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うつ病が治るきっかけは?回復方法について

[2023.08.30]


うつ病は治療が必要な病気です。うつ病になる原因は、ストレスによる脳の働きになんらかの影響が生じ、うつ病が発症するといわれています。しかしうつ病と診断がされ「うつ病はどうすれば治るの?」「回復方法があったら知りたい」とお考えの方もいるでしょう。
そこで本記事では、うつ病の治療で重要なことや治療方法、そして回復方法について紹介します。

目次

1.うつ病治療で重要なこと
2.うつ病治療について
3.うつ病の回復における段階
4.日常生活で気をつけること
5.うつ病は十分な休養をとり焦らずゆっくりと治していきましょう

うつ病治療で重要なこと

うつ病治療で重要なことは、以下の3つがあります。

  • 休養を優先する
  • 焦らずに 治療する
  • 自己判断で治療しない

では、それぞれのうつ病治療で重要なことについて確認していきましょう。

休養を優先する

うつ病治療で大切なポイントは「十分な休養」を最優先することです。心と身体の両方を休めることが、うつ病にとって効果的といえます。
休養を取ることに対して、抵抗感を感じる人も少なくないでしょう。また、周囲から怠けていると思われるのではないかと心配することもあるかもしれません。しかし、うつ病の治療において休養は重要です。自分自身のために、しっかりと休息を取ってください。
うつ病を軽視せず、自分の身体を最優先に考えましょう。周囲の理解とサポートを得ながら、焦らず一歩ずつ前進していくことが大切です。

こちらの記事では、うつ病で休職する場合の休職期間の過ごし方について詳しく解説しています。あわせてぜひご覧ください。
うつ病の回復に向けた休職期間の過ごし方のポイントとは?

焦らずに 治療する

うつ病の治療には時間がかかります。また、治療を始めたからといって、すぐに完治するわけではありません。治療中、徐々に回復を感じることもあります。しかし、少し調子が良くなったからといって無理をしてしまうと症状が悪化することも少なくありません。
社会人の場合、仕事のことが気になり早く復帰したいという焦りもあるでしょう。しかし、回復しているのかわからない場合や、治療が続いている場合には、無理をせず焦らないよう心がけてください。
うつ病の治療は、少しずつゆっくりと時間をかけていくものです。時間がかかることを心に留めておき、焦らずに治療を進めていく心構えが重要なポイントです。

自己判断で治療しない

うつ病の治療中、症状が落ち着いてくると「うつ病が治ってきたのかな?」と感じることがあります。一般的に、うつ病の急性期は約3か月でおさまり、徐々に安定するとされています。
しかし、この段階は症状が再び悪化したり、再発したりする時期でもあるのです。そのため、症状が安定してきた時期こそ注意しましょう。
症状が安定したからといって、勝手に処方された薬を中止したり、治療を中断したりすることは大変危険です。うつ病の治療薬は、医師が患者の経過を見ながら適切に処方しています。自己判断で中止することはやめてください。
うつ病は症状が緩やかになった後、再発するケースが多い病気です。したがって、再発は誰にでも起こりうることを理解しておくことが重要です。
もし治療中に症状が落ち着いた場合は、必ず医師に報告しましょう。

うつ病治療について

うつ病の治療には主に以下の7つの方法があります。

  • 薬物治療
  • 精神療法
  • 認知行動療法
  • 対人関係療法
  • 運動療法
  • 高照射光療法
  • TMS-経頭蓋磁気刺激法

それぞれの治療方法について見ていきましょう。

薬物治療

うつ病の治療には、休養とあわせて薬による治療が欠かせません。うつ病の薬物治療では、主に以下の3種類の抗うつ薬が処方されています。

  • SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)
  • SNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)
  • NaSSA(ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ薬)

また、症状にあわせて睡眠導入薬や抗不安薬、気分安定薬や非定型抗精神病薬などが処方されます。
うつ病の治療薬は、飲むとすぐに症状が改善するわけではありません。そのため、長期的に服薬をする必要があります。また、服薬の量を勝手に増減すると副作用が起きる可能性があります。自分で勝手に判断せず、主治医の指示の通り服薬してください。

精神療法

うつ病は休養や薬物治療、環境調整によって症状が改善することが多いですが、うつ病の原因となったストレスの対処法が身についていないと、再発してしまう恐れがあります。
精神療法はうつ病の再発を防ぐ目的で行われる治療法です。一般的な精神療法には「認知行動療法」と「対人関係療法」があります。
それでは、それぞれの特徴について確認していきましょう。

認知行動療法

悲観的な考え方や物事の捉え方などの考え方のくせを改善して、臨機応変な考え方や問題を解決する力を習得する療法です。

対人関係療法

うつ病を引き起こす原因となった対人関係の問題に対処することで、ストレスを緩和させる目的で行われる療法です。

運動療法

運動療法とは、心臓に過度の負荷がかからない程度の有酸素運動(ウォーキングやサイクリングなど)や、高強度のレジスタンス運動(筋トレなど)を週3回以上行う療法です。

高照射光療法

高照射光療法は、2500ルクス以上の強い光を照射する治療法です。照射した光が視床下部の視交叉上核に伝わり、メラトニンが分泌されることにより、体内時計のリズムを整えます。

TMS-経頭蓋磁気刺激法

経頭蓋磁気刺激法(TMS)は、磁器を利用して脳に繰り返し刺激を与えることで、脳の動きを正常化することができる治療法です。脳を刺激すると聞くと不安に感じる方もいるかもしれませんが、副作用も少なく安全性の高い治療法といえます。

うつ病の回復における段階

うつ病の回復には、主に以下の3つの段階があります。

  • 病初期(急性期)
  • 回復期
  • 維持期(安定期)

うつ病が治るには長い治療期間が必要です。治療期間の症状に振り回されないよう、うつ病の回復における段階について理解しておくことが大切です。
それでは、それぞれの段階について見ていきましょう。

病初期(急性期)

病初期(急性期)は、うつ病の症状が強く出ている段階です。
気分の落ち込みややる気の低下、睡眠障害や食欲の低下などが見られることもあります。また活動エネルギーが不足しているため、「何もする気が起きない」「何も考えられない」といった感覚があるかもしれません。そのため、病初期(急性期)ではストレスを避け、しっかりと休息を取ることが重要です。
休養と同時期に医師の指示に従って薬物治療を開始すると、1~3カ月で回復の兆しが見られる場合があります。しかし回復には個人差があるため、半年以上かかることもあるでしょう。
また、抗うつ薬の効果が現れるまでには時間が必要です。そのため、焦らずに治療を継続することが重要となります。この期間は特に休養が大切なので、ストレスの少ない環境を整えましょう。

回復期

回復期に入ると少しずつ症状が緩やかになっていくため、「寝るだけでは退屈に感じる」「掃除などをしたくなる」といったように、自然にやりたいと思うことが増えてきます。
しかしこの段階では、焦って休養していた間の失われた時間を取り戻そうとはせず慎重に行動することが重要です。
回復期では、調子が良いと感じた翌日に症状が悪化することもあるため、体調にはまだ不安定な面があります。体調の波を理解し、無理をせずに段階的にできることを増やしていくようにしてください。

維持期(安定期)

維持期(安定期)になると、症状が安定します。一方で、治癒したように感じることがありますが油断はできません。
うつ病が厄介な疾患といわれるのは、一度症状が良くなっても再び症状が現れることや、しばらく経過してから再発する可能性があるためです。
そのためうつ病の症状が回復しても、1〜2年は薬物治療を継続し、調子の良い状態を保ちつつ再発を防止する必要があります。
また、日常生活や社会生活を取り戻す過程でうつ病の原因を再確認し、環境の調整を行い不調のサインに気づけるよう周囲とコミュニケーションを取るなど、再発予防の対策も重要となります。

日常生活で気をつけること

うつ病の治療中、日常生活で気を付けることは主に以下の7つがあります。

  • 十分な睡眠をとる
  • 自身の性格や考え方を理解する
  • 休養を取る
  • 体のリズムを作る
  • バランスの良い食事をとる
  • 適度な運動を行う
  • 一人で悩まないようにする

それでは、日常生活で気をつけておきたいポイントについて見ていきましょう。

十分な睡眠をとる

睡眠はうつ病の予防だけでなく、健康的な生活を送るための大切な要素です。十分な睡眠をとることで脳と体を休ませて健康な身体を維持します。
規則正しい睡眠・覚醒リズムを維持するためには、就寝時間と起床時間を一定にするように心掛けることが大切です。もし寝付けなかったり早朝に目が覚めてしまったりする場合は、主治医に相談してください。

自身の性格や考え方を理解する

うつ病になりやすい人の特徴は、生真面目で完璧主義、そして自分に厳しい性格であることがよく知られています。
仕事においても完璧を求めて頑張り過ぎてしまったり、疲れを感じても「甘えてはいけない」「他の人に迷惑をかけてはいけない」と自分を追い込んでしまったりすることが再発のリスクを高めてしまいます。
そのため、自分の性格を理解し、無理をしないように注意することが重要です。

休養を取る

十分な休養を取らない場合、ストレスが溜まってしまいうつ病が再発するリスクが高まります。そのため、意識的に休養をとるようにしてストレスを発散させるように心掛けましょう。

体のリズムを作る

うつ病にかかると、眠りが浅くなったり引きこもりがちになったりするため、体内時計が乱れやすくなります。体内時計は通常25時間でリズムを保っていますが、朝起きた後に日光を浴びることで1日24時間のリズムに調整されます。
そのため、できるだけ毎日同じ時間に就寝・起床するよう心掛け、朝になったら部屋のカーテンを開けて日光を浴びることが大切です。また、毎日規則正しく食事を摂ることもリズムを整えるのに役立ちます。

バランスの良い食事をとる

食事は睡眠と同じく健康を保つために欠かせない要素です。インスタント食品やジャンクフートばかりではなく、栄養バランスの良い食事を摂るよう心がけましょう。

適度な運動を行う

適度な運動はストレスの解消となり、食欲が増え睡眠の質を改善させる効果も期待できます。ただし、過度な運動は逆にストレスとなる場合があるため、自分の体力に合わせて無理のない、ウォーキングやストレッチなどの運動を行いましょう。

一人で悩まないようにする

もし困ったことや不安を感じるようなことがあれば、一人で悩まずに家族や友人、主治医などに相談しましょう。
自分だけでは解決が難しく思える問題でも、他の人に相談することで解決策や気持ちの楽になる方法が見つかる場合もあります。また、体調が悪い時には重要な決断を避け、結論を先延ばしにするようにしてください。

うつ病は十分な休養をとり焦らずゆっくりと治していきましょう

今回は、うつ病の治療で重要なことや治療方法、そして回復方法について紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
うつ病の回復で一番大切にしなければいけないのは「休養」です。少しでも早く回復して普段の生活に復帰したいと思いますよね。しかし、焦ることで病状が悪化したり、再発したりする恐れがあるため注意が必要です。
まずはストレス環境から離れ、心身が十分に休まる環境を整えましょう。



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