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自立支援医療って何?精神的な病気にも適応可能なのか

[2021.07.08]

今回は、自立支援医療の概要をご紹介します。

医療とは、医学を用いて病気の治療をすることで、身体や心の疾患を取り除くためには長期間の通院が必要となる場合もあるでしょう。

日本では、誰もが適切な医療を受けられるように、さまざまな公的医療制度が整備されています。

中でも、長い間闘病する人の医療費負担が大きくなりすぎないように考えられた制度が、自立支援医療です。

自分自身だけでなく、家族や身近な人がこの制度の対象となる可能性がある場合、適用範囲や申請方法について知っておくことが大切です。

 

自立支援医療とは

自立支援医療の正式名称は「自立支援医療制度」と言い、国が医療費の一部を負担してくれる制度です。

対象となるのは、身体的・精神的な治療を必要とする方で、以下の3つの治療に限定されています。

  • 精神通院医療(精神疾患の治療)

  • 更生医療(身体障害に関する治療)

  • 育成医療(18歳未満の障害治療)

適用される疾患や条件は、自治体ごとに異なることがあるため、詳細を知りたい場合は各自治体の窓口で確認しましょう。

こちらの記事では、症状別に心療内科に行くかどうかの判断基準や行くメリットについて解説しています。あわせてぜひご覧ください。
症状別に知りたい、心療内科に行くべき目安は?

精神通院医療

自立支援医療制度の対象となっている治療のひとつに、精神医療があります。

精神医療を受けるために通院が必要な場合、治療に専念することで多額の費用がかかることが対象とされる理由のひとつです。

精神通院医療の対象となる年齢は、小児・成人と幅広く設定されていますが、症状については細かい規定があるため、自立支援医療制度を申請する前に各自治体へしっかりと問い合わせることがおすすめです。

【対象となる病気の例】

  • うつ病

  • パニック障害

  • 統合失調症

  • 強迫性障害

  • 不安障害

  • 双極性障害(躁うつ病) など

うつ病などの精神疾患の治療は長期間にわたることが多く、通院や薬の費用がかさむことがあります。

自立支援医療制度を活用すれば、自己負担が1割になり、経済的な負担を軽減できます。

長く通院の必要性がある方は、自立支援医療について一度自治体の窓口に問い合わせをしてみるとよいでしょう

自立支援医療の申請は、市区町村の障害福祉課、保健福祉課、または福祉関連の担当窓口で受け付けています。

※ 市区町村によって担当する課の名称が異なるため、申請前に公式サイトや窓口で確認しておくと安心です

 

参考:自立支援医療制度の概要 |厚生労働省

関連記事:うつ病は治らない?一般的な治療期間と治療が長期化する主な理由

 

更生医療

自立支援医療制度は、精神面だけではなく、身体的な疾患を軽減したり取り除いたりするための治療に対しても、更生医療という形で費用を支給しています。

この制度の対象となるのは、視覚や聴覚、四肢の障害を含むさまざまな身体的な疾患です。

また、心臓や腎臓などの内部疾患、さらには免疫機能の低下に関する病気に対しても支援を受けることができます。

主な対象疾患と治療例

  • 視覚障害:白内障手術、網膜剥離の治療など

  • 聴覚障害:人工内耳の装着手術など

  • 肢体不自由:人工関節置換術、四肢の再建手術など

  • 心臓疾患:心臓弁置換術、ペースメーカー埋込手術など

  • 腎臓疾患:人工透析、腎移植など

  • 免疫機能の低下に関する疾患:特定の免疫治療など

 

更生医療の対象となる疾患や治療は幅広く、身体の機能回復や症状の改善が期待できる場合に適用されます。

具体的な適用範囲については、市区町村の障害福祉課や保健福祉課に相談するとよいでしょう。

この制度を活用することで、手術や継続的な治療が必要な方の医療費負担を軽減できるため、対象となる可能性がある方はぜひ活用を検討してみてください。

 

育成医療

育成医療は、子どもだけを対象にした自立支援医療です。

身体疾患を持っている、将来生活するにあたって支障をきたす可能性の高い疾患があるといった子どもと保護者を費用面からサポートします。

対象の疾患と治療は効果が期待できるものに限られ、更生医療に比べて先天性の病気や症状が多く選ばれています。

自立支援医療制度の有効期間

自立支援医療の受給者証は1年間有効です。

継続して利用する場合は、有効期限の3ヶ月前から更新手続きを行うことができます。

更新手続きを忘れてしまうと、制度の適用が途切れてしまうため、早めの準備が大切です。

自立支援医療制度の自己負担上限額

通常、医療費の自己負担額は3割ですが、自立支援医療制度を利用すると1割負担に軽減されます。

さらに、「重度かつ継続」に該当する場合は、月ごとの自己負担額に上限が設定され、経済的な負担をより軽減できます。

所得区分 負担上限(月額)
生活保護 0円
低所得(市民税非課税) 2,500円 ~ 5,000円
中所得(市民税課税) 5,000円 ~ 10,000円
一定所得以上 20,000円

負担上限額は、世帯の所得によって異なるため、詳しくは市区町村の窓口で確認するのがおすすめです。

利用できる制度はしっかり活用しよう

いかがでしたでしょうか? この記事を読んでいただくことで、自立支援医療とは何かがご理解いただけたと思います。

医療費がかさむ可能性がある場合は、自身や身近な人が利用可能な制度がないか積極的に調べ、無駄なく活用していきましょう。

赤羽すずらんメンタルクリニックでは駅から約1分で着く女性医師の心療内科です。

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監修者

土屋 恵理子
赤羽すずらんメンタルクリニック 院長

<資格>
精神保健指定医
精神科専門医・指導医
認知症サポート医
日本医師会認定産業医
コンサータ・ビバンセ登録医師

<経歴>
帝京大学医学部付属溝口病院精神科
医療法人社団 ハートフル川崎病院
介護老人保健施設 慈宏の里
東京都や千葉県内のクリニック、東海渡井クリニックにて
精神科訪問診療、光トポグラフィー・TMS治療に従事
赤羽すずらんメンタルクリニック開設

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