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産後うつの原因とは?考えられる6つの理由をチェック

[2021.04.30]

 

 

出産後の慣れない育児に心と身体が追いつかず、気分が落ち込み不調が続くことがあります。 産後うつは、出産後数週間から数か月の間に、気分の落ち込みやイライラを感じる、うつ病の一種です。 このような精神的症状のほか、頭痛や不眠などの身体的症状が現れることもあります。

また、産後うつは、比較的短期間で症状が重症化することがあるので注意が必要です。

 

今回は、出産予定の方や、出産後間もない方、そのご家族に向けて、産後うつの考えられる原因6つをそれぞれ解説していきます。

また、産後うつの発症時期や対処法などもまとめました。産後うつは、単なる育児疲れではなく、原因のある一種の病気です。 産後うつがなぜ起こるのかについて知り、対策や改善につなげましょう。

 

産後うつの6つの原因

産後うつは様々な要因が発症のトリガーとなる場合が多いです。以下に6つの原因を記載しましたが、複数の原因に該当する方はとくに注意が必要です。

 

原因1:出産に伴うホルモンの急激な変化

産後うつの主な原因は、女性ホルモンであるエストロゲン(卵胞ホルモン)と、プロゲステロン(黄体ホルモン)が、出産を境に急激に減少することにあります。

また、出産後の授乳など身体へのホルモン変動の影響も大きく、脳や身体がホルモンの変化についていけません。 その結果、自律神経のバランスが崩れてしまい、不安や落ち込みを感じやすくなります。

 

原因2:慢性的な睡眠不足と疲労

出産後、乳児が生後3か月になるくらいまでは、2時間から3時間ごとに授乳をしなければなりません。 そのため、産後は睡眠時間と休息時間の確保が難しくなります

肉体的な疲労は、精神的な不調まで増幅させやすく、心身ともに疲れ切ってしまいます。 その結果、産後うつを招いてしまうことがあるのです。 とくに産後は、一人で頑張ろうとせず周りに頼って休むことを心がけましょう。

 

原因3:家族の理解・サポート不足

初めて母親になる人でも、二人目の子どもでも、産後の育児では疲労が溜まり、それがストレスにつながります。 産後うつは、周りに理解されにくいのが特徴です。

辛い気持ちを親や夫に打ち明けても、「みんなやっていることだからできるでしょ」や「私が母親の時は眠れなくて当たり前だった」などと言われると、自分を余計に責めてしまい、産後うつの症状は悪化してしまいます。 家族は、しっかり産後うつのことを理解し、サポートする体制を整えておくことが大切です。

 

こちらの記事では、うつ病の基本的な知識から始め、その兆候や接し方、さらには避けるべき行動まで、幅広く説明しています。うつ病の人とはどう接したらいい?やってはいけないことと合わせて解説こちらもあわせてご覧ください。

 

原因4:母親になる心境の変化

出産後は、母親になる心境の変化についていけない人もいるでしょう。

出産を機に、これまでの自分とは違う「母親」というアイデンティティを確立しなければならないからです。 それに慣れるまでには、これまで通りの生活ができないことにストレスを感じることもあるでしょう。 日中はずっと乳児と二人きりということも多く、社会との疎外感や孤独といった感情が、産後うつにつながることもあるようです。

 

原因5:周囲からのストレス

出産後、母親は乳児のお世話で必死です。 そのため、周囲からペースを乱されたり、配慮の欠けた言葉をかけられたりすると、普段以上にストレスを感じてしまいます。 夫や親など、身近な存在であっても、心を閉ざしてしまうこともあるようです。

周りの人は、「頑張って」などプレッシャーになる言葉は控え、気持ちをしっかりと聞いてあげるということを大事にしてください。

 

原因6:過去のうつ病経験

妊娠前や妊娠中にうつ病になったことがある場合、産後うつ病を発症しやすくなります

うつ病歴がある場合には、事前に主治医や助産師に伝えておくことで、対策を考えておくことができるでしょう。

 

自身が産後うつなのかわからない方へ

うつ病は早めの対処が大事です。現在うつ病になってしまっているかわからない場合に参考にしていただきたい、うつ病にはどんな初期症状があらわれる?心身のサインをチェックこちらも合わせて参考にしてみてください。

また、今回の記事をご覧いただき、心療内科に通おうと思われている方は、心療内科を受診するメリットは?行くべきか迷ったらどうすればいい?こちらも合わせて参考にしてみてください。


産後うつに前向きな気持ちで治療にのぞめるように、以下では産後うつの罹患期間や具体的な対処法について紹介していきます。

 

産後うつはいつまで?

産後うつの症状や治療の状況などは人それぞれなので、一概にいつまで続くとは言い切れません。発症するタイミングも違えば、症状のピークや解決にいたるタイミングも違います。統計によると、産後1~3週間後にうつ病の症状が現れる人が多いようです。

しかし、産後数カ月経ってから発症する人や遅いケースでは1年後に発症する人もいます。できるだけ早く症状に気付き、医療機関を受診することで治療に取りかかるのが早くなり、解決への近道となるでしょう。産後うつは自分の意思で治せるものではありません。専門の医療機関で症状に合わせた治療を受けることで、次第に気持ちがラクになってきます。いったん気分が晴れれば、赤ちゃんとの時間や母親であることを楽しめるようになってくるでしょう。

 

産後うつの対処法

産後うつの対処法は、基本的には一般的なうつ病と同じです。具体的には、大きく分けて2つの対処法があるので、それぞれ詳しくみていきましょう。

医療機関での治療

メンタルクリニックなどの専門機関で治療にのぞむ際、以下の治療法に取り組みます。

  • カウンセリングなどを通した精神療法
  • 症状に応じた薬物療法

 

精神療法は、セラピストやカウンセラーへの相談を通してストレスの原因を探り、それに対する改善策を見つけ出す方法です。また、ストレスへの適応やマイナス思考を少しずつプラスに変えていくなどの心理療法を行います。

薬物療法では、一般的には抗うつ薬が使用されます。症状によっては、不安を軽減させる薬や睡眠導入剤などが処方されることもあるでしょう。薬の服用を心配する方もいるかもしれませんが、授乳に影響のない薬もあるので、医師としっかり相談して決めてください。

 

環境調整などのセルフケア

産後のストレスや育児の負担を少しでも軽減することは、産後うつを克服するためには欠かせません。ストレスや負担を感じることはそれぞれ違いますが、実践しやすそうなことをいくつか挙げてみます。

  •  
  • 実践しやすいセルフケア
  • 生活リズムを整える
  • 家族や友人に悩みを話す
  • 全てを完璧にしようと気負わない
  • リラックスできる自分の時間を作る
  • 赤ちゃんが寝ているときは自分も休む

 

乳児がいると、思う通りの生活リズムにならないこともあります。

しかし、パジャマを脱いで洋服に着替えたり、散歩に出かけて日光を浴びたりといった些細なことが気分転換になるかもしれません。また、誰かに相談したり自分の時間を作ったりといったことは自分一人で実行することは不可能です。

全て自分でやろうなどと思わずに、家族や友人、時にはベビーシッターなどに頼ってみましょう。そして、休める時にはしっかりと休息をとって、自分の体や心をいたわってあげてくださいね。

こちらの記事では、うつ病の予防について解説していきます。あわせてぜひご覧ください。
うつ病の予防方法とは?日常から実践できる行動と考え方

産後うつの原因はさまざま

いかがでしたでしょうか? この記事を読んでいただくことで、産後うつの原因や対処法がご理解いただけたと思います。 産後には心や身体に負担がかかることを理解し、無理のない生活を送るよう心がけましょう。 家族をはじめ、周りのしっかりとしたサポートも大切です。

 

当院は駅から約1分で着く女性医師の心療内科です。

産後うつでお悩みの方は赤羽すずらんメンタルクリニックへぜひ一度ご相談ください。

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