してみてはいかがでしょうか。

カウンセラーは、心の悩みを聞く専門家です。

一定の教育・訓練を受けているうえ、守秘義務も負っているため、周囲の方へ弱みを見せられない人でも相談しやすいはずです。

自己肯定感が低い人

自己肯定感とは、自分の存在や価値を認められる感覚のことです。

自己肯定感が低い人は、普通に生活しているだけで何度も傷ついてしまうことがあります。

他人より劣っているところを探して納得したり、他人から評価されても受け入れられなかったりするためです。

一方で、承認欲求は強い傾向があります。

これらのギャップで、何度も傷ついてしまうことがあるのです。

自己肯定感が低い人も、カウンセリングの必要性が高いといえます。

専門家との会話を通して、自分の考え方の癖に気づけることがあるためです。

人として成長するきっかけになることもあります。

自分に厳しい人

自分に厳しい人は、日常生活で無理をしがちです。

たとえば、スケジュールが決まっているのに友人からの頼みごとを断れない、仕事を抱えているのに同僚から頼まれた案件を優先してしまうなどが考えられます。

「自分に甘えていられない」「他人に迷惑をかけられない」「もっと頑張らなくてはならない」などと感じてしまうのでしょう。

とはいえ、私たちの体力や精神力には限界があります。

無理を続ければ、心身に限界が訪れる可能性があります。

自分自身を追い込んでストレスを感じている方は、カウンセリグを受けてみるとよいかもしれません。

専門家との会話を通して、現在の状況を整理できたり、自分でも気づいていなかったストレスの原因に気づけることがあります。

関連記事:真面目な人が多い?うつにかかりやすい人の性格を解説

薬物療法や休養では改善できない人

薬物療法や休養だけだと心がうまく回復しない方にも、カウンセリングを勧められることがあります。
これらの役割は異なるためです。

主な役割を簡単に説明すると次のようになります。

【それぞれの役割】

  • 薬物療法や休養:困っている症状にアプローチ
  • カウンセリング:自分自身の在り方にアプローチ

ここでいう自分自身の在り方は、考え方の癖や環境への適応などといえるでしょう。

心の問題が自分自身の在り方に根差している場合、薬物療法や休養で症状を一時的に緩和しても再発する恐れがあります。

したがって、自己理解を促すカウンセリングが有効になることがあるのです。

一般的に、うつ病、不安障害などは、心理療法と相性がよいと考えられています。

具体的な治療方法は、主治医に相談しましょう(※自己判断で、薬物治療を中断することはおすすめできません)。

人とのコミュニケーションに悩みがある人

「他人と何を話せばよいかわからない」「他人に嫌われているような気がする」など、コミュニケーションに不安を抱えている方にも、カウンセリングは勧められます。

専門家との会話を通して、コミュニケーションの癖に気づき、少しずつ修正できる可能性があるためです。

具体的には、以下の効果などを期待できます。

期待できる効果

詳細

安心して話せる環境で他人と関われる

専門家は会話の内容を批判や評価せず聞いてくれる

考えや感情を整理できる

専門家との会話を通して、自分の感情やうまく話せない理由などを整理できる

コミュニケーションの癖に気づける

無意識に選択している癖に気づける。新たな選択肢を見つけられる

専門家との会話を通して、安心して自分を表現できるようになるきっかけにもなります。

問題行動をやめられない人

駄目だとわかっていても食べ過ぎてしまう、ストレスがかかると自分を傷つけてしまうなど、問題行動を繰り返してしまう人も、カウンセリングを受けるとよいかもしれません。

問題行動の原因を意志の弱さと決めつけるのは適切ではありません。

実際は、やめたくてもやめられないと悩んでいる人が多いのです。

カウンセリングでは、専門家との会話を通して問題行動の背景や意味などにアプローチします。

背景や意味の理解が、行動変容のきっかけになることがあるためです。

たとえば、不安を解消するため食べ過ぎてしまうとわかれば、不安を解消する別の方法を見つけられるかもしれません。

ただし、問題行動が何かしらの病気と関わっていることもあります。

必要に応じて医療機関も受診しましょう。

カウンセリングが必要となりやすい状況

続いて、カウンセリングの必要性が高まりやすい状況を紹介します。

生活環境の変化があったとき

引越し、進学、転職、結婚、離婚など、生活環境に大きな変化が生じるとカウンセリングの必要性は高まります。

環境の変化により、心の安定を支えていた土台が揺らぐためです。

新たな土台を築くため、心に大きなストレスがかかります。

環境の変化にともない、頑張り過ぎてしまったり、孤独感に悩まされたりすることは少なくありません。

たとえば、転職後の業務に馴染めず不安が大きくなるなどが考えられるでしょう。

心に大きなストレスがかかり続けると、気分が落ち込んだり、眠れなくなったりすることがあります。

状況を悪化させる恐れがあるため、一人で対処し続けることはおすすめできません。

環境の変化に馴染めないときは、無理をせず心の専門家に相談しましょう。
新たな環境に適応するきっかけを一緒に探せます。

関連記事:自分に合ったストレス解消法、持ってる?忙しくても実践できる方法

仕事の悩みを抱えているとき

仕事の悩みを抱えているときも、カウンセリングの必要性は高まります。

仕事の悩みは、職場の同僚や家族に相談しにくいといえるでしょう。

一人で抱え込んでいると、過度なストレスでミスが増えたり、メンタルの不調に陥ったりするおそれがあります。

よくある悩みの例は以下のとおりです。

【よくある仕事の悩み】

  • 仕事量が多すぎる
  • 職場の人間関係がうまくいかない
  • 大きなミスをしてしまった

働く時間は人生の多くを占めています。

悩みを抱え続けていると、大きなトラブルに発展するかもしれません。

一人で解決できない場合は、心のバランスを整えるため心の専門家に相談しましょう。
安心できる環境で話をするだけでも、変化を感じられることがあります。

大切な存在との別れを経験したとき

大切な存在との別れを経験したときも、カウンセリングが心の支えになることがあります。

衝撃が大きすぎて現実を受け入れられなかったり、生きる意味を見失ったり、心身に不調が生じたりすることがあるためです。

ここでいう大切な存在の例として以下のものがあげられます。

【大切な存在の例】

  • 家族
  • 友人
  • 恋人
  • ペット
  • 仕事

簡単に説明すると、愛着や依存の対象といえるでしょう。

悲しみを受け入れて一歩を踏み出すため、現在の気持ちに共感し、理解を示してくれる第三者が必要です。

一人で対処しようとすると、苦しみから抜け出せないことがあります。

専門的な教育を受けたカウンセラーは、悲しみに寄り添い、自分の気持ちを素直に表現できるよう支えてくれる貴重な存在です。

思いを打ち明けることで、心が癒されるきっかけになるかもしれません。

カウンセリングに期待できる効果

ここからは、カウンセリングに期待できる効果を紹介します。

安心感が得られる

カウンセリングを受けると、安心感を得られることが少なくありません。

自分の意見を否定されたり、評価されたりする恐れがないためです。

普段は「こんなことをいうと嫌われるかもしれない」と感じる方でも、安心して自分を表現できます。

また、専門的な教育を受けたカウンセラーは、原則として今この瞬間に感じていることを大切にします。

したがって、気持ちを理解してくれたなどの安心感につながります。

このようなやり取りを通して信頼関係を構築していくため、カウンセリングでは家族や友人に話しにくいことでも打ち明けられます。

誰にも話せなかったことを打ち明けられることが、安心感を生む要因となります。

自分の気持ちや状況を整理できる

カウンセリングを受けると、複雑な気持ちや状況を整理できます。

会話を通して、ありのままの自分を表現できるためです。

カウンセラーは、専門的な知識や技術を活用して話を傾聴します。

具体的には、話をまとめて理解を促したり、質問を投げかけて気づきを促したりします。

これらを通して、自分の気持ちや状況を客観的に見つめ直せるようになるのです。

カウンセラーは、自分の棚卸を支援する存在です。

解決の糸口を見つけられる

カウンセリングで、問題の解決につながるきっかけを見つけられることもあります。

専門家との会話を通して、物事を客観的に捉えられるようになったり、問題の本質に気づけたりするためです。

たとえば、的確な質問で自分の本音がわかることもあります。

一人で対処できない問題に直面しているときに、効果的な取り組みといえるでしょう。

ただし、カウンセラーが「こうしなさい」「ああしなさい」などの答えを示してくれるわけではありません。

カウンセリングの主役は、あくまでもクライエントです。

悩みや不安を繰り返さないための予防になる

カウンセリングを受けることで、同じ問題に繰り返し直面しにくくなります。

会話を通して、自分の行動パターンや考え方の癖などに気づけるためです。

たとえば、必要以上に自分を責めてしまう人がいたとします。

専門家との会話でこのことに気づくと、自分を再び責めたときに「こういう傾向がある」と客観的に受け止められるでしょう。

したがって、自分を責める以外の選択肢を検討できるようになります。

もちろん、すべて問題を解決できるわけではありませんが、カウンセリングを受けると悩みにとらわれにくくなります。

カウンセリングはどこで受けられる?

カウンセリングは、以下の場所などで受けられます。
それぞれの特徴とあわせて紹介します。

期待できる効果

詳細

安心して話せる環境で他人と関われる

専門家は会話の内容を批判や評価せず聞いてくれる

考えや感情を整理できる

専門家との会話を通して、自分の感情やうまく話せない理由などを整理できる

コミュニケーションの癖に気づける

無意識に選択している癖に気づける。新たな選択肢を見つけられる

医療機関を受診する際は、カウンセリングが実施されているかを事前に確認しましょう。民間の相談機関を利用する場合は、カウンセラーの資格や経歴をよく確認することが大切です。

カウンセリングが必要な人はお気軽にご相談ください

ここでは、カウンセリングが必要な人について解説しました。

一人で不安を抱え込む方や自己肯定感が低い方には、カウンセリングが有効です。

赤羽周辺でカウンセリングを受けることができる医療機関をお探しの方は、赤羽すずらんメンタルクリニックにご相談ください。

通いやすい、話しやすいをモットーに、患者様のおかれた状況にあわせたオーダーメイドの治療を提供しています。

赤羽で心療内科をお探しの方はコチラをご覧ください。

 

監修者

土屋 恵理子
赤羽すずらんメンタルクリニック 院長

<資格>
精神保健指定医
精神科専門医・指導医
認知症サポート医
日本医師会認定産業医
コンサータ・ビバンセ登録医師

<経歴>
帝京大学医学部付属溝口病院精神科
医療法人社団 ハートフル川崎病院
介護老人保健施設 慈宏の里
東京都や千葉県内のクリニック、東海渡井クリニックにて
精神科訪問診療、光トポグラフィー・TMS治療に従事
赤羽すずらんメンタルクリニック開設

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