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過食してしまううつ症状「過食性障害」とは

[2022.08.10]

過食にはうつ病などのストレスが原因で発症する「過食性障害」と呼ばれるものが存在しています。当事者も判断が難しく、Yahoo!知恵袋の質問からも大食いとの違いに悩む方は多いようです。 今回は自分が「過食性障害」なのか食べ過ぎなのか判断が難しい方のために、その特徴についてご紹介していきます。

過食性障害とは?

食事の摂取の仕方に問題がある際に分類される摂食障害のひとつでもあるのがこの「過食性障害」です。「過食性障害」の場合はその食事の取り方に大きく問題があり、自分でも食べ過ぎであることを自覚できていても、それを静止することができないのです。

過食性障害は一般的に呼ばれる過食症とは異なり、下痢や嘔吐といった代償行為はありません。ストレスなどで引き起こされることが多く、うつ病と合併して症状が出ることもあります。

【症状1】明らかな食べ過ぎを繰り返してしまう

過食性障害は自分でも食べ過ぎだと理解ができていてもそれをやめることができません。咀嚼することもほとんどしないので早食いになってしまう傾向にあり、全くお腹が空いていないのに過剰に食事を摂取したりします。

結果、食後に満足感は得られず、不快感だけが残るのです。 自分の食欲の異常さを理解しているため、他人との会食を避けますので、肥満などの変化がおきるまで周囲に気付かれにくいのです。

【症状2】神経性過食症との違い

一般的に過食症と呼ばれる神経性過食症との大きな違いとして、代償行為の有無が挙げられます。

過食症の場合も過食性障害と同様に食事を摂取する際に食欲のコントロールができなくなってしまいます。しかし、過食症は食後に過剰に食事を摂取したことへの罪悪感で自ら嘔吐したり、下剤を使用して下痢を引き起こしたりなどの代償行為が伴うのです。

過食症の場合、食べたものを直ぐに体の外に出してしまうので、肥満など体の変化がおきにくく、周囲も気が付きにくいといった特徴をもっています。

【症状3】うつ病と合併していることもある

うつ病と合併する場合、過食が原因でうつ病になってしまう場合と、うつ病が原因で過食になってしまう場合があります。

過食性障害の場合、自分で食べ過ぎであることを自覚しているので、そうした過食がストレスになってしまってうつ病が引き起こされてしまうのです。

また、うつ病もいくつか種類が存在しており、なかには過食を引き起こす特殊なうつ病も存在しています。過食性障害はうつ病に密接に関係しているので、適切な治療で改善する可能性が高いのです。ただの食べ過ぎで大袈裟と思わずに専門家に相談することが大切です。

過食性障害の特徴

過食性障害にはお腹がいっぱいでも不快になっても食べることをやめず、食べたあとの罪悪感や後悔など精神的なストレスがかかるといった特徴をもっています。

当てはまることが少しでもあるなら、早めに専門家に相談しましょう。

【特徴1】食事の際に見られる特徴

過食性障害の場合、空腹時も満腹時も過剰に食事をしてしまいます。早食いになってしまうほか、目の前に食事が並んでいると自分の意思ではコントロールできずに全て食べつくしてしまいます。

だからといって目の前の食べ物がなくなったら食欲が収まるわけでもなく、なくなったら買いに行ってまで食べてしまうのです。 嘔吐や下痢といった代償行為をしないため、異常な食欲のせいで体は徐々に肥満になっていき、精神的にも追い込まれるのが大きな特徴です。

【特徴2】精神面に見られる特徴

精神面で見られる特徴として、食欲が我慢できないことに対して罪悪感をもち、食後には不快感が残ります。

自分で食べる量が異常であることを自覚しているので、隠れて1人で食べるという特徴もあります。自分から食べ物を遠ざけようとしても、そもそも食べ物が近くにないと不安になってしまうため、自分の近くに常に食べものを置いてしまうのです。

異常な食欲による罪悪感、肥満による体の変化がもたらすストレス、食べものを買い続けてしまうために引き起こされる経済的影響などにより、心身共に苦しくなり、最終的に抑うつのような症状まで出てきてしまいます。

自分では食べ過ぎはよくないと理解しており、減量も考えているのですが、食べるという行動を自分でコントロールできないために大きなストレスになってしまうのです。

【特徴3】下痢や嘔吐などの代償行為はない

同じように食べるという行動をコントロールできない症状でも、過食性障害の場合は過食症と呼ばれる「神経性過食症」のような下痢や嘔吐といった代償行為をしません。神経性過食症の場合、異常な食欲が湧いて食事を食べたあとに、肥満に対する極端な恐怖心より下剤を大量に摂取して意図的に下痢をしたり、自分で意図的に嘔吐を誘発したりなどの代償行為が伴います。

過食性障害にはこうした行動が伴わないので、代償行為である意図的な下痢や嘔吐があるのでしたら、その場合は神経性過食症の可能性があります。

過食してしまう原因

日常生活などで過度にストレスがかかると、どうしても何かを食べるという行動を抑えられない、空腹ではないはずなのに何かを食べたくて仕方がない、という状態になってしまうことが多いようです。過食の状態でさらにストレスが増え、うつ病になってしまう場合もありますが、特殊なうつ病が原因で引き起こされる場合もあります。

【原因1】ストレスを過食で発散してしまう

過食性障害の場合、自分のストレスを食事によって発散させるため、空腹状態ではなくともストレスがかかることによって食べものを口に運んでしまいます。過食性障害のような摂食障害の多くは、ダイエットの失敗によるものが多いとされています。

しかし、実のところは職場や学校での人間関係によるストレスや、家庭環境の変化やトラブルによる強いストレスが原因であることも多いようです。

【原因2】うつ病が原因で過食してしまう

過食による罪悪感や自己嫌悪によって引き起こされるうつ症状のほか、うつ病の人がそのストレスを食事によって発散させるために過食に走ってしまうこともあります。自分でも我慢ができない食欲があったら、うつ病との合併症である可能性が高いので、専門家に相談することが大切です。

過食性障害の治療方法

ここからは、過食性障害の治療方法について解説していきます。過食性障害の方はボディ・イメージの歪みから病識がない場合も多く、本人より先に家族が気づいて診察に連れてこられるというケースも少なくありません。まずは適切な心理教育によって患者自身に症状を自覚してもらう必要があります。そのうえで患者とラポール(信頼関係)を築き、目標体重を定めて食事指導を行っていきます。

また、認知行動療法を用いてボディ・イメージの改善も同時に行っていくことが多いです。本人の意思だけでなく、家族の強いサポートも必要となるため、場合によっては家族療法も治療カリキュラムに組み込まれます。

過食性障害と大食いの違い

美味しいものをつい食べ過ぎてしまう、嫌なことがあって食べることで発散してしまう、こうした行為だけでは過食性障害とはいえません。

異常な過食と大食いでは、理性が働かない、食べたあとに気持ちが重くなるなど決定的な違いがあるのです。

【違い1】過食性障害の場合

過食性障害の場合はストレスで食べるという行為を繰り返してしまい、苦しくなってこれ以上食べられない状態になっても食べ続けてしまいます。いつでも食べ物が近くにないと落ち着かないというのも特徴です。味わって食べるということもなく、ほぼ噛まずにまる飲みしてしまい、胃や食道に大きな負担をかけてしまいます。

さらに食欲に対して理性が働かないので、目の前にある食材なら調味料や生米といったものまで手を伸ばして食べることもあるのです。こうした行動が3ヶ月以上の期間で最低週1回でもあれば、過食性障害である可能性が疑えます。

【違い2】大食いの場合

大食いの場合、食欲が満たされれば多少食べ過ぎることがあったとしても、身体の調子が悪くなってまで食べ続けるという行為はしません。

また、食事の時間まで食べなくても過度なストレスがかかることもなく、食後に大きな罪悪感もなく、多少食べ過ぎても気に病むほどではありません。

合併症の可能性も

過食性障害はうつ病やアルコール依存症に伴い引き起こされる場合や、過食が原因でそれらを引き起こしてしまう場合があります。過食の状態が続けば内臓も働き続けることになるので、疲労が溜まって肝障害などが起こってしまいます。

【可能性1】うつ病との合併症の可能性は非常に高い

合併症のなかでも比較的多く、注意が必要になってくるのがうつ病です。うつ病が原因で過食する場合もあれば、過食が原因でうつ病になってしまう場合もあります。

そのため、1週間に1回以上の頻度で過食をする状態が3ヶ月以上続いているようなら、早めに専門家へ相談が必要です。 どちらにも共通しているのはストレスで過剰に食べてしまい、その後に強い罪悪感と自己嫌悪に陥ってしまうことが挙げられます。その上代償行為がないため、体重が増加してしまい、それが原因で体を動かすのがさらに億劫になってしまいます。

そうしたストレスからさらに過食を繰り返し、うつ状態も悪化する事態にも発展してしまうのです。うつ病は脳の病気ともいわれていますので、素人判断せずなるべく早めに相談しましょう。

こちらの記事では、うつ病を放置したらどうなるのか詳しく解説しています。ぜひ参考にしてみてください。
うつ病を放置したら一体どうなる?病気をいち早く見つけるサインとは

【可能性2】飲みすぎが同時に引き起こすアルコール依存症

続いて過食性障害に伴って多い合併症がアルコール依存症です。食べるのと同時にお酒も一緒に飲んでしまい、過剰にアルコールを摂取することで依存症になってしまいます。

この場合、アルコール依存症の対処を先にしないと、どんどんアルコール依存症の症状が悪化してしまい、ついには飲んでいないときに病的な症状が出る離脱症状が出てしまうのです。 アルコール依存症を伴っている場合は、早めにアルコール依存症の対処が必要です。

【可能性3】内蔵に負担がかかり引き起こされる胃腸障害や肝機能、腎機能障害

延々と食べ続けるということは、胃や腸、肝機能や腎機能に負担をかけ続けることにも繋がります。異常な食欲のせいでほとんど噛まずに飲みこまれているため、胃も負担が大きく、上手く消化できません。肝臓や腎臓も休まずに働き続けますので、体内にも大きなストレスがかかります。

過食が続いてしまうことによって胃腸炎、食道炎、肝障害、腎障害といった症状が引き起こされてしまうため、放置しないようにすることが大切です。

まとめ

ここまで過食性障害についてご紹介してきましたが、うつ病と密接に関係がある症状であることはご理解いただけましたでしょうか。

もしも自分自身に我慢ができない食欲が湧いてきて、食後に罪悪感や自己嫌悪に陥ってしまう場合は、うつ病が起因している可能性もあり得ます。 うつ病は心の病気といわれがちですが、疲労しすぎた脳の病気でもありますので、適切な治療が必要不可欠です。

赤羽すずらんメンタルクリニックでは通いやすく、話しやすい環境を目指していますので、考えすぎと思わずに気軽に相談してみてください。

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