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気分障害はどんな症状?うつ病、双極性障害との関連性

[2023.09.30]

気分障害は、主にうつ病と双極性障害の2つに分類される疾患です。うつ病は倦怠感や気力の低下、食欲異常などの症状が見られ、双極性障害はうつ状態と躁状態が繰り返されるなどの症状が見られます。 それぞれ症状のあらわれ方は異なりますが、いずれも自ら命を絶ってしまうリスクがあるため注意が必要です。
そこで本記事では、気分障害の症状やうつ病・双極性障害の特徴について詳しく紹介します。ぜひ、気分障害の症状について理解を深める参考にしてください。

目次

1.気分障害とは
2.うつ病の特徴
3.双極性障害の特徴
4.気分障害の症状が現れたら場合の対処法
5.ひとりで考え込まず心療内科や精神科の医師に相談を

気分障害とは

気分障害は、日常レベルを超えた激しい気分の落ち込みや、喜びによって過度に盛り上がってしまう気持ち、またはどちらの感情も示す障害を指します。
気分障害は風邪と同じように誰にでも起こる病気であり、症状は一定期間続くことが多くあります。なお、自然治癒や本人の気力だけで回復していくことは困難なため、病院での治療を行う必要があるでしょう。
次の項目からは、気分障害をうつ病と双極性障害の主な2つの疾患について、詳しく説明していきます。

うつ病の特徴

まずは、うつ病を発症したときに見られやすい身体や精神の症状を紹介していきます。主に以下のような9つの症状が2週間以上継続したときには、うつ病の可能性が高いといえます。
  • 抑うつ気分
  • 興味や喜びの喪失
  • 食欲の減退または増加
  • 睡眠障害
  • 精神活動や体の動きの低下あるいは不安・焦燥感の悪化
  • 疲れやすさ・気力の減退
  • 思考力や集中力の低下
  • 罪悪感
  • 希死念慮
それでは、それぞれの特徴について確認していきましょう。

抑うつ気分

抑うつとは、気分が沈んだり憂うつになったりして、日常生活に対して興味や意欲を持ちにくくなる状態を指します。このような状態に至るには、孤独感や絶望感、虚無感や悲しみなどが背景にあることがあります。
またネガティブな考えが支配的になり、ポジティブな感情を感じにくくなるため、楽しいことやうれしいことに対して感じることが薄れがちです。このような状態に対して、焦りや不安が増してしまい、イライラやストレスなどを抱えてしまいます。

興味や喜びの喪失

抑うつ症状による意欲の低下は、日常生活のあらゆる面において現れます。仕事や勉強、家事などの日常的な活動だけでなく、友人との旅行や会食、スポーツや趣味、さらには食事や入浴などの基本的な行為に対しても辛いと感じてしまいます。 また「やる気が出ない」「楽しく感じない」「何もやりたくない」という感情が支配的にあるため、趣味や楽しみとしていた活動に対しても充足感を得られなくなり、家に閉じこもってしまうケースも珍しくありません。

食欲の減退または増加

精神面の影響として、食欲に対する意欲が低下し、食事量が減少することもあります。また、消化器症状として胃部の不快感や吐き気などが現れることで、食欲が減退するケースもあるでしょう。一方で、精神的な負担や感情のコントロールが難しくなり、過食に走るケースもあります。
 
こちらの記事では、うつ病などのストレスが原因で発症する「過食性障害」の特徴について詳しく解説しています。あわせてぜひご覧ください。
過食してしまううつ症状「過食性障害」とは

睡眠障害

うつ病の多くの患者は、睡眠障害によって悩まされているといわれています。睡眠障害には以下のような種類があります。
  • 入眠障害(布団に入ってもなかなか眠れない)
  • 中途覚醒(睡眠中何度も目が覚める)
  • 早朝覚醒(早朝に目が覚めてその後眠れない)
  • 熟睡障害(睡眠時間は取れているのに熟睡できない)
どのような睡眠障害が発生するかは、個人によって異なりますが、睡眠障害は過度な思考や脳の伝達機能低下、日常生活のリズムの乱れなどが原因と考えられています。

精神活動や体の動きの低下あるいは不安・焦燥感の悪化

うつ病を患うと、気分が沈んだり憂うつになったり、日常生活に対して興味や意欲を持てなくなる傾向があります。
そして精神的な活動が低下し、エネルギーがわずかにも感じられない場合があります。また、日常のタスクをこなすことが困難となり、身体的な動作にも鈍さや無気力さが表れることがあるでしょう。
未来への不安や自己評価の低さなどが心を占めることで、不安感が増強され、自分自身や状況への否定的な感情が高まることがあります。

疲れやすさ・気力の減退

身体的な症状として、全身がだるいと感じられることや、活動する気力が失われることが挙げられます。また、心の状態が身体にも影響を及ぼし、漫然としただるさや重苦しい感じが生じることがあります。

思考力や集中力の低下

うつ病によって、気分が落ち込みやすくなったり集中力が低下したりすることもあります。 症状が重くなっていくと自分は病気であると思い込む心気妄想や、お金がないと信じ込む貧困妄想などを抱く患者もいます。

罪悪感

「職場に迷惑をかけてしまった」「家族に負担をかけてしまう」「自分はどうしようもない人間だ」のように、自分を責めてしまい罪悪感を抱えてしまう人が多い傾向があります。
早く病気を治して復帰しなければと焦ってしまうと、休んでいることがストレスとなり病状が悪化することもあります。うつ病であることを受け入れて、しっかりと休養することが大切です。

希死念慮

うつ病を発症すると、自分で自分の命を絶ちたいという考えが浮かびやすくなり、自ら命を絶とうとする行為に走ってしまう可能性が高まります。うつ病の患者は死に関する考えに翻弄されやすいため、周囲の方が同症状に対する理解を深めることも大切です。

双極性障害の特徴

双極性障害を発症したときに見られる、主な身体や精神の症状を紹介します。主に以下のような症状が4日以上続くときは軽度の症状となりますが、1週間以上継続したときは重度の双極性障害と判断される可能性があるため、該当する方は早めの受診をおすすめします。
 
・口数が極端に増える
双極性障害は気分が高揚する、いわゆる躁状態になると、会話をしている相手が口をはさむ余地がないほど口数が増えます。 一方で、うつ状態のときには話し方や動きが鈍くなるなどの症状が見られやすくなります。 多くの場合、うつ状態が見られる期間のほうが長いため、病院を訪れる際には過去の躁状態を知っている患者の身近な人などからの話が有用となりやすいでしょう。
 
・睡眠時間の減少
双極性障害を発症すると睡眠の時間が極端に減り、生活のリズムも乱れやすくなります。 また、寝ている時間がかなり短いにも関わらず、躁状態に入ると疲労を感じないところも、双極性障害の特徴です。

・思考や言動が活動的になる
気分が高まることで、思考や行動が活発になっていくこともあります。なお、患者によっては、派手な買い物をしたり無理な投資に手を出したりする行動が見られることもあるようです。

気分循環性障害とは

気分循環性障害(気分循環症)とは、気分が不安定になり、軽度のうつ状態と軽度の抑うつ状態を規則的に繰り返す疾患です。うつ状態と抑うつ状態を繰り返しますが、どちらの症状も軽度であり症状を見過ごされてしまう可能性が高いといえます。
また、気分循環性障害は、双極I型や双極性II型に移行する可能性が多いのが特徴的です。なお、子どもの場合、ADHDが同じ時期に現れて受診するケースもあります。
一般的に、気分循環性障害は入院が必要な疾患ではありませんが、気分の変動により、社会生活に支障をきたす場合があるため治療が必要だといえるでしょう。

気分変調性障害とは

気分変調性障害は、持続性抑うつ障害とも呼ばれています。抗うつ気分が長期間続くことが特徴です。自責感や過敏性、不適応感や興味の喪失、引きこもりや活力が減退するなどの症状があります。
気分変調性障害はうつ病ほど重度ではありませんが、慢性的なうつ状態が続く疾患です。うつ病と比べて気分変調性障害は主観的なものが目立ちます。心の中でとても苦しんでいるのですが、外見は元気そうに見えることも珍しくありません。
しかし、基本的には気持ちは落ち込んでいる状態なので、時間が経つと共に辛さが増してしまいます。気分変調性障害の方は「もうこのまま夜が明けないのだろうか」と諦めてしまい、無価値観に包まれている方が多い病気です。

双極性I型

双極性障害は気分障害のひとつで、うつ状態と躁状態を交互に繰り返す病気です。
以前は「躁うつ病」と呼ばれていましたが、両極端な病状が起こることから「双極性障害」と呼ばれるようになりました。
躁状態が起こる双極性障害を「双極性I型」と呼びます。一般的にうつ状態も発症しますが、うつ状態がない場合でも双極性I型と診断されます。
躁状態になると、ほとんど眠らずに休まず動き回り喋り続けることがあります。そのため、周りにいる家族や友人は疲れ果ててしまうこともあるでしょう。
また、活動的になる傾向がありますが、ひとつのことに集中することが難しいため、結局何も完成できません。他にも高額な買い物をして借金を重ねたり、法的なトラブルを引き起こしたりする可能性もあるため注意が必要です。
無謀な行動を起こし失敗してしまい、これまで築いてきた社会的信用を一気に失ったり、仕事を辞めざるを得なくなったりします。さらに、自分に特別な超能力があると信じる誇大妄想に陥ることもあります。

双極性II型

双極性II型の症状では、軽躁状態とうつ状態の両方が発症します。
軽躁状態は、普段よりも人が変わったように活力にあふれ、人間関係に積極的になります。短時間の睡眠でも元気に動き回り、周囲からは明らかに「ハイ」な状態に見えることがありますが、同時に少し行き過ぎていると感じることもあるでしょう。しかし、軽躁状態は躁状態とは異なり、他の人に迷惑をかけることはありません。
躁状態や軽躁状態は多くの場合、患者自身が自分の変化に気付いておらず、大きな問題を引き起こしているにもかかわらず、患者自身はあまり気にしていません。
むしろ、気分が爽快で調子が良いと感じているため、周囲の人々が困惑していることを理解するのが難しい傾向があります。

気分障害の症状が現れたら場合の対処法

十分な休養を取ることで、回復することもあります。しかし、心身の不調が2週間以上続いたり、仕事や日常の生活に支障が出ていたりする場合は、心療内科や精神科の医師に相談しましょう。
気分障害とうつ病の違いについて、不眠の原因はさまざま! 対策をして睡眠の質を高めようの記事にて詳しく説明しています。ぜひ、参考にしてみてください。

ひとりで考え込まず心療内科や精神科の医師に相談を

今回は、気分障害の症状やうつ病・双極性障害の特徴について詳しく紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。自分自身や家族に思い当たる症状がある場合は、心療内科や精神科の医師に相談してください。
 

赤羽すずらんメンタルクリニックでは駅から約1分で着く女性医師の心療内科です。

気分障害でお悩みの方は赤羽すずらんメンタルクリニックへぜひ一度ご相談ください。

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